
先発村田が8回まで3安打無失点に抑える好投を見せた真颯館が、終盤に八幡南を突き放して勝利をあげた。
両校無得点で迎えた4回、真颯館は左前打で出た木下を村田が送り、綿島の右前打で一死一、三塁。続く尾形の右犠飛で先制した。5回二死満塁、6回一死二塁、7回二死一、二塁と好機で追加点を奪えなかったが8回一死後、尾形がライト右への二塁打で出ると、代打宮川の二ゴロで三進し、井上の左中間二塁打で尾形が生還した。
9回は二死から木下、村田が四球を選び、綿島のレフト左への適時打でまず1点。なおも二死一、二塁から尾形が左翼線二塁打を放ち2人を迎え入れて5-0と突き放した。

初回無死一、二塁の先制機を逃した八幡南は4回先頭の吉原が中前打で出塁したが後続が凡退。7回は一死後、坂井中前打、徳田三ゴロ(二塁封殺)、松本右前打で二死一、二塁としたが代打山本康が二ゴロで得点できなかった。ようやく9回、この回から登板した野元から3者連続四球で無死満塁とすると、ここで再び登板した村田から一死後、山本康が右前打を放って1点を返した。しかし後続2人が村田に抑えられ、反撃も届かなかった。
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第53回北九州市長杯争奪高校野球大会2回戦 (2025年4月26日・土/北九州市民球場) |
チ 一二三四五六七八九 計HE 真颯館 000100013 5122 八幡南 000000001 141 真颯館 年 打安点 八幡南 年 打安点 (右投右)野元➂ 510 (二)山本将➂ 400 (三)月 川③ 420 (捕)溝 上➂ 400 (二)後 藤② 510 (遊)吉 原➁ 410 (捕)木 下➂ 210 (一)石 井➂ 200 (投右投)村田➂ 200 打 岩 男➂ 100 (左一)綿島➂ 521 中 伊 藤② 000 (中)尾 形➂ 433 打 瓜 生③ 000 (一)山 口➂ 300 (投)坂 井➁ 310 (打左 宮川➂ 210 (左)徳 田➁ 300 (遊)井 上➂ 511 (右)松 本➂ 410 (三)波多野➁ 100 (三)成 田➁ 200 (三)波多野➁ 1 00 打一 山本康➂ 211 (三)波多野➁ 100 (中三)湯川➁ 200 (三)波多野➁ 100 打 柴 田➁ 100 (三)波多野➁ 100 三 吉 田➂ 000 (三)波多野➁ 100 打 宇 宿➁ 100 球犠振盗残 球犠振盗残 623513 40709 —————————————- 投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責 村田 8 3170 坂井 9 12635 野元 0 0301 村田 1 1000 ———————————————— ▼試合時間/11:56~14:18 ※公式記録ではありません ※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ。丸囲み数字は学年 |
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前チームから主戦として真颯館のマウンドを守る左腕エースの村田が安定した投球をみせた。

昨秋観戦時の球速は130キロ前後(最速132キロ)。豪速球を投げ込むタイプではないが、脱力感のあるフォームから手元でピュッと伸びるような直球を投げ込む。カーブ、スライダー、チェンジアップなど変化球も含めて制球力が抜群。いつでも、どの球でもストライクが取れる感じさえ受ける。打たせてアウトを重ねるだけでなく三振も取れる投手で、この試合でも7つの三振を奪った。
初回は味方の失策と野選でいきなり無死一、二塁のピンチを背負ったが、吉原の投前バントを落ち着いて三塁に投げて封殺。4番石井にはスライダーを低めに集めて最後は見逃し三振。坂井は直球で押し込んで遊ゴロに仕留めた。2回以降は危ない場面はほとんどなく唯一、得点圏に走者を背負った7回二死一、二塁も代打・山本康をスライダーで二ゴロで打ち取った。
9回はライトの野元にマウンドを譲ったが、野元が3者連続で四球を出すと再び登板。一死後、山本に右前打を許して1点を失ったが、後続を危なげなく打ち取った。経験の豊富さからかピンチでもマウンドさばきに余裕があり、円熟味を感じさせる投球だった。

八幡南の先発は背番号7の2年生・坂井。昨秋2回戦(門司大翔館戦)では、5回1安打無失点ながら与えた四死球6と制球に課題を残した。この日は立ち上がりこそ高く浮く球もあったが2回以降は直球、スライダーとも低めに決まるようになった。伸びのある直球で差し込んでの凡飛、落差のあるスライダーでの内野ゴロでアウトを重ねた。8回まで9安打4四死球(うち申告敬遠1)を許し、毎回のように走者を出したが要所を締めて2失点で踏ん張った。球数が130球を超えた9回はさすがに疲れの色を隠せずに打ち込まれたが、真颯館の村田と堂々とわたりあった。
真颯館は、1年夏からレギュラーとして活躍する7番尾形が3安打3打点と活躍。シュアな打撃が持ち味だが4回の右犠飛はフェンス際まで達し、逆方向にも大きな当たりを飛ばした。盗塁もチームで5つ決め、足を絡めた攻撃も見せた。
守備ではサード月川に2つ失策がついたが、3回は山本将の放った三塁線を襲う強烈なゴロに対し、反応よく正面に入って好捕。7回には三塁前の難しいバウンドのゴロをうまいグラブさばきで処理。大柄な三塁手だが俊敏な動きをみせた。

八幡南はショート吉原が5つのゴロを軽快にさばいた。三遊間の弱いゴロの捕球ミスに失策がついたが、捕って一塁に投げても間一髪と思われる当たりで内野安打でもおかしくない一打。センター湯川も動きがよかった。6回尾形のセンター右に落ちる安打をすばやく抑えて内野に返球。あわよくば二塁を陥れようと勢いよく一塁ベースを蹴った尾形も自重せざるを得なかった。二盗を刺そうとした捕手からの二塁送球が逸れたときも猛ダッシュでバックアップし、三塁進塁を防いだ。
攻撃では初回無死一塁では送ってきたが、4回と6回の無死一塁では強攻。4回は4番石井、6回は2番溝上という上位の打者ではあったが点差は1点、相手は好投手の村田だっただけに送る作戦も有力だった。ヒット以外にも鋭い当たりが見られたものの野手の守備範囲内にとどまり、真颯館の堅守に阻まれた。
エース・大束はブルペンでは投げており終盤には救援登板もあるかと思われたが、最後まで出番がなかった。
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