【観戦記】飯塚5-1東筑(秋季大会3回戦)




東筑の守備の乱れにつけこんで飯塚が中盤に逆転、先発大塚が要所を締めて東筑に反撃を許さず逃げ切った。

1点を追う飯塚は4回、池田が左前に落として出塁すると中野が右越え二塁打を放ち、内野返球が乱れる間に池田が一気に生還した。なおも無死二塁から野中三振のあと、藤田のレフト右へのヒットで中野が還って逆転した。

4回表飯塚一死二塁 藤田が勝ち越しの左前打を放つ

続く5回は一死後、松田が一ゴロ失で出ると、池田の二ゴロが失策を誘い一死一、二塁。ここで中野が左越え二塁打を放って2点を追加した。9回は山口が左翼線二塁打で出塁(代走竹田)、大塚が送ったあと、打者坂口の時に暴投で竹田が生還。ダメ押しの1点を加えて逃げ切った。

東筑は2回、四球で出た平山を梶原が送って一死二塁。佐藤の右邪飛で平山が三進し、続く樋口の左前打で先制のホームを踏んだ。しかしその後は3回二死一、三塁、4回無死三塁、6回無死一、二塁と再三好機を得ながら得点できず、飯塚先発・大塚の前に4安打1点に抑えられた。

—-

第155回九州地区高校野球福岡大会 3回戦
(2024年9月20日・金/筑豊緑地野球場)
チ   一二三四五六七八九 計HE
飯 塚 000220001 561
東 筑 010000000 144
  飯 塚 年 打安点   東 筑 年 打安点
(左)坂 口② 500 (中)市 川② 200
(中)松 田② 500 (三)重 松② 200
(二)池 田② 420 (投一)池口② 410
二遊 伊藤② 000 (捕)平 山① 300

(一)中 野② 322 (左)梶 原① 210
走一 川上② 000 (右)佐藤航② 100
(右)野 中② 300  投 山 下② 200
(捕)藤 田② 411  打 香 月① 110
(三)牟田口② 300  走 小 野② 000
(遊)山 口② 310 (一右)樋口② 411
走二 竹田② 000 (遊)喜 多② 400
(投)大 塚② 300 (二)筋 田① 200
(投)大 塚② 300  打 吉 武② 100
(投)大 塚② 300  二 馬 場② 000

(投)大 塚② 300  打 柳 川② 100
球犠振盗残        球犠振盗残
23516          52518
—————————————-

投 手 回 安球振責 投 手 回   安球振責
大塚  9 4551 池口  3.1 4131
ーーーーーーーーーー山下  5.2 2021

————————————————

▼試合時間/9:59~12:00 公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ

—————-

山下、池口と前チームの主戦投手2人を擁し、北九州地区新人大会で優勝した東筑。対して飯塚は夏8強の主力が抜け、メンバー一新でのぞんだ福岡中央地区新人大会はベスト8止まり。東筑に分があるとみられたが、守りの差で飯塚に軍配が上がった。

飯塚・大塚

飯塚の先発は2年生大塚。細身ながら力のある直球を投げ込む右の本格派タイプ。スライダーは一度浮いてから落ちてくる感じで、カーブに近い軌道を描く。ただ、立ち上がりから制球がいまひとつ。2回は四球の走者を二塁に置いて樋口を詰まらせながら左前に先制打を許すと、3回も一死から市川を歩かせ犠打と池口の右前打で一、三塁とピンチを招く。ここはスライダーで平山を遊ゴロに仕留めたが、3回までに57球を要した。

東筑・池口

対する東筑は背番号3の池口が先発。エースナンバーは山下に譲ったものの、140キロ超の直球を持つ大型右腕だ。初回二死から池田にスライダーを右前に運ばれ二盗を許したが、ここを無失点に抑えると、2回3回はいずれも三者凡退。回転のよい直球に飯塚の打者は差し込まれるシーンが目立ち、序盤は東筑が押し気味に試合を進めた。

試合が動いたのは4回。飯塚は池田が詰まりながら左前に落とすと、続く中野の時にヒットエンドラン、ライト後方への飛球となった。打球を追った佐藤が捕球体勢に入ったかと思われたが、そこからさらに伸びたかグラブに当てながら捕球には至らず、三塁まで進んだ池田は内野返球が乱れる間に本塁を陥れた。野中は三振に打ち取った池口だったが藤田に浮いた直球をレフト左に逆転打を運ばれ、続く牟田口にストレートの四球を与えたところで、山下にマウンドを譲った。

2回裏東筑二死三塁 樋口の左前打で平山が先制のホームイン

その裏、梶原の左翼線上へ飛球にレフト坂口が飛びついたが及ばず無死三塁。今度は東筑にチャンスが訪れる。続く山下の右飛はやや浅く、梶原はタッチアップを自重。2回に適時打を放っている樋口に託す。東筑ベンチは0-1からスクイズを仕掛けたがファールとなり、樋口はスライダーを2球を見せられた後、高めの釣り球に手が出て空振り三振。続く喜多の一打はレフト右に落ちるかと思われたが、坂口が最短距離で走り込み、最後は飛びついて好捕。ギリギリのプレーで同点を阻んだ。

直後の5回一死後、松田の当たりは一塁左へのゴロ。合わせるのが難しいバウンドとなり、ファーストに入っていた池口がはじいてしまう(記録は失策)。さらに池田の二ゴロを併殺を焦ったか筋田がこぼし、二塁にトスしたがセーフ。この好機に4番の中野が甘く入ったスライダーを逃さなかった。レフトへの大きな一打はラバーフェンスを直撃する二塁打となり、2点を追加した。

5回以降の大塚は四死球こそ出すが、要所を抑える粘りの投球。6回は三ゴロ失と四球で無死一、二塁。3点差あるとはいえ嫌な展開だったが、続く山下の投手左へのバントを抜群のフィールディングで三封し、樋口には芯で捕らえられるが遊ゴロ併殺打に打ち取ってピンチを脱した。5つの四死球を与え、球数は140球に達するなど最後まで制球に苦しんだが、直球やスライダーが随所でコーナーいっぱいに決まり、2回以降は得点を与えなかった。

東筑・山下

4回途中から登板した東筑の山下も2安打無四球という内容。許した2安打がいずれも失点につながったが、スライダーを低めに集めて打たせて取る投球が冴えた。

打線は大塚を最後まで捕らえられなかった。いい当たりもあったが野手の正面を突き、四死球や敵失でチャンスを得ながら得点につなげることができなかった。4度の三者凡退がありながら、訪れたチャンスを確実に得点に結びつけた飯塚と決定力の差が出る形となった。4つの失策を記録した東筑に対し、飯塚はレフト坂口、投手大塚に好プレーが出るなど守備力で試合の流れを引き寄せ、勝利につなげた。

Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*