【観戦記】久留米商4-0香椎工(秋季大会3回戦)




相手バッテリーミスに乗じて得点を重ねた久留米商が、投げては先発持地が香椎工を4安打に抑えて完封。危なげなく勝ち上がった。

1回裏久留米商一死二、三塁 稲用が先制の右越え適時二塁打を放つ

久留米商は初回一死後、岩丸が四球を選ぶとボークと暴投で三進。持地四球で一死一、三塁から稲用の左越え二塁打で2点を先制した。3回は稲用が左翼線に落ちる二塁打で出塁し、平田が送って一死三塁。続く東の時に暴投で稲用が生還した。6回は右前打で出た加藤を森山が送り、打者納村の時に暴投で一死三塁とし、納村のスクイズで1点を追加した。

香椎工は初回二死後、西元が右前打で出塁したが紺藤が三ゴロ。2回は一死から月川が中前打を放ったが、野口が三ゴロ併殺打。3回4回も二死からヒットが出たがチャンスを広げることができなかった。

5~8回はいずれも三者凡退に終わり、9回一死から四球の走者を出したが、最後まで二塁を踏むことができなかった。

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第155回九州地区高校野球福岡大会 3回戦
(2024年9月14日・土/桧原運動公園野球場)
チ   一二三四五六七八九十 計HE
香椎工 00000000  0 40
久 商 20100100x   11
  香椎工 年 打安点  久留米商 年 打安点
(中)吉 田① 310 (右)納 村① 411
(遊)濱 崎? 400 (中)岩 丸② 320
(二)西 元② 310 (投)持 地② 400

(一)紺 藤② 300 (一)稲 用② 522
(三)田 﨑① 310 (三)平 田① 210

(右)月 川② 310 (左) 東 ② 300
(捕)平 江② 000  左 中 野② 110
捕 野 口② 300 (二)牛 島① 420
(左)佐々木① 200 (捕)武 末① 200
打 持 留② 100  捕 加 藤① 210
左 大久保② 000 (遊)早 川② 110
(投)岸 川② 200  遊 森 山② 100
投 河 野② 000
投 宮 尾① 000
打 立 山② 100
球犠振盗残        球犠振盗残
10702          534312
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投 手 回 安球振責 投 手 回   安球振責
岸川  6 8433 持地    9 4170
河野  1 2011
宮尾  1 1100
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▼試合時間/12:30~14:31 公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ

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久留米商・持地

久留米商の先発持地は前チームから主戦として活躍、今夏ベスト16進出の原動力となった右サイドハンドだ。130キロ超の直球にスライダーをコーナーいっぱいに決める制球力が持ち味だが、この日の序盤はやや制球が甘く2回は月川に、3回は吉田にいずれもスライダーを外野に運ばれた。それでも2回は野口を三ゴロ併殺打、3回は濱崎をスライダーで三振に仕留め、きっちりと後続を断つ。しり上がりに調子を上げ、制球の精度を増した5回以降はノーヒット。与えた四球も9回一死からの一つだけで、終わってみれば被安打4で二塁を踏ませない投球だった。

香椎工・岸川

香椎工先発は右腕の岸川。キレのある直球にチェンジアップを交える。初回持地を四球で歩かせたあと、捕手の平江が治療のためベンチへ。持地の時に投球かファールチップが喉元あたりに当たった様子で、そのまま交代となった。急遽、野口がマスクをかぶったが、その直後に稲用に痛打を浴びて2点を失った。

岸川の球は低めに制球はされていたが、ワンバウンドになる球も多かった。3回は一死三塁から暴投で1点を献上、6回も一死二塁から暴投で三進を許し、直後にスクイズを決められるなど、いずれも失点につながってしまった。6回まで8安打を浴びながらタイムリーは初回の稲用以降は許さずに踏ん張ってきただけに、余計に惜しまれる結果となった。

7回は右サイドハンドの河野、8回は1年生左腕の宮尾が走者を出しながらも無失点で踏ん張った。

3回裏久留米商一死三塁 岸川の暴投で稲用が生還

久留米商打線では4番稲用のパワーが目を引いた。初回の左越え二塁打のほか、5回の第三打席の左飛もよい角度で上がり、一瞬「いったか」と思わせる大きな当たりだった。一方で11安打を放ち5四球を得ながらの4得点はやや物足りなさも残った。得点はいずれもボークや暴投がからんでおり、いわば相手からもらった得点。初回2点を先制したあとの一死一、三塁で追加点が奪えず8回無死二、三塁でもダメ押しできないなど、詰めの甘さが残った。

打撃では見せ場をつくれなかった香椎工だが、守備は無失策で投手陣を盛り立てた。セカンド西元、ショート濱崎は軽快なグラブさばきを見せ、サード田﨑は4回二死一塁で三塁線を抜けようかという当たりを横っ飛びに抑えた。その一塁送球はショートバウンドとなったがファースト紺藤がうまくすくいあげてアウトにするなど、特に内野の堅守が光った。

対して久留米商も無失策。途中出場のショート森山は動きがよく、1年生のサード平田も高いバウンドの当たりをダッシュよく軽やかにさばいた。両校の好守が締まった試合を演出した。

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