
先発中野が修猷館打線を3安打1点に抑える好投を見せ、西日本短大附が3季ぶりの九州大会出場を決めた。
西日本短大附は初回、奥が右翼へのライナーを放ち、前進して飛びついた石田のグラブをはじく間に二進(記録は二塁打)。井上が送ったあと、斉藤がセカンド左への内野安打を放って先制した。

同点で迎えた5回は中野が死球で出ると、奥の左前打で無死一、二塁。井上が送り、斉藤のファースト左へのゴロが内野安打となって一死満塁とし、佐藤遊飛のあと、安田が押し出しの死球を受け、これが決勝点となった。
2回一死二塁の好機を逃した修猷館は3回、鶴見が遊ゴロ悪送球で出塁、石田が送って一死二塁。中道の二ゴロで二死三塁とし、中原の三ゴロ失で同点に追いついた。
再び1点リードを許して迎えた7回は中前打で出た田井を鵜野が送って一死二塁としたが、後続が凡退。8回も一死から石田が左越え二塁打を放ち、中道の死球で一死一、二塁とチャンスを広げたが中原が左飛、尾辻が投ゴロ。力投を続ける林を援護できなかった。
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第155回九州地区高校野球福岡大会 準決勝 (2024年10月12日・土/小郡市野球場) |
チ 一二三四五六七八九 計HE 修猷館 001000000 130 西 短 10001000x 253 修猷館 年 打安点 西短大附 年 打安点 (左)中 道② 300 (中) 奥 ② 320 (中)中 原② 400 (遊)井 上⓶ 100 (遊)尾 辻② 400 (右)斉 藤② 321 (一)田 井② 420 (一)佐 藤② 400 (二)鵜 野② 200 (左)安 田② 201 (三)荒 木① 400 (捕)山 下② 210 (投) 林 ② 300 (二)湯 山① 300 (捕)鶴 見① 300 (三)小川耕② 400 (右)石 田② 210 (投)中 野② 200 球犠振盗残 球犠振盗残 13605 74509 —————————————- 投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責 林 8 5752 中野 9 3160 ———————————————— ▼試合時間/13:30~15:26 ※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ |
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西日本短大附のエース中野が、2安打1点に抑えた準々決勝の折尾愛真戦に続く好投をみせ、チームを九州大会に導いた。

中野は130キロ前後(この日最速135キロ)の直球に110キロ台、120キロ台と2種類のスライダー系の変化球を投げていたようで、前者はカーブのように一度浮き上がって落ちてくる。
この日の修猷館打線は1~7番まで左打者が並んだが、その外角低めに直球・変化球を投げ込んでいった。セカンドゴロが7つを数えたように、左打者に低めのスライダーを打たせてアウトを重ねていった。低めの直球も伸びがあり、この日奪った6つの三振のうち4つが直球。死球を一つ与えたが四球はなく、安定感があった。被安打はわずかに3、失点1は味方の失策によるもの。点差は1点だったが、その1点を修猷館に遠く感じさせる投球内容だった。

一方、修猷館の先発は準々決勝の希望が丘戦に続いて林。左横手からの直球に110キロ超のスライダーを交える。7つの四死球(うち3つ死球)を与えたが、5回以外は後続を断って得点を許さなかった。
西日本短大附の各打者は120キロ台前半(同127キロ)の高めの直球を空振り、あるいは差し込まれ、球の出所が見づらいのか最後まで捕えきれなかった。外角低めに決まる直球にも力があり、5つの三振はすべて直球。前の試合で本塁打を放った4番佐藤には徹底した直球攻めで4打数無安打、2三振と抑え込んだ。
修猷館は守備でも無失策で林を盛り立てた。6回には一・二塁間を抜けようかというゴロを鵜野が横っ飛びに抑える好プレーが飛びだした。終盤まで1点差でくらいつき互角の展開に持ち込んだが、打線が最後まで中野を攻略できなかった。
西日本短大附は初回こそ幸先よく先制したものの、2回以降は林を打ちあぐんだ。5回に押し出しの死球で勝ち越し点を拾ったが、6回以降は無安打に抑えられ追加点を奪えなかった。守備でも内野に3つの失策が出るなど重い空気をまといながらの展開が続いたが、そうした雰囲気をものともせず中野が快調に投げ続け、チームを勝利に導いた。
今大会はシード校が次々と姿を消すなか、西日本短大附も勝負処の準々決勝・準決勝では打線が振るわなかったがエースの活躍で接戦をものにし、夏春連続の甲子園出場をかけた九州大会にコマを進めた。
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