【観戦記】福岡第一5-2筑陽学園(福岡地区大会準決勝)




11四死球に6安打を効果的にからめて得点を重ねた福岡第一が、本庄~西村の継投で筑陽学園の反撃をかわして逃げ切った。

福岡第一は初回、柳井四球、松尾死球、藤川犠打で一死二、三塁とし相原の左前打で先制した。4回は一死から左前打で出た井下を送ると後藤、柳井の連続四球で二死満塁とし、松尾の左前打でまず1点。さらに藤川の右前打、相原の押し出し四球で2点を加えた。6回は四球で出た柳井を松尾が送り、藤川の中飛で二死三塁。相原が三塁線を破る二塁打を放ち、1点を追加した。

4回裏福岡第一二死満塁 松尾が左前適時打を放つ

7回まで散発3安打の筑陽学園は8回、荒木が四球で出塁し、池上三振のあと田中が右翼線に落として一死一、三塁。代打藤本は三振に倒れたが、金岡の中前打で1点を返した。

9回は一死後、死球で出た本田が二盗を決め、高倉の二ゴロで三進し、打者荒木の時に捕逸で生還した。その後も荒木四球、池上左前打、田中四球で二死満塁としたが栗山が三振に倒れ、追い上げも及ばなかった。

第12回福岡地区高校野球大会準決勝
(2025年5月10日・土/小郡市野球場)
チ    一二三四五六七八九 計HE
筑陽学園 000000011 260
福岡第一 10030100x 563

 筑陽学園 年 打安点  福岡第一 年 打安点
(左中)本田➂ 410 (右)柳 井➂ 200
(中投)高倉➁ 500 (二)松 尾➂ 311
(捕)荒 木 200 (三)藤 川➂ 411

(一)池 上 510 (中左)相原➂ 223
(三)田 中➂ 320 (一)筒 井➂ 400
(遊)鵜 口➀ 300 (捕)松岡龍➂ 310
打 藤 本➂ 100 (左)井 下➂ 410
遊 栗 山② 100  中 高 垣➁ 000
(投右)金岡 311 (投)本 庄➂ 100
(右)佐 藤➂ 000  投 西 村➂ 100
投左 江原➂ 410 (二)後 藤② 100

(二)遠 藤➂ 300
球犠振盗残      球犠振盗残
8010113       1133010
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投 手 回 安球振責 投 手 回   安球振責
金岡  1.2 1401  本庄  5.2 3460
江原  2.1 3413  西村  3.1 3441
高倉  4 2321
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▼試合時間/9:55~12:27 ※公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ。丸囲み数字は学年

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両校投手陣があわせて19四死球を与え、2時間30分を超える長い試合となった。

筑陽学園・金岡

筑陽学園の先発・エース金岡は、直球にフワッと落ちてくるスライダーを交える。立ち上がり四死球と犠打で二、三塁とピンチを招くと相原に三遊間を破られ、わずか8球で先制を許した。2回も先頭の松岡にストレートの四球を与え、二死後に9番後藤にも四球を与えたところで降板。ひっかかってワンバウンドになる直球も散見されるなど制球が不安定で、苦しい投球となった。

筑陽学園・江原

2番手の左腕江原は長身から投げ下ろす落差あるカーブにチェンジアップ、変化球を軸とした投球をみせた。3回は無失点でしのいだが、4回二死二塁から連続四球でピンチを広げる。満塁となってからも松尾、藤川にはボールが先行し、ストライクを取りに行った球を叩かれ、相原にも押し出し死球を与えて3失点。四球で走者をためてタイムリーを浴び、リードを広げられた。

筑陽学園・高倉

5回からはセンターから左腕の高倉がマウンドへ。小柄ながら直球には力があり、真上から落ちてくるような大きなカーブ、スライダーもある。6回は先頭打者を四球で歩かせ、相原に三塁線を破られて失点。8回も先頭に四球を出すなど決して安定感があったわけではないが、毎回のように走者を出しながらも1失点で切り抜けた。

福岡第一・本庄

福岡第一もエース本庄が先発のマウンドに上がった。直球にスライダー、フォーク、たまにカーブを交える。味方の失策もあって5回まで毎回のように走者を背負ったが、4回一死三塁では田中に対し直球で内角を厳しく攻め、最後はスライダーで空振り三振。鵜口にも直球で押し込んで一邪飛に打ち取った。5回一死二、三塁では本田を高め直球で空振り三振を奪うなど、要所では力のある直球で抑え込んだ。球数が100球に近づいた6回は3つの四死球でピンチを招き、マウンドを西村に譲ったが、粘りのある投球が光った。

福岡第一・西村

二死満塁で登板した西村はいきなりボールが3つ続いたが落ち着いて直球でストライクを2つとると、最後も直球で空振り三振。このあたりの度胸は抑えとしての素質を感じさせる。7回からは縦に落ちてくるスライダーを交えて好投。8回は不運なヒットもあって1点を失い、9回も二死をとってから満塁まで詰め寄られたが、栗山を三振に仕留めて追撃を振り切った。2回戦の福大若葉戦でも再三のピンチを無失点で抑えており、ピンチになると俄然力を発揮する投手だ。福岡第一はここ数年、複数投手による継投策が定着しているが、今年は本庄~西村で必勝リレーを確立しそうだ。

打線は6安打ながら好機にまわってきた2~4番が着実にタイムリーを放つなど、ここぞの集中力が光った。中でも相原はタイムリー2本。4番の役割を果たした。守備で3つのイージーミスが出たのが反省材料か。

筑陽学園も6安打を放ち、8つの四死球を得て塁上を賑わせた。ただ、4回一死三塁、5回一死二、三塁、6回二死満塁など再三得点圏に走者を進めながら決定打を欠き、残塁は13を数えた。同じ6安打ながら好機にタイムリーの出た福岡第一との決定力の差が、そのまま得点差となって表れた。

今春は明善に0-10で敗れるなど、この2年間は大敗も目立つようになっている筑陽学園。2年連続ノーシードでのぞむ今夏は、どのような戦いぶりを見せてくれるのか注目される。

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