【観戦記】福大大濠5-0東福岡(春季大会4回戦)




序盤に足をからめて東福岡・近藤を攻略した福岡大大濠が、投げては先発・志村が毎回の14奪三振の力投をみせて完封、昨秋の雪辱を果たした。

福岡大大濠は初回、小峰が四球を選び先村が送って一死二塁。菅野の投手強襲安打で一、三塁とし、打者中川の時に暴投で小峰が先制のホームを踏んだ。なおも一死二塁から中川左飛のあと豊田の左前打で一、三塁とし、打者鹿毛の時に重盗が決まり、この回2点を先制した。

3回表福大大濠無死一、三塁 中川が右前適時打を放つ

3回は先頭の先村が右翼線二塁打で出塁。菅野の一前バントが内野安打となり無死一、三塁から中川の右前打でまず1点。さらに捕逸で無死二、三塁とし、豊田三ゴロのあと鹿毛の二ゴロの間に菅野が生還。さらに二死三塁から東の左前打で中川も還り、5-0とした。4回以降は2番手の谷に2安打無得点に抑えられたが、このリードを先発志村が守り切った。

東福岡は初回二つの四球で二死一、二塁としたが無得点。3回も四球で出た山本が一死後二盗を決めたが後続が凡退。4回は一死から山下が三内野安打で出塁し、近藤三振のあと谷、村田の中前打で二死満塁としたが山本が三振に倒れた。

6回も一死から山下中前打、近藤三振、谷投内野安打で二死一、二塁。さらに暴投で一、三塁と迫ったが村田が三振。走者を出しながら要所を志村に抑えらえて完封を喫した。

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第156回九州地区高校野球福岡大会 4回戦
(2025年3月28日・金/今津運動公園野球場)
チ    一二三四五六七八九 計HE
福大大濠 203000000 590
東福岡  000000000 073
 福大大濠 年 打安点   東福岡 年 打安点
(二)小 峰② 410 (中)山 本➂ 310
(右)先 村
410 (二)大 木➂ 300
(遊)菅 野➂ 520 (右)大 坪➂ 400
(中)中 川➂ 411 (一) 菅 ② 410

(一)豊 田➂ 420 (遊)辻 生➂ 400
(左)鹿 毛➂ 301 (捕)山 下➂ 420
左 北 嶋② 000(投三)近藤➂ 300
(捕) 東 ➂ 411 (三)井 上➂ 100
(三)平 岡② 300  投  谷 ➂ 320
(投)志 村③ 410 (左)村 田➂ 410
球犠振盗残       球犠振盗残
13527       411410
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投 手 回 安球振責 投 手 回   安球振責
志村  9 74140  近藤  2.2 7114
ーーーーーーーーーー   谷   6.1 2040
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▼試合時間/10:49~12:49 ※公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ

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朝から降り続く雨。冬が戻ってきたかと思わせる寒さと強く吹き付ける風。厳しいコンディションの中で、今大会の優勝の行方を占う一戦が行われた。

東福岡・近藤

東福岡の先発はエース近藤。立ち上がり得意の縦スライダーが高めに浮き四球と内野安打で一死一、三塁。打者中川の時にスライダーで空振りを奪った球がワンバウンドとなり捕手が後逸、先制を許す。二死後、豊田にスライダーを三遊間に運ばれ一、三塁。ここで一走の豊田が二盗、捕手が二塁送球したのを見て菅野がスタートを切り本塁を陥れた。福岡大大濠は近藤の立ち上がりを攻めて主導権を握った。

福大大濠・志村

福岡大大濠の左腕エース・志村も立ち上がり制球に苦しんだ。山本にストレートの四球を与えると犠打、三振のあと菅にも四球。しかし辻生をスライダーで投ゴロに打ち取り、2回も一死から四球を出したが無失点で切り抜ける。

そして迎えた3回、福岡大大濠は先頭の先村がスライダーを右翼線に運ぶ二塁打。菅野の送りバントはセカンドの一塁ベースカバーが遅れて内野安打となったあと、中川が低めのスライダーをしぶとく一・二塁間に運んで3点目。なおも一、二塁から豊田への初球、捕手がボールを足元にこぼして見失う隙をついて走者がそれぞれ進塁。一死後、鹿毛のセカンド右へのゴロを前進守備を敷いていた大木がはじく間に1点を追加し、東もスライダーをサード右にはじき返して5-0。この回だけで4安打を集中して近藤をKOした。

志村は走者を出しながらも、ここぞの場面では鋭く落ちるスライダーで三振の山を築きながら、ピンチを脱していく。東福岡も4回に単打3本、6回にも2本を放って塁上を賑わせるが4回は山本、6回は村田がスライダーで三振。7回も先頭の山本が左前打、8回も先頭の菅が中前打で出るが、連打が出なかった。結局、志村は毎回奪三振を記録、その数は14にのぼった。

東福岡・谷

東福岡は3回途中から救援登板した大型右腕の谷が好投した。エースナンバーを背負った秋は準決勝・育徳館戦でリリーフ登板、9回に逆転サヨナラ打を浴びて悔しい思いをしている。この日は直球・スライダーとも外角低めに安定して決まり、テンポよく打ち取っていった。許した安打は小峰のバントヒットと豊田の中前打のわずか2本。四死球はゼロで、スリーボールにしたのも一度だけという制球のよさをみせた。7回は内野の連続エラー、8回も安打と失策で得点圏に走者を背負ったが、落ち着いて後続を断った。

東福岡は3失策に2つのバッテリーエラー、さらに記録に残らないミスもあって守りでやや精彩を欠いた。一方の福岡大大濠は7回無死一塁でライト前へのライナーを先村がダイビングキャッチし、飛び出した一塁走者を刺して併殺を奪うなど堅守で志村を盛り上げた。昨秋のリベンジに燃えるベンチの気迫がバックネット裏からも感じられ、寒さをも吹き飛ばす快勝劇だった。

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