【観戦記】浮羽究真館5-3大牟田(秋季大会4回戦)




常に先手を取り続けた浮羽究真館が大牟田の追い上げをしのいで、初の県ベスト16進出を果たした。

浮羽究真館は初回一死後、死球で出た小野が二盗を決め出利葉四球で一死一、二塁。濱野の遊ゴロで二死二、三塁とし、井上がレフト右を破る二塁打を放って2点を先制した。3回は一死から出利葉が左翼線に落ちる二塁打で出塁し、濱野の右前打で生還した。

1回裏浮羽究真館二死二、三塁 井上がレフト右へ先制の適時二塁打を放つ

5回は出利葉の右越え三塁打の後、濱野の一塁後方への飛球をセカンドが落球(記録は失策)して1点を追加。1点差に迫られた8回は井上が左中間二塁打、続く本田の投前バントが野選を誘い無死一、三塁。國武(一)の三ゴロで二、三塁となったあと、田中が一塁前にセーフティスクイズを決めて突き放した。

2回一死満塁の好機を逃した大牟田は4回、杉村が一塁線を破る安打で出塁。白水三振、吉田は右邪飛に倒れたが、打者宗のとき捕逸で杉村が二進。宗の左前打で二死一、三塁とし、打者松本の時に暴投で杉村が生還した。6回は二死から宗四球、松本中前打で一、三塁。松本二盗のあと仁田原四球で二死満塁から廣田が押し出し四球を選んで1点を返した。

8回は一死後、宗が左前打を放ち、レフトが後逸する間に一気に三進。松本の中犠飛で1点差に詰め寄った。9回も福永四球、末廣右前打、杉村遊ゴロで二死二、三塁としたが後続が倒れ、追い上げも実らなかった。

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第155回九州地区高校野球福岡大会 4回戦
(2024年9月23日・月/今津運動公園野球場)
チ   一二三四五六七八九 計HE
大牟田 000101010 371
究真館 20101000x 581
  大牟田 年 打安点   究真館 年 打安点
(二)福 永① 300 (捕)楢 橋② 400
(中)末 廣② 510 (遊)小 野② 200
(左)杉 村② 510 (中)出利葉 330
(右)白 水① 500 (三)濱 野② 411

(三)吉 田① 400 (一)井 上② 322
(捕) 宗  330 (右)本 田① 400
(一)松 本② 321 (投)國武一② 310
(遊)仁田原① 100 (二)田 中② 201
(投)菅 家① 100
(左)國武雅① 310
打 ■ ■  000  左 平 山② 000
投 廣 田② 100 
球犠振盗残         球犠振盗残
821011           52926
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投 手 回 安球振責 投 手 回   安球振責
管家  4 4563 國武一 9 7810
廣田  4 4031
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▼試合時間/9:55~12:03 公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ

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今津運動公園野球場が海の近くにある影響なのか、たまたまの荒天だったのか。とにかくこの日は風が強く、スコアボードに掲げられた日章旗・連盟旗がはちきれんばかりに四方八方にはためくほど。この強風が、少なからず試合に影響を与えることとなった。

大牟田・菅家

大牟田の先発は背番号11の菅家(1年)。細身ながら力のある直球を投げ込む右腕だが、立ち上がりは制球に苦しんだ。四死球で2人の走者を出したあと、井上にスライダーをレフト右に運ばれていきなり2点の先制を許した。

2回は一死二塁からの連続三振で立ち直る兆しをみせたが3回一死後、出利葉の一打は左翼線にふらふらと上がる飛球。レフト杉村が追いつきそうだったが風でライト側に押し戻され、スライディングキャッチを試みたが落下点を行き過ぎる形となって二塁打に。続く濱野に直球をライト前にあわされて3点目を失った。4回を投げて被安打4で失点3。直球と鋭く落ちるスライダーで6つの三振を奪う一方、四死球も5つ。魅力と課題が顔をみせた登板となった。

浮羽究真館・國武

浮羽究真館の先発・エース國武一聖は、コンパクトなフォームからの右サイドハンド。スライダーのほか、右打者の内角に食い込むシュート系の球も投げていたようだ。3回までテンポよく投げていたが、4回は2安打に二つのバッテリーミスが出て失点。2つの四球に暴投がからんだ5回の一死二、三塁は無失点で切り抜けたが、続く6回は3つの四球などで1点を献上した。

それでも、ここぞという場面ではスライダー、シュート系の変化球で三振を奪った。特に後者は沈みながら右打者の膝元に落ち、左打者からは外に逃げていく形となって空振りを奪った。大きく逸れて暴投になることもあったが、低めに決まったときは大きな効果を発揮した。

大牟田・廣田

5回から登板した大牟田の2番手・廣田も直球にカーブ、チェンジアップをまじえて好投したが、浮羽究真館は強風を味方につけてリードを広げていく。5回、出利葉の三邪飛が風に流されてファールとなり、打ち直しとなった球は右翼後方へ。ライト白水が捕球体勢に入るが、そこから風に押されて伸びたか頭上を越えて三塁打に。さらに濱野の飛球を一塁後方に追ったセカンド福永がグラブに当てながら落球。失策のランプがともったが、上空の強風で内外野とも飛球の対応はかなり難しそうだった。

8回も井上の三邪飛が風に流されてファールとなった直後に左中間二塁打が飛び出す。続く本田が投手左へバント。廣田が素早く捕球し、振り向きざま三塁に投げようとしたがサード吉田も打球処理に動いていたため、一瞬送球が遅れてセーフ(記録は野選)。一死後、田中がセーフティスクイズを決めてリードを2点に広げた。

8回裏浮羽究真館一死二、三塁 田中のセーフティスクイズで三塁から井上が生還

大牟田は2回、四球と2本のヒットで一死満塁としながら仁田原がバントの構えからバットを引いたときに三走が飛び出し刺されてしまう。仁田原は中堅左を襲う一打を放ったが、センター出利葉の最後は倒れ込みながらの好捕に阻まれ、追撃が中盤以降にずれこんだことが最後まで響いた。

5回一死二、三塁を逃し、6回二死満塁も1点止まり。9回も福永が四球、それまで4三振だった末廣が意地を見せて右前打を放ち無死一、二塁とし、杉村の遊ゴロで二、三塁と一打同点の場面を作った。しかし白水の右飛はタッチアップには浅く、吉田も右方向に合わせたが右直。174球を投げた國武を最後まで捕えきれなかった。

大牟田は6番宗が3安打、7番松本は2安打と下位打線が奮起したが、4番、5番が無安打に抑えられるなど上位打線が機能せず攻撃がちぐはぐになった印象。中軸3人が6安打3打点を記録して勝利に貢献した浮羽究真館と対照をなした。1年生を6人先発に起用してのぞんだが、攻守とも粗さを残す結果となった。

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