九州国際大付の4投手から11安打で7点を奪った小倉が、7回コールド勝ちをおさめた。
小倉は3回、四球で出た田中を勝木が送り、吉原のレフト左を破る二塁打で先制した。続く小林の中前打で吉原は本塁憤死したが、送球間に二進していた小林を二塁に置いて林が右越え二塁打を放ち、この回2点をあげた。
4回はこの回から登板した渡邊を攻め、佐藤が右中間二塁打で出塁すると田中も左前打で続き無死一、三塁。勝木の遊ゴロで佐藤が本塁を突き、ショートからの本塁送球が逸れる間に生還した(記録は失策)。5回は林中前打、良永右前打で無死一、二塁。元吉左飛のあと畝原が送って二死二、三塁とし、佐藤の右中間二塁打で2点を加えた。
7回は小林四球、林投ゴロで一死二塁。良永死球のあと元吉の遊ゴロで小林は三塁封殺されたが、畝原が右翼線に落として二者が生還。コールド勝ちを決めた。
九州国際大付は初回、左前打で出た淵上を長嶺が送り、牟禮が右前に落として一死一、三塁としたが三宅が二ゴロ併殺打。2回は一死後、免田中前打、上野死球、中上四球で満塁としたが柴原のスクイズが空振りとなり三走免田が三本間で憤死。柴原四球で二死満塁としたが淵上が中飛に倒れて得点できなかった。
5回も二死から長嶺のライト右への二塁打と牟禮四球で一、二塁としたが三宅が遊ゴロ。6回と7回にも四死球の走者を出したがホームが遠かった。
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第155回九州地区高校野球福岡大会 3回戦 (2024年9月15日・日/北九州市民球場) |
チ 一二三四五六七八九 計HE 九国大付 0000000 051 小 倉 0021202x 7110 (7回コールド) 九国大付 年 打安点 小 倉 年 打安点 (三)淵 上② 310 (遊)吉 原② 311 (遊)長 嶺② 310 (右)小 林② 210 (右)牟 禮① 210 (一) 林 ① 431 (一)三 宅② 310 (三)良 永① 320 (捕)城 野① 300 (左)元 吉② 300 (左)免 田② 210 (中)畝 原② 212 (投 縄 田① 000 (捕)佐 藤① 322 (投)上 野① 000 (投)田中秀② 210 (投 松 元② 000 (二)勝 木② 200 (打 鰐 口① 100 (投左 渡邉① 100 (二)中 上② 200 (中)柴 原① 200 球犠振盗残 球犠振盗残 61218 63405 —————————————- 投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責 上野 1 1100 田中秀 7 5620 松元 2 4322 渡邉 2 5002 縄田 1.2 1222 ———————————————— ▼試合時間/9:52~11:43 公式記録ではありません ※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ |
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8月の北九州地区新人大会で初戦敗退の小倉が、今夏8強の九州国際大付をコールドで下す殊勲の星を挙げた。
先発は左腕田中。肘をしっかりと上げて投げ込む120キロ台前半(この日最速128キロ)の直球、打者の手元で沈む100キロ台後半の変化球を軸とした投球をみせた。
初回九州国際大付は淵上が直球を叩き、牟禮は右前に落ちる幸運な安打で一死一、三塁としたが、三宅は内角高め、ややボール気味の球を引っ張り二ゴロ併殺打で先制機を逃した。2回は一死から免田が直球に詰まりながら中前に運んだあと、上野が顔面に死球を受け、タンカで運ばれそのまま退場。田中は動揺を隠せず、続く中上にストレートの四球を与え一死満塁と再びピンチを招く。ここで九州国際大付は2球目にスクイズを試みたが柴原が空振りし、免田がタッチアウト。柴原四球で再び満塁としたが、淵上のセンター左を襲う飛球を畝原が好捕。序盤二度の大きなピンチを無失点で切り抜け、小倉に流れが傾く。
九州国際大付は1年生左腕の上野が先発。初回は一死から四球と林の右前打で一、二塁のピンチを背負ったが、良永を二ゴロ併殺打に打ち取る。2回からは死球退場した上野に代わり、2年生左腕の松元がマウンドへ。120キロなかば(同131キロ)の直球にカーブ、チェンジアップをまじえる。
その松元に対し、小倉は3回一死二塁から吉原が内角直球を左翼線に運び先制。この一打で勢いに乗った小倉は続く小林も初球をセカンド左を破る痛打。二塁から本塁をついた吉原は憤死したが、林の右翼後方への大きな当たりを牟禮がグラブに当てながら捕球できず、小林がホームイン。さらに良永も右前打を放ち4連打と畳みかける。松元は少し投げ急いだ感じで、ストライクをとりにいったところを小倉の各打者に痛打された。
4回からは1年生右腕の渡邉が登板。130キロ超(同133キロ)と力のある直球を投げ込んできたが、交代直後に佐藤、田中に連打を浴び、無死一、三塁。続く勝木の遊ゴロで佐藤は本塁突入、九州国際大付内野陣は前進守備を敷いておりアウトのタイミングだったが長嶺の本塁送球が大きくそれて追加点を許す。
5回は先頭の林が粘った末に12球目を投手足元にはじき返し、良永も右前打で続く。元吉左飛のあと一死から畝原に送らせて二、三塁。前の打席に二塁打を放っている佐藤に託す。佐藤はその期待に応えて右中間を割って2点を追加。鋭い打球を左右に飛ばした力強い小倉の打棒は見事のひとこと。先発田中の出来が不安定だったこともあり3点差ではまだ勝負の行方はわからなかったが、5点差となり九国危うしの雰囲気が球場に漂い始める。
小倉の田中は序盤、変化球の制球が定まらずボール先行の投球が続いた。それでも手元で沈むこの変化球が徐々に低めに決まるようになり、100キロ台前半のカーブも交えて走者を出しながらもしのいでいく。4回以降は1安打に抑えつつ3つの四死球を与えるなど、適度に球が荒れていたことも九州国際大付の各打者の狙いを絞りにくくしたかもしれない。
バックも好守で田中を盛り立てた。2回の畝原の好捕に加え、5回は淵上のショート左を襲う強打を吉原がスライディングキャッチし、ワンバウンドのストライク送球で流れを渡さない。そして7回。二死一、二塁から畝原の当たりは右翼線ギリギリのところに落ち、スタートを切っていた2人の走者が相次いで生還しコールドゲームが成立。突然の終幕で、九州国際大付の選手たちの呆然とした姿が印象的だった。
夏の大会2本塁打の1年生・牟禮は変化球攻めにあい、体勢を崩されたポテンヒット、空振り三振、四球という結果におわった。三宅も第2打席で右前打を放ったが、二度の好機で凡退。4番の期待に応えられなかった。1番淵上が左前打のほか、小倉の好守に阻まれたが2つの鋭い当たりを飛ばしたが、それ以外の打者は田中の変化球を最後まで捕らえ切れなかった。得点力不足は前チームからの課題であったが、この課題とはしばらく向き合っていくことになりそう。
6回からは背番号1をつけた1年生右腕の縄田がマウンドへ。直球は120キロ台なかば(同129キロ)で、110キロ台のスライダーを軸とする投手。九州国際大付はこの日登板した4投手のほか夏の大会で登板した2年生右腕の山田もいるが、まだ軸となる投手が定まっていない印象だ。速球派投手は見当たらないが、3年前は香西(現早稲田大)という抜群の制球力を持つ左腕を擁して優勝している。この投手陣のなかから誰が九州国際大付のマウンドを背負っていくのか。来春に向けて投手力アップにも期待したい。
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