【観戦記】希望が丘9-2戸畑工(秋季大会5回戦)




希望が丘が6回以降に戸畑工の先発・篠原を一気に攻略、8回コールドで県大会進出を決めた。

初回に1点を先制された希望が丘はその裏、三原が左前打で出塁。井上のバントは投飛となったが、長﨑がレフト左を破る三塁打を放って同点に追いついた。続く小串の三ゴロ失で長﨑も生還、逆転した。

2ー2で迎えた6回は長﨑左前打、小串四球のあと小川が送って一死二、三塁。仲四球で満塁とし、小峠の右犠飛で勝ち越した。さらに嘉藤死球で満塁から松本が四球を選んで1点を追加した。7回は井上が死球で出ると長﨑中飛のあと、小串が中越え三塁打を放ち井上が生還。小川のスクイズは捕邪飛となったが仲が中前適時打を放ち、この回2点を加えた。

8回裏希望が丘二死一、三塁 長﨑が中前適時打を放つ

続く8回は一死から左前打で出た松本がけん制悪送球で二進。三原三振で二死となったが松本が三盗を決め、井上四球で二死一、三塁から長﨑の中前打でまず1点。小串も左前打で続き井上が生還。なおも二死一、三塁から小串が二盗、捕手からの二塁送球が逸れる間に三塁から長﨑が還り、試合を決めた。

戸畑工は初回、四球で出た原田を町田が送り、上戸二ゴロで二死三塁。ここで近藤が左越え二塁打を放って先制した。逆転された直後の2回は亀山が左前打。白川が送り、篠原の二ゴロで二死三塁とし、打者堀口の時に暴投で亀山が還って追いついた。

5回は2番手嘉藤から白川が四球を選ぶと篠原が送り、堀口の投手左へのセーフティバントが投手の失策を誘って一死一、三塁と勝ち越し機を迎えたが後続が凡退。6回以降は走者を出せず、頼みのエース篠原が終盤につかまって涙をのんだ。

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第155回九州地区高校野球福岡大会 5回戦
(2024年9月28日・土/桃園球場)
チ    一二三四五六七八九 計HE
戸畑工  11000000  223
希望が丘 20000223x   912
  戸畑工 年 打安点   希望丘 年 打安点
(左)原 田② 300 (二)三 原② 410
(中)町 田② 300 (投三)井上① 310
(遊)上 戸② 300 (遊)長 﨑② 542
(一)近 藤① 311 (一右)小串② 422

(三)兎 田② 300 (左)三 苫① 110
(右)亀 山② 310  左 小 川② 210
(捕)白 川② 100
(右)山 本② 100
(投)篠 原② 200  一  仲 ① 211
(二)堀 口② 200 (捕)小 峠② 201
ーーーーーーーーーー  (三) 堀 ② 100
ーーーーーーーーーー   投 嘉 藤② 200
ーーーーーーーーーー  (中)松 本① 311
球犠振盗残         球犠振盗残
24503           73438
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投 手 回 安球振責 投 手 回   安球振責
篠原  7.2 12746 井上  3 2122
ーーーーーーーーーーー嘉藤  5 0130
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▼試合時間/12:12~14:07 公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ

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5回まで押し気味に試合を進めながらも勝ち越せなかった希望が丘が、6回以降に一気に篠原を攻略した。

戸畑工・篠原

戸畑工先発のエース篠原は体全体を使った大きなフォームから直球、カーブを投げ込む左腕。初回は長﨑の三塁打を含む3本のヒットを許して2点を失い、以降も2回をのぞいて毎回走者を背負ったが5回まで無失点でしのいだ。威力のある直球で希望が丘の打者を詰まらせる場面もたびたび見られ、一塁けん制も巧み。初回と5回の二度、走者を誘い出してアウトにした。3回には二盗を試みた井上を白川がストライク送球で阻止。バッテリーを中心に希望が丘の攻撃の芽を摘んだ。

希望が丘・井上

希望が丘は背番号5の1年生・井上が先発。身体を捻り一度打者に背を向けてから直球、抜いたようなスライダーを投じる。外角低めに直球、スライダーを集めて打たせて取る投球をみせた。初回は近藤に左越えに運ばれ、2回は自らの暴投で失点したが、3回は2つの三振を奪って1~3番を三者凡退。調子を上げてきた矢先、4回からサードにまわった。安定感があり、これからが楽しみな投手。

希望が丘・嘉藤

2番手の嘉藤は、サイドハンドを思わせる低い体勢から始動、スリークォーター気味に腕を振り出す右腕。小柄ながらキレのある直球と小さく鋭く曲がるスライダーを使って、小気味よい投球をみせた。唯一のピンチは5回。四球に自らの失策もからんで一死一、三塁とされたが、原田、町田の1、2番に対して徹底的に外角低めを直球で攻めて三振、二ゴロに打ち取った。6回以降は味方の好守にも支えられて完全投球。エース野口もブルペンで肩をつくっていたが、その救援を仰ぐことなく5つのゼロを並べた。

2-2の均衡が破れたのは6回裏。この回先頭の長﨑が左前打で出ると、4番小串はバントの構えは見せず強攻の構え。慎重になりすぎたか篠原は四球を与え、小川の犠打で一死二、三塁とピンチが広がる。ここで篠原は仲を追い込みながら、歩かせて満塁。続く小峠にも2-0とボールが先行し、ストライクを取りにいった3球目をライトに運ばれ犠飛となって勝ち越しを許した。さらに嘉藤に死球、松本にも押し出し四球を与えるなど勝負処で制球が定まらなかった。続く7回も先頭の井上に死球を与え、小串・仲にタイムリーを浴び、大勢が決した。

7回裏希望が丘二死三塁 仲が中前適時打を放ち6点目

この試合、希望が丘を攻守でけん引したのが3番ショートの長﨑。同校がベスト4入りした昨夏、1年生ながらレギュラーとして出場した選手だ。身体は決して大きくないが初回はレフト左を深々と破る先制の三塁打、3回はライト頭上を破る三塁打を放つなど、パンチ力のあるところをみせた。さらに6回は勝ち越しの狼煙となる左前打、8回にはダメ押しの中前適時打。5打数4安打2打点の活躍だった。

守っては5つのゴロを軽快にさばいた。初回は三遊間の深いところから強肩を披露。7回と8回のショートゴロはいずれも直前でイレギュラーしたが咄嗟に反応して、何事もなかったようにアウトにしてしまった。戸畑工にしてみれば、3本のヒットを奪われた形となった。

4番の小串も7回にセンター頭上を破る大きな三塁打、8回には試合を決める左前打を放ち打点2。初回の三ゴロ失も球足がはやく、途中バウンドが変わったようにも見え、強襲安打としてもおかしくない一打だった。

2回表戸畑工二死三塁 打者堀口のとき井上の暴投で亀山生還

戸畑工も篠原の好投を背景に粘り強く戦ったが、3回以降は無安打に抑えられて反撃の糸口がつかめなかった。7回は先頭の亀山がバスターの構えからファールで粘り、最後は芯で捕らえたが三直。白川もライト頭上への大きな当たりを放ったが、もうひと伸びがなかった。

長﨑の再三の好守にも阻まれるなど希望が丘の堅守を崩すことができず、昭和56年夏以来となる県大会出場はならなかった。

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