’25春季大会展望①Aパート~育徳館,東筑,九国,沖学園など大混戦




第156回九州地区高校野球福岡大会の開幕(3月20日・木)までちょうど2週間となりました。3月1日(土)には対外試合が解禁、7日(金)にはセンバツの組み合わせ抽選会が予定されており、2025年もいよいよ球春到来です。

今日から福岡大会の組み合わせをパートごとに紹介しながら、県大会の行方を展望してみたいと思います(学年は新年度で表記)。まずはAパートから。

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【南部Aパート】
西日本短大附のセンバツ出場によりシード校不在となったAパートは沖学園、八女学院、筑陽学園、福岡工などを中心に混戦が予想されます。

沖学園・川畑

沖学園は140キロ超の直球に落差あるスライダーを交える本格派・川畑(3年)を擁します。昨夏はエースとしてチームの16強進出に貢献し、マウンド経験は十分。ひと冬を越し、どのような成長ぶりを見せてくれるでしょうか。秋は3回戦で西日本短大附にコールド負けを喫しましたが、シード校不在のここは、春秋の大会としては2020年秋以来となる県大会出場のチャンスを迎えました。

八女学院・石飛

八女学院も投手力が充実しています。左腕エースの石飛(3年)のほか、右の丸山(2年)、左の本田(同)も小気味よい投球を見せる好投手。昨年8月の筑後地区新人大会を制し、シード校としてのぞんだ秋は3回戦で祐誠に思わぬ大敗を喫しましたが、巻き返しが期待されます。昨年春は初戦敗退、夏も3回戦で敗れるなど苦しい戦いが続いてきた筑陽学園でしたが、秋はパート決勝まで勝ち上がりチームを立て直してきました。福工大城東を破り、久留米商と接戦を演じるなど実力は上位。8強争いに加わってきそうです。

福岡工も秋はシードされましたが、筑前に初戦でサヨナラ負け。右腕松尾(3年)は昨夏2回戦の福岡舞鶴戦で7回3安打無失点と好投。力のある直球と変化球で緩急をつけた投球をみせます。新3年生は1年生大会で福岡地区ベスト4、昨夏の新人大会も福岡地区準優勝と福岡地区での実力は上位。沖学園、八女学院、筑陽学園などが入ったブロックからは外れ、パート決勝まで一気に駆け上がりそうです。

福大若葉・井上

昨夏は準決勝まで勝ち上がり旋風を巻き起こした福岡大若葉は、力のある直球を投げ込む井上(3年)、制球のよい左腕の川村(2年)が健在。ただ、秋は初戦で香椎工に0-1で敗れたように、主力打者が抜けた打線は得点力低下は否めません。福岡大若葉と再び初戦で対戦する香椎工は、右腕岸川(3年)を中心に堅守を誇るチーム。その勝者と対戦する九産大九州は前チームの主力が抜け、秋は初戦で福翔に敗れました。夏に向けて浮上のきっかけをつかみたいところ。福翔は秋2勝の自信を胸に、さらなる上位進出を狙います。

【北部Aパート】

北部にもシード育徳館をはじめ、九州国際大付、東筑など力を秘めたチームが揃いました。

育徳館・島

育徳館は昨秋準優勝。九州大会でも日南学園(宮崎)を下してベスト8進出を果たしました。原動力になったのはエースの島。130キロ超の直球にスライダ―、カーブを低めに集めます。得点力向上が課題ですが、昨秋の準決勝・東福岡戦では終盤の集中打で逆転するなど勢いに乗ったときの破壊力は実証済み。実力校が揃うこのパートを制することができるか、夏に向けて真価を問われる大会となります。

九国大付・牟禮

九州国際大付は夏3連覇を阻まれた雪辱を期した秋の大会で、小倉に0-7の衝撃的なコールド負け。三宅(3年)牟禮(2年)という左右の強打者を揃えますが、昨年から続く得点力不足が重くつきまといます。投手陣も左右複数の投手を抱えるものの、柱がまだ定まっていない印象です。この10年で6回の甲子園出場を誇る同校の秋の大敗は福岡の勢力図刷新を予感させるものでしたが、健在ぶりを示すことができるのか。その戦いぶりが注目されます。

東筑・山下

東筑は前チームから主戦投手としてマウンドを任されてきた池口(3年)、山下(同)の右腕2人を擁します。池口は140キロ超の速球、山下は切れのあるスライダーが秀逸。シードされ、上位進出が期待された秋は守備の乱れもあって3回戦で飯塚に敗れましたが、例年春から夏にかけて力をつけてくるチーム。伝統の強打に磨きがかかってくれば、ここでも県大会は十分狙えそうです。

常磐・尾崎

昨秋、シード校の真颯館を下した常磐はパート決勝で育徳館に0-1の惜敗。4番武本(3年)を軸とする強打で、県大会まであと一歩と迫りました。エース尾崎(3年)は投げ出す角度を自在に操る変則右腕で、低めに直球・変化球を集めます。一つ勝てば育徳館へのリベンジマッチにのぞめますが、初戦で対戦する宗像も昨秋シードされた実力校。好ゲームが期待されます。

秋はパート決勝まで勝ち上がった戸畑工は、ダイナミックな投球フォームから力強い直球を投げ込む左腕エース篠原(3年)を中心に、初戦で東筑に挑みます。大会史上初となる連合チーム同士の対戦(遠賀・築上西・水産―田川科技・東鷹)も、楽しみな一戦です。

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