’24選手権福岡大会を振り返る②~投手編




今年の「バーチャル高校野球」では地方大会全試合の公式記録が記載されており、全選手の主要な成績が算出できるようになりました。そのデータをベースに、今大会の個人成績をまとめてみました。

近大福岡・田邊

「投球回数18(6回×3試合)以上」もしくは「登板数4試合以上」を対象とした投手部門では田邊周(近大福岡)、平川絢翔(福岡大大濠)両投手の活躍が際立ちました。近大福岡を初のベスト4に導いた田邊投手は最長の48イニングスを投げながら被安打率(1試合あたりの被安打)は4を切っており、防御率も0.75と25イニングス以上を投げた投手のなかでは唯一の0点台と抜群の安定感をみせました。

福大大濠・平川

平川投手は奪三振率(1試合あたりの奪三振)でトップの10.59。与四球率1.06、被安打率4.50もトップ5に入る数字で、期待に違わぬ活躍ををみせました。平川投手と共に福岡大大濠の2枚看板として注目された柴田獅子投手は四死球率0.53は優秀で、防御率1.59も悪い数字ではありませんが、祐誠戦や西日本短大附戦での途中降板もあり、投球回数は平川投手の半分の17イニングスにとどまりました。

西短大附・村上

優勝投手の村上太一投手(西日本短大附)も防御率1.64をはじめ優れた成績を残しています。飯塚の肥後琥南投手は奪三振率9.69、九州国際大付ではもっとも投球回数の多かった今村治輝投手の奪三振率も8.55にのぼりました。

防御率0.00は田端竜也(九州国際大付)、森太希(福工大城東)、前田明慶(福岡第一)ら6投手が記録。なかでも森投手は20イニングスを投げての自責点ゼロ。奪三振率も10.35と平川投手に次ぐ数字を出しています。

昨夏は37イニングスを投げる大車輪の活躍をみせて九州国際大付の優勝に貢献した田端投手、1年夏から福岡第一投手陣の一角を担ってきた前田投手はいずれもリリーフに徹したこともあって10イニングスの登板にとどまり、自責点0のまま大会を終えました。特に前田投手は10回被安打2、奪三振11という内容で、もう少し投げるのを見たかった投手です。

昨夏ベスト4の原動力となった大牟田の境利月投手、140キロ超の直球を武器にする大堂響投手(福工大城東)も2試合の登板に終わり、実力の片鱗を見せるにとどまりました。

■投手成績「投球回数18以上」or「登板数4試合以上」

赤字は各項目のトップ5/名前の青字は左投手/投球回数は3分の1イニングは切り下げ、3分の2イニングは切り上げ

2年生では28回を投げた井上幸輝(福岡大若葉)をはじめ村田匠(真颯館)、川畑秀輔(沖学園)、山下栞汰(東筑)、島汰唯也(育徳館)、持地唯吏(久留米商)ら各投手がチームの主戦投手を務めました。このうち四死球率0.53でトップの山下投手、同じく1.50の持地投手は制球力の高さが光りました。

1年生では福岡大若葉の川村隆之祐投手が15イニングスを投げて自責点1。1年生とは思えぬ落ち着いたマウンドさばきをみせました。いずれも秋以降の活躍が期待される投手たちです。

■その他主要投手成績

名前の青字は左投手/投球回数は3分の1イニングは切り下げ、3分の2イニングは切り上げ
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