【観戦記】九国大付10-0折尾(北九州市長杯準々決勝)




本塁打を含む3安打5打点と大暴れした1年生・岩見の活躍で、九州国際大付が3試合連続となる5回コールドで折尾に快勝した。

2回二死から岩見の右越え本塁打で先制した九州国際大付は4回、中上が四球で歩くと渡邉の投前バントが一塁低投を招いて一、二塁。免田の三前バントも内野安打となったあと、牟禮が押し出し四球を選んでまず1点。続く岩見がセンター右を破る走者一掃の二塁打を放って折尾の先発長尾(翔)をKOした。

代わった山本から吉田の中前打で無死一、三塁とし、岩崎の右前打で5点目。なおも無死一、二塁から打者松元のときに捕逸、さらに暴投で吉田が生還。松元一ゴロのあと淵上の左犠飛でこの回7点をあげた。

5回はこの回から登板した藤井を攻め一死後、牟禮がレフト右を破る二塁打で出塁すると、岩見の左中間二塁打で生還。吉田四球、代打中島三振、松元四球で二死満塁とし、淵上が左前打を放って試合を決めた。

5回裏九国大付一死二塁 岩見が左中間に適時二塁打を放つ

折尾は初回、先頭の長尾(翔)が右前打で出ると二盗を決めたが後続が三者連続三振に倒れた。2回は一死後、柴田の一塁内野安打、田中の右前打で一、二塁としたが長尾(壮)三振、川津二ゴロで無得点。4回は衛藤がライトへの二塁打、近藤四球で無死一、二塁としたが、柴田の送りバントが三邪飛になるなどチャンスを広げられず、好投する長尾を援護できなかった。

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第53回北九州市長杯争奪高校野球大会準々決勝
(2025年4月29日・火/北九州市民球場)
チ    一二三四五六七八九 計HE
折  尾 00000     042
九国大付 01072      1080
(5回コールド)

  折 尾 年 打安点  九国大付 年 打安点
(投中)長尾 310 (三)淵 上➂ 312
(二)岩 見③ 200 (二)中上輝➂ 200
(右)長尾颯➁ 200 (投遊)渡邉➂ 200

(三)衛 藤➂ 210 (一)免 田➂ 210
(捕)近 藤➂ 100  投 近 藤➀ 000
(一)柴 田 210  打 藤 島➀ 100
(遊)田 中➁ 210 (左)牟 禮➁ 211
(中)長尾壮➁ 100 (中)岩 見 335
投 山 本② 000 (遊)吉 田➀ 210
打 佐 元➂ 100 (捕)岩 﨑➂ 211
投 藤 井➂ 000  打 中 島➀ 100
(左)川 津➂ 200 (右)松 元➂ 200
球犠振盗残      球犠振盗残
10514      42504
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投 手 回 安球振責 投 手 回   安球振責
長尾翔 3.0 3235  渡邉  4 4140
山本    1 2000  近藤  1 0010
藤井  0.2 3212
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▼試合時間/9:51~11:12 ※公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ。丸囲み数字は学年

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先発起用された1年生の岩見が試合の流れを一気に引き寄せる活躍を見せ、九州国際大付が快勝した。

折尾・長尾(翔)

折尾の先発は背番号8をつける長尾(翔)。左の軟投派だが、この日はチェンジアップが冴えわたった。初回中上、渡邉といずれも見逃し三振。2回に牟禮を空振り三振に打ち取ったのもこの球だった。高さ、コースとも申し分ないところに落ちてくる。

その長尾に強烈な先制パンチを見舞ったのが、この日6番に起用された岩見。2回二死で回ってきた第一打席、2-0からストライクを取りにきた球を叩くと打球はライトへ。フェンス上部に直撃かと思われたがそのままスタンドに飛び込んだ。それでも長尾は吉田を一邪飛にとると3回も三人で抑え、岩見以外は完全に封じていく。

九国大付・渡邉

折尾は攻撃でも九州国際大付の先発・渡邉から再三チャンスをつくった。初回は先頭の長尾が右前にクリーンヒットを放つと、初球に二盗を決め無死二塁。2番岩見は送りバントを試みたがファールとなり、最後は強攻にでて三振。長尾(颯)は高め直球、衛藤も手元で沈む変化球にバットが空を切り絶好の先制機を逃す。4回は衛藤の右前へのライナーに飛び込んだ松元が打球を後逸する間に二進。近藤四球で無死一、二塁としたが柴田のバントは痛恨の三邪飛。田中遊ゴロで二死一、三塁とチャンスはつづいたが、田中が一塁けん制でタッチアウト。4回まで三度、得点圏に走者を送りながら得点できなかった。

こうなると流れは変わる。4回、好投を続けてきた長尾が中上に四球を与え、渡邉の投前バントを一塁に低投、免田の三塁前バントが内野安打となって無死満塁。牟禮を追い込みながら押し出しの四球を与え、九州国際大付に労せずして追加点が入った。続く岩見のセンター左への飛球は犠飛かと思われたが打球が伸び、走者一掃の二塁打に。外低めへのチェンジアップ、長いリーチを生かして合わせただけという感じの飛球が、ぐんぐんと伸びていった。ここで長尾は降板。被安打はわずかに3だったが、岩見の長打2本に屈する形になった。

4回裏九国大付無死満塁 岩見が中堅左に走者一掃の二塁打を放つ

さらに5回一死二塁では、3番手の藤井からも外角直球を左中間の最深部まで運んだ。本塁打も含め、軽く合わせただけの飛球が風に乗ったかのように伸びていく。そんな感じを受けた。代打で登場した2回戦の常磐戦でも左中間への二塁打を放っており、岩見はこれで4打席連続長打ということになった。

九国大付・近藤

九州国際大付は先発出場した岩見、吉田のほかにも藤島、中島を代打に送るなど積極的に1年生を起用した。4回は同じく1年生の近藤がマウンドへ。恵まれた体格を生かして直球、落差あるスライダーを投げ込み三者凡退に打ち取った。

先発の渡邉は長身から投げ下ろす直球、変化球を駆使して4回を無失点。4安打を許したが要所を締めた。投手陣では2回戦の常磐戦に先発した山田も好投しており、1年生の加入を得て投打とも戦力に厚みが出てきている印象だ。

折尾・藤井

折尾の2番手山本は角度のあるスライダーを軸に、3番手藤井は長身から直球に複数の変化球を交えての投球だったが、勢いに乗った九州国際大付打線の勢いに飲み込まれた。ただ、いずれも悲観するような内容ではなく、長尾を含めて巻き返しが期待される。

この日は拙攻が目立ったが打力もあり、左右3人の投手を揃える実力校。夏はシード校にとって怖い存在となりそうだ。

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