
浮羽究真館が終盤に集中打で中村三陽を逆転、エース國武が好リリーフをみせて逃げ切った。
1点を追う浮羽究真館は8回、濱野が中前打で出塁すると、ここで登板した中村三陽の眞名子から代打・朝倉が送りバントを決めて一死二塁。國武が四球で歩いたあと暴投で二、三塁とし、舍川がレフト右を破る三塁打を放って逆転した。続く田中の左犠飛で舍川も生還してリードを2点に広げ、そのまま逃げ切った。

序盤は中村三陽が優位に試合を進めた。初回は福江が四球を選び、塚原のバスターは一ゴロとなったが一塁ベースカバーに入った投手との連携が乱れ無死一、三塁。原野三振、川上死球で一死満塁から筒井の右前打で先制した。2回は右前打で出た柴田を鉄穴が送り一死二塁。暴投で柴田が三進したあと、船崎のセカンド後方の飛球が風で押し戻されて内野に落ちる安打となり柴田が生還した。1点差とされた5回は二死から原野中前打、川上右前打で一、二塁とし、筒井の右前適時打でリードを再び2点に広げた。
浮羽究真館は3回一死から楢橋が中前打、小野も左前打で続き一、二塁。続く出利葉の二ゴロで4-6-3の併殺を狙った一塁送球が乱れる間に楢橋が還って1点差とした。7回は一死後、本田が右前打。楢橋の二ゴロで二進、さらに暴投で三進したあと、小野の左前打で1点差とした。6回から登板した國武は一人の走者も許さない完全救援。中村三陽に追加点を許さず終盤の逆転を呼び込んだ。
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第156回九州地区高校野球福岡大会 4回戦 (2025年3月28日・金/今津運動公園野球場) |
チ 一二三四五六七八九 計HE 中村三陽 110010000 371 浮羽究真館 00100013x 5101 中村三陽 年 打安点 究真館 年 打安点 (中)福 江② 300 (投捕)楢橋➂ 520 (三)塚 原➂ 400 (遊)小 野➂ 421 (投右)原野② 410(左中)出利葉➂310 (捕)川 上➂ 310 (三)濱 野➂ 410 (右)筒 井➂ 422 (一左)井上➂ 300 (投 眞名子② 000 打 朝 倉➂ 000 (左)竹 山➂ 300 左 平 山➂ 000 (打左 秋吉➂ 100(中投)國武一➂ 300 (一)柴 田➂ 310(二一二)舍川➂ 422 (打 馬 田 100 (捕二)田中➂ 200 (遊)鉄 穴② 210 打一 鐘江➂ 101 (打 水 崎➂ 100 (右)本 田② 320 (二)船 崎② 311 (打 猪口志 100 球犠振盗残 球犠振盗残 21316 32318 —————————————- 投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責 原野 7.0 9132 楢橋 5 7212 眞名子 1 1202 國武一 4 0020 ———————————————— ▼試合時間/13:20~15:04 ※公式記録ではありません ※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ |
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鮮やかな先制攻撃でリードを奪った中村三陽に対し、地力で勝る浮羽究真館が終盤に逆転した一戦だった。

浮羽究真館の先発は背番号2で普段は捕手を務める楢橋。投手としては直球にチェンジアップを交える制球のよい右腕だ。その楢橋に対し中村三陽は初回、福江が四球を選ぶと塚原の時にバスターエンドラン、これが相手内野陣の連携ミスを誘い一、三塁とチャンスを広げる。原野は三振に倒れたが川上死球で満塁から筒井が直球をライト前に運んで先制。2回には一死三塁から風を味方につけて追加点をあげると、1点差とされた5回は二死から中軸の3連打で再び2点にリードを広げる。

先発の2年生エース原野は、長身を生かして真上から投げ下ろす直球に大きなカーブを外角低めに集めて好投。3回は味方の失策もあって1点を許したが、5回一死一、三塁のピンチで迎えた上位打線を抑えるなど6回まで1失点でしのぐ。ここまでは中村三陽のペースで試合が進んだ。
流れを変えたのは6回表からマウンドに上がった浮羽究真館のエース國武。サイドから力のある直球に、右打者の外角低めいっぱいに決まるスライダーを交えて6回7回と三人ずつで片付ける。

7回表には一塁ファールフライを舍川が飛びついて好捕。流れを引き寄せると、その裏に小野の左前適時打で1点差とし、8回は4番濱野の左前打で逆転への狼煙をあげる。ここで登板した右サイドハンドの眞名子から一死二、三塁の好機を作ると、舍川が緩い球を引き付けて逆方向にはじき返す逆転打を放って勝負を決めた。國武は4イニングスで一人の走者も出さない完全救援で締めくくった。

中村三陽打線は5回までに7安打。センターから右へコンパクトに打ち返していった。4番川上は5回の右前打のほか、3回にはセンター後方を襲う大きな当たりを放った。5番筒井は右方向へタイムリー2本を放ち、勝負強いところをみせた。全体的に小柄な選手が多いが上位から下位までミート力に長け、どこからでもチャンスを作れる印象。ただ國武には抑え込まれたように、今後は県上位クラスの投手を打ち込んでいくことが悲願の県大会出場に向けて必要になる。守りでは送球のミスが一つあったもののセカンド船崎は4つ、ショート鉄穴は3つのゴロを堅実に処理。試合を引き締めた。
浮羽究真館も外野守備でみせた。出利葉は4回二死二塁でレフト後方を襲う鉄穴の当たりを好捕。強い風に乗って伸びていく難しい打球だったが、最後は倒れ込みながらキャッチした。抜けていれば追加点が入りリードを広げられていた場面で大きなプレーだった。
2時間に満たない試合だったが両校のキビキビとした動きが光り、内容の濃い一戦だった。
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