【観戦記】光陵6-0苅田工(春季大会4回戦)




光陵・見市、苅田工・荒木、両投手による投手戦が展開されたが、無失点に抑えた見市が投げ勝った。

光陵は初回、東が左前打で出塁すると、田中の捕前バントはベースカバーに入ったセカンドの足が離れて無死一、二塁。宮津が送ったあと、山中の中犠飛で先制した。なおも二死三塁から林の左前打で田中も生還した。

1回表光陵一死二、三塁 山中が先制の中犠飛を放つ

その後は2回一死三塁、6回一死二、三塁、7回二死三塁などで追加点が奪えなかったが、投手が淋に代わった8回、一死から宮津が左越え二塁打を放ち暴投で三進。山中の右翼線二塁打で生還した。さらに林の右飛で三進した山中が代打永石のときに暴投で還り、この回2点を追加した。

9回は3番手・藤澤を攻め、一死から芳賀が四球を選び東が送って二死二塁とし、田中の右前打で5点目。本塁送球間に二進した田中が宮津の中前打で生還し、6-0と突き放した。

苅田工は初回二死後、四球で出た石川が二盗を決めたが藤澤が中飛。2回は一死から水谷が遊ゴロ失で出ると塚内も中前打で続き、荒木が送って二死二、三塁としたが村上が三振に倒れた。その後も3回を除いて毎回のように走者を出しながら決定打を欠き、見市~立川の継投の前に完封を喫した。

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第156回九州地区高校野球福岡大会 4回戦
(2025年3月27日・木/北九州市民球場)
チ   一二三四五六七八九 計HE
光 陵 200000022 611
苅田工 000000000 061
  光 陵 年 打安点   苅田工 年 打安点
(一) 東 ② 410 (左投左)➂ 400
(遊)田 中➂
411 (中)塩 田➂ 300
(三)宮 津② 441 (捕)石 川➂ 310
(右)山 中➂ 422 (遊投)藤澤➂ 400

(捕) 林 ➂ 311 (三)内 間② 410
(二)原 口➂ 300 (右)水 谷➂ 410
打 永 石➂ 110 (一)塚 内➂ 320
走 大 橋➂ 000(投左)荒木② 210
二 野 際② 000  左  脇 ② 000
(中)中 村➂ 300  遊 荒木② 000
(投)見 市➂ 310  打 山 上② 100
投 立 川③ 000 (二)村 上➂ 300
(左)芳 賀③ 200
球犠振盗残       球犠振盗残
26417       32328
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投 手 回 安球振責 投 手 回   安球振責
見市  8.2 5320  荒木   7 6130
立川  0.1 1010    淋   1 3002
ーーーーーーーーーー   藤澤  1 2112
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▼試合時間/13:03~14:52 ※公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ

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3回戦で真颯館に完封勝ちした光陵。初戦でシード・小倉に打ち勝った苅田工。光陵投手陣と苅田工打線の対決が注目された試合は、光陵投手陣に軍配があがった。

光陵・見市

光陵の先発は右サイドハンドの見市。アンダーハンドと言ってもよいほどの低い位置から110キロ台前半の直球(この日最速114キロ)、90キロ台のスライダーを右打者の外角低めに集めた。内野への強いゴロ、外野への大きな当たりもあったが、低めに制球されているためか野手の守備範囲内に飛ぶことが多かった。5安打・3四死球に味方の失策もあって3回を除いて毎回のように走者を出しながら、決定打を許さなかった。

9回二死一塁の場面で背番号10の立川がマウンドへ。打者2人だけの登板だったが、120キロ台後半の直球(同129キロ)にスライダーを交える投球を披露した。

打線は11安打。なかでも2年生の3番宮津は4打数4安打1打点の活躍。右打席からレフト、センター、ライトと広角へ鋭く打ち分けた。チームとして5つの送りバントを決めた一方、2回一死三塁と6回一死二、三塁で仕掛けたスクイズはいずれも失敗(スリーバントスクイズ失敗と空振り→三走本塁憤死)に終わり、早い段階で突き放せなかった。

苅田工・荒木

苅田工先発・2年生の荒木は右のスリークォーター。直球は110キロ台後半(同121キロ)で、スライダーにカーブを交える。初回は味方の失策もからんで犠飛とタイムリーで2点を失ったが、しり上がりに調子を上げた。与えた四球も一つだけ。右打者の外角低めいっぱいに決まるスライダーを武器に、2回から7回までゼロを並べた。

苅田工・淋

バックも好守で支えた。初回は2点を失いなおも二死一塁で、右翼線への当たりを水谷が倒れ込みながらキャッチ。抜けていればさらに1点の場面だった。4回は原口のセンター前に落ちようかという打球を塩田が俊足を飛ばし、最後は飛び込んで好捕した。

8回はレフトから背番号1をつけた淋(そそぎ)が登板。小柄ながら120キロ台なかば(同128キロ)の直球を投げ込んできたが長打2本を含む3安打を浴び、暴投も3つ記録するなど不本意な投球となった。9回はショートから藤澤がマウンドへ。内野手らしくコンパクトなフォームから110キロ台(同117キロ)の直球にカーブを交えたが、四球からピンチを招き2本のタイムリーを許した。

8回裏苅田工二死二塁 石川は中飛に倒れる

苅田工打線は見市の直球、スライダーを最後まで打ちあぐんだ。左の大型打者として注目される3番石川は3打数1安打1死球。90キロ台のスライダーを低めに集められ、見市の術中にはまった。それでも6回の三塁打は、スライダーを逆方向に軽く合わせただけでレフトの右を鋭く抜けていき、パワーを感じさせる一打であった。

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