
九州国際大付が4回までに4本の長打を含む10安打を放って大量11点を奪い、5回コールド勝ちで常磐を圧倒した。
1点を先制された九州国際大付は2回、牟禮が中前打で出ると二盗を決め、暴投で無死三塁。松元四球で一、三塁から吉田の遊ゴロ失で追いついた。なおも無死一、三塁から岩﨑の左前打で勝ち越し。山田が送って一死二、三塁とし、淵上の左前打で2点を加えた。さらに淵上が二盗を決めたあと中上の左中間三塁打で還り、この回5点を奪った。

3回は牟禮が死球で出塁。松元、吉田は凡飛に倒れたが続く岩﨑の時にボークで牟禮が二進し、岩崎の右前打で生還した。
4回は中上、久保田が連続四球。打者・免田の時にフルカウントからヒットエンドランを仕掛け三振併殺(三盗失敗)で二死二塁となったが、牟禮の右越え三塁打でまず1点。代打嶋津の四球で一、三塁とし吉田の右越え三塁打で2点を追加した。ここで登板した常磐2番手の後藤から岩﨑右前打、代打岩見左中間二塁打でさらに2点を加え、勝負を決めた。
常磐は2回、右前打で出た重松が大神の二ゴロで二進し石橋左前打で一死一、三塁。ここで江頭がセーフティスクイズを決めて先制した。4点を追う3回は一死から上原が右翼線に落として出塁したが、武本三振のあと二盗に失敗して無得点。4回以降は四球の走者を一人出すにとどまり、反撃できなかった。
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第53回北九州市長杯争奪高校野球大会2回戦 (2025年4月26日・土/北九州市民球場) |
チ 一二三四五六七八九 計HE 常 磐 01000 131 九国大付 0515x 11100 (5回コールド) 常 磐 年 打安点 九国大付 年 打安点 (右)上 原➁ 210 (三)淵 上➂ 412 (左)武 本③ 200 (二)中上輝➂ 111 (二)浦 津➂ 200 (右)久保田➁ 200 (中)重 松➂ 210 (一)免 田➂ 300 (一)大 神➂ 200 (左)牟 禮② 221 (捕)石 橋➁ 110 (中)松 元③ 100 (遊)江 頭➂ 101 打 嶋 津③ 000 (投)尾 崎➂ 100 投 大 迫③ 200 (投 後 藤② 100 (遊)吉 田➀ 312 (三)波多野➁ 100 (捕)岩 﨑➂ 333 (三)波多野➁ 100 (投)山 田➂ 110 (三)波多野➁ 100 打中 岩見➀ 111 球犠振盗残 球犠振盗残 11301 62225 —————————————- 投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責 尾崎 3.2 8629 山田 4 3031 後藤 0.1 2001 大迫 1 0100 ———————————————— ▼試合時間/9:55~11:05 ※公式記録ではありません ※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ。丸囲み数字は学年 |
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春の大会5回戦で東筑に1安打に封じられての敗戦から約1カ月。九州国際大付はその時のスタメンから淵上、牟禮、岩﨑以外を入れ替え、1年生を起用するなど大幅なメンバーチェンジを断行。昨秋パート決勝まで進んだ実力校・常磐との一戦にのぞんだ。
新打線効果は1点を追う2回にさっそく表れた。牟禮がセンター前に落とすと二盗、暴投で三進。松元四球のあと、吉田の一打はショート前へのハーフライナー。捕球直前でバウンドした打球を膝をついて抑えようとした江頭だったが、体に当たってレフト前に転がり同点に。なおも無死一、三塁から岩﨑は見逃せばボールかという外角高めの直球を左前にあわせて勝ち越し。山田が送ったあと、淵上は内角直球に力負けせず左前に運ぶ2点適時打。中上も左中間を深々と破り、敵失で追いついたあとは犠打を挟む3連打で一気に突き放した。

3回も二塁に牟禮を置いて、岩崎が今度は直球を引っ張って一二塁間を破り追加点。4回は二死二塁から牟禮の右越え三塁打で1点を加えると、四球のあと1年生の吉田がセンター右を破る三塁打で常磐の先発尾崎をKO。2番手の後藤にも岩﨑が3打席連続の適時打となる右前打を浴びせたあと、大型左腕として注目される1年生・岩見が代打で登場、左中間を深々と破り試合を決めた。

先発の山田は力のある直球(春の大会観戦時の最速135キロ)にスライダーを交える投球。2回は2本のクリーンヒットを許しセーフティスクイズで先制されたが、ストライク先行のテンポのよい投球で4回を投げて被安打3、無四球の1失点と先発の役目を果たした。
守ってもセカンド中上(中上姓の選手は2人ベンチ入り。出場していたのは1年生の中上選手か→【4/29追記】3年生の中上選手のようでした)は2回、投手を強襲した打球を素早い動きで処理して一塁でアウトをとり、ショート吉田もセンスを感じさせる動きで2つのゴロを無難にさばくなど堅い守りが光った。新戦力の加入でチームが活性化され、投打がかみ合った九州国際大付の快勝譜だった。

常磐の先発尾崎も右サイドから伸びのある直球にカーブ、スライダーを使って初回は無難に抑えた。ただ、2回はボール球が目立つようになり、ストライクをとりに行った球を叩かれた。3回も先頭の牟禮に死球。二死後、二盗のタイミングが早く飛び出した牟禮を一二塁間で挟みながら一塁に生かしてしまい、岩崎に手痛いタイムリーを浴びた。4回は連続四球からピンチを招き、牟禮・吉田に長打を浴びて降板となった。
尾崎のカーブは一度浮き上がってから落ちてくる。直球との球速差もあるため空振りがとれ、体勢を崩せる有効な球だ。しかしそれも直球も含めた低めへの精度があってこそ。力のある直球を生かすためにも、夏に向けてはもう一度制球力を磨きたいところ。

打線は3安打に終わったが、2回はクリーンヒット2本に小技をからめた鮮やかな先制だった。3番浦津の2つのアウトも外野への鋭いライナーが野手の正面に飛んだもの。ただ、リードを許してからは直球に差し込まれるシーンが目立ち、沈黙した。この試合を前に部内でインフルエンザが蔓延し、練習も十分に積めなかったと聞く。その影響も少なからずあったのだろう。
夏に上位進出を目指すためにも今回の敗戦を糧に、投打とももう一段階のレベルアップに期待したい。
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