【観戦記】東福岡8-1三潴(秋季大会3回戦)




2回を除く毎回安打を放った東福岡が終盤に三潴を突き離し、8回コールド勝ちをおさめた。

東福岡は初回一死後、中前打で出た大木が二盗を決め、大坪の投内野安打で一死一、三塁。大坪も二盗を決めたあと、瀧川の左前適時打で2点を先制した。5回は左前打で出た近藤を辻生が送り、山本の右越え二塁打で近藤が生還。大木二ゴロで二死三塁としたあと、大坪の中前打で山本が還り、この回2点を加えた。

1回裏東福岡一死二、三塁 瀧川が先制の左前適時打を放つ

7回は二死から山本が右前打を放ち、内野への送球が乱れる間に二進(記録は安打と失策)。大木の三ゴロ失で二死一、三塁としたあと打者大坪の時に一塁けん制が乱れ、山本が生還した。8回は一死後、菅が中前打で出塁し、吉田のライト右を破る三塁打でまず1点。救援した渕上から山下もセンター右を破る適時二塁打を放つと、近藤が三塁線を破って山下が還り、コールド勝ちを決めた。

三潴は初回二死一塁から仲が右中間二塁打を放ったが、一走の廣松が本塁で憤死。5回は福森左前打、黒田の一前バントが内野安打となり中城三振、吉田四球で一死満塁としたが、後続が倒れ得点できなかった。

ようやく8回、遊内野安打で出た吉田が暴投で二進し、冨松が送って一死三塁から廣松のセーフティスクイズが決まって1点を返したが、その裏に頼みのエース中城が力尽きた。

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第155回九州地区高校野球福岡大会 3回戦
(2024年9月14日・土/桧原運動公園野球場)
チ   一二三四五六七八九十 計HE
三 潴 0000001   163
東福岡 20002013x    16
(8回コールド)
  三 潴 年 打安点   東福岡 年 打安点
(遊)冨 松② 310 (中)山 本② 321
(三)廣 松① 301 (二)大 木② 310
(中)藤 吉 400 (右)大 坪② 421

(左) 仲 ② 310 (三)瀧 川② 412
(一)宮 﨑② 300 (一) 菅 ① 430

(捕)福 森② 310  走 吉 川② 000
(右)黒 田② 310 (左)吉 田② 421
(投)中 城② 310 (捕)山 下② 311
投 渕 上① 000 (投)近藤結② 421
(二)吉 田② 210 (遊)辻 生② 220
ーーーーーーーーーー   走 村 田② 000
ーーーーーーーーーー   遊 藤 田① 000
球犠振盗残        球犠振盗残
12925          04135
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投 手 回 安球振責 投 手 回   安球振責
中城  7.1 14016 近藤結   8 6191
渕上  0 2001
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▼試合時間/9:53~11:42 公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ

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東福岡・近藤

東福岡は背番号10の近藤(結)が先発。真上から投げ下ろす力のある直球にスライダー、さらに抜くような変化球をまじえた投球をみせた。初回二死一塁から仲にスライダーを左中間に運ばれたが、味方に好中継に救われ無失点で切り抜けると、2回は二死三塁、5回は一死満塁のピンチを招いたが決定打を許さなかった。8回を投げて6安打を許したが、9つの三振を奪い四死球は一つだけと安定感があった。直球もよく走っており、変化球との緩急が効果的だった。

打線は先発全員の16安打。序盤は中城の緩い球をひっかけるシーンも散見されたが、5回あたりから各打者に逆方向へのヒットが増えた。5回の山本のタイムリーはライト頭上を襲った大きな当たり。大坪の適時打も投手の頭上を高いバウンドで抜けていったもの。試合を決めた8回の菅・吉田・山下の3連打も右打者がセンターから右に打ち返した短長打だった。4回までの5安打に対し、5回から8回途中までで11安打。その大半が逆方向に打ち返した安打で、序盤からの修正は見事だった。

5回裏東福岡一死二塁 山本の右越え二塁打で近藤が生還

三潴はエース中城が先発。前チームから主戦を務める変則左腕で、インステップしてサイドハンドから直球、スライダーをコーナーに散らす。甘く入った球をとらえられ7回まで12安打を許したが、5失点はよく踏ん張ったという印象。今春の春日戦では四死球から崩れたが、この日は無四球。春からの成長を示し、無駄な走者を出さなかったことで最小限の失点で踏みとどまった。守りも6回に送球のミスが続いたが、それまでは大きな乱れもなく接戦を演出した。

三潴・中城

打線は近藤の力のある直球に差し込まれ、スライダーにバットが空を切る場面が目立った。惜しまれるのは、初回と3回に無死の走者を出しながら送りバントが二塁封殺されたこと。特に初回は仲が左中間二塁打を放っただけに、二塁に送れていれば1点のケースだった。

それでも今大会の2勝は、力がついていることを示すもの。中城のほか仲、藤吉など前チームの主力が残っているだけに、来年に向けて攻守ともさらなる底上げが期待される。

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