県内の高校球児6人がプロ志望届を提出~24日ドラフト会議




10月24日(木)に行われるプロ野球ドラフト会議に先立ち10日(木)にプロ野球志望届が締め切られ、福岡県内の高校からは下表の通り6人が志望届を提出しました。昨年も県内から6人の球児がプロ野球志望届を提出、うち4人(支配下1人、育成3人)がプロ入りを果たしましたが、今年も福岡の球児の指名があるでしょうか。

 選手名 高校 守備(投/打) 短評
柴田 獅子 福大大濠  投(右/右) 投打で進化続ける147キロ右腕
境 利月 大牟田  投(左/左) 昨秋19奪三振のタフネス左腕
佐藤 翔斗 東海大福岡  投(右/右) センバツ出場の大型右腕
萩原 望安  戸畑  内(右/左) 50m5.9秒の俊足内野手
宮﨑 雄大 九国大付  内外(右/左) 俊足強打のユーティリティ選手
中嶋 太助 真颯館  捕(右/右) ※観戦機会なし


【柴田 獅子(福岡大大濠)】
好投手ひしめく福岡大大濠の中で1年秋から主戦の一人として活躍。肩肘の使い方が非常に柔らかい投手です。2年秋までは140キロ前後の直球にスライダ―の制球もよく、まとまりのある投手という印象でしたが、3年春に146キロ、夏は147キロ(いずれも筆者観戦時の最速、以下同)まで球速もアップ。常時140キロ超の剛球を投げ込む速球派に変貌を遂げました。

福大大濠・柴田

今夏は平川投手と2枚看板を形成し準優勝。3回戦の福岡工戦では5回参考ながらノーヒットノーランを達成する一方、5回戦の祐誠戦や決勝の西短大附戦など平川投手の救援を仰ぐ試合もありました。出力が上がったぶん狙ったところに球を制御できていない印象で、さらに上のレベルを目指す途上というところでしょうか。打者としても勝負強く長打力もあり、3年春からは4番に座っています。

同校出身者は5年連続で指名を受けており(2019年=坂本裕哉投手、20年=山下舜平大投手、21年=古賀悠斗捕手・三浦銀二投手・仲田慶介内野手、22年=山下恭吾内野手、23年=藤田悠太郎捕手)、今年もその記録更新が期待されます。

境 利月(大牟田)】
1年夏から登板経験を積み2年夏はベスト4、3年春は準優勝にチームを導きました。130キロ台なかば(同137キロ)の切れのある直球で三振を取れる投手で、2年秋には筑陽学園戦で19奪三振を記録。肩肘のスタミナもあり、ほとんどの大会を一人で投げ抜いてきましたが目立った故障もなく、鉄腕ぶりを発揮してきました。

大牟田・境

直球で内角を厳しく突いていく強気な投球が持ち味。打たれても抑えても淡々と投げ込むタイプで、精神面の強さも感じさせます。球数を重ねながら調子を上げていくタイプで、立ち上がりのエンジンのかかりは遅めですが、一度リズムを掴むと手の付けられない投球をみせます。

同校からのプロ野球選手誕生となれば、2014年の中島彰吾投手(ヤクルト)以来となります。(当初記事では「2007年の阿部和成投手〈ロッテ〉以来」と記述しておりましたが、2014年に中島投手が指名されておりました。お詫びして訂正いたします)

【佐藤 翔斗(東海大福岡)】
大型右腕として2年春から本格的に登板経験を積み、夏の5回戦(対福岡工)で完封勝利を収めるなど、早くもエースの風格を漂わせていました。2年秋は絶対的エースとして福岡大会を勝ちあがり、準決勝で福岡大大濠・柴田に投げ勝って九州大会に出場。センバツ出場を勝ち取りました。

東海大福岡・佐藤

130キロ台後半の直球にカーブ、カットボールを低めに集める投球が持ち味ですが、3年夏には球速も146キロまで伸びるなど力強さも加わり、さらなる伸びしろを感じさせました。気迫十分の投球スタイルも見る人を魅了します。

同校出身のプロ野球選手は2017年の寺岡寛治投手(楽天)以来出ておらず、中村謙三監督になってから初のプロ野球選手誕生が期待されます。

【萩原 望安(戸畑/内野手)】

戸畑・萩原

50m5.9秒を誇るスピードスター。塁に出ると盗塁を果敢に仕掛け、夏の大会前までの1年間で盗塁に失敗したのは一度だけ(戸畑・中村竜也監督談)と抜群の走塁センスを誇ります。今夏3回戦(対東筑紫学園)でも内野安打で出ると二盗、三盗を立て続けに決めて韋駄天ぶりを発揮しました。

同じ1番ショートだったOBの藤野恵音内野手(ソフトバンク)に比べると身体の線は細く見えますが、スタンドに運ぶパンチ力もあります。2022年指名の重松凱人外野手(亜細亜大→ソフトバンク)も含め、俊足で鳴らした先輩たちに続くことができるでしょうか。

【宮﨑 雄大(九州国際大付)】
入学直後、4月下旬の春の九州大会でいきなりベンチ入りを果たすなど、早くから期待されていた選手です。1年夏の3回戦(対光陵)では代打で3点本塁打を放つ鮮烈なデビューを果たし、2年夏(土浦日大戦)には甲子園の打席にも立ちました。ただ、チームがベスト4進出を果たした今春は故障で出場機会に恵まれず、今夏は5試合で2安打に終わりチームも準々決勝で敗退。実績という点では、物足りなさが残りました。

スピードもあり内外野ともこなせるユーティリティプレイヤー。柳川大晟投手(日本ハム)、野田海人捕手(西武)、佐倉侠史朗内野手(ソフトバンク)と3年連続で指名を受けている九州国際大付から、今年は俊足強打の左打者が指名を待ちます。

中嶋 太助(真颯館)】
中学時代には飯塚ボーイズで、全日本中学野球選手権大会ジャイアンツカップに出場(大会は新型コロナ拡大で中止)。ただ、高校では目立った成績を残せず、最後の夏も出場機会がありませんでした。

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