
◇福大大濠7ー0福大若葉(選手権福岡大会準決勝)
立ち上がりから長打攻勢で得点を加えた福岡大大濠が投打に福岡大若葉を圧倒、7回コールド勝ちをおさめた。
▼準決勝(22日・北九州)〔試合記録〕
福大大濠 320 002 0=7
福大若葉 000 000 0=0
(7回コールド)
【大】平川→小峰央
【若】樗木→藤岡→川原→川村→井上→川原
福岡大大濠は初回一死後、菅野が左中間二塁打で出塁し高田遊飛のあと柴田申告敬遠で二死一、二塁。5番永田の時に暴投で一、三塁とし、永田の右前打で菅野が生還した。なおも二死一、三塁から豊田が左越え二塁打を放って2者を迎え入れ、この回3点を先制した。

2回は8番立川の三ゴロが一塁高投となり無死二塁。法村のバントは投邪飛となったが大神の二ゴロで立川が三塁し、菅野が四球を選び二盗を決めたあと、高田がセンターへの二塁打を放って2点を追加した。
3~5回も走者を得点圏に進めながら得点できなかったが6回、9番法村が四球で出ると大神が送り、打者菅野の時に暴投で一死三塁。ここで菅野が投前にセーフティスクイズ、本塁クロスプレーとなったが捕手の走塁妨害があり1点を加えた。菅野の二盗失敗で二死となったが高田が中越え三塁打を放ち、柴田申告敬遠のあと、永田の中前打で高田が生還。7-0と突き放した。
福岡大若葉は初回、先頭の水迫が中前打で出塁したが、藤川中直、池田三振のあと二盗に失敗。3回は7番大井が遊ゴロ失で出ると川村三振、川原送りバントで二死二塁としたが、水迫が三振。4回は遊ゴロ失で出た2番藤川が二盗を決め池田の中前打で無死一、三塁としたが、山本の左邪飛で三走の藤川がタッチアップを試み本塁憤死、得点できなかった。5回以降は二塁を踏めず得点の糸口をつかめなかった。
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注目された福岡大若葉の先発は、今大会初登板の樗木。昨夏4回戦の希望が丘戦に先発し5回まで零封した長身の右腕で、120キロ台後半の直球(この日最速127キロ)に90キロ台のカーブをまじえる。その樗木に対し福岡大大濠は一死から菅野が左中間を深々と割ると、永田は一塁線を破り、豊田はレフト頭上を越える二塁打。甘く入ってきた直球を逃さず、長打3本で早々とノックアウトした。
2回は2番手の藤岡から敵失と四球で労せずチャンスを迎える。高田の当たりは中飛と思われたが、大きく右に寄せていたポジショニングが裏目に出る形となって二塁打となり2者が生還。福岡大若葉にとってはあまりにも重い序盤の5失点となった。

打線は初回、福岡大大濠先発の平川に対し水迫がいきなり中前打で出たが、藤川はいい当たりながら中直。二死後に水迫の二盗も失敗して、前の試合までの勢いを止められる。4回は敵失で出た藤川が二盗を決め、池田の中前打で無死一、三塁と絶好機を迎えたが、山本の左邪飛でタッチアップを狙った藤川が正確な中継プレーの前に本塁憤死。二進していた池田が打者田中の時に三盗を仕掛けたが、これも失敗。5回は一死から右前打を放った下玉利が一塁けん制で刺されるなど、得意の足攻めを封じられてなす術がなかった。

福岡大大濠の平川は福岡大若葉の揺さぶりにも動じることなく、140キロ台(同147キロ)の直球にスライダーを交えて危なげのない投球をみせた。二度の二盗を刺した法村をはじめ、若葉の足攻を封じた守りにも助けられ6回まで68球とテンポよく3安打無四球と好投。7回は左腕小峰が三人で抑えた。
打線は4番柴田が3つの申告敬遠をうけながらも毎回の11安打。うち7本が長打で、少しでも甘い球は外野の間を、あるいはその頭上を超えていく大きな当たりを放って力の差を示し、福岡大若葉の戦意をくじいた。柴田の次を打つ永田は、申告敬遠直後の3打席で2安打2打点と気を吐いた。

福岡大若葉は3回から登板した1年生左腕の川村が3~5回と走者を背負いながら無失点でしのぎ、試合をつくった。6回に2点を失って降板したが、5回戦の東筑戦では7回途中まで1失点の好投をみせるなど、大会を通して大きく成長した。その川村のあとを受けた井上も今大会は大車輪の活躍をみせ快進撃の原動力となった。2人も新チームでのさらなる活躍が期待される。
シード3校を撃破した福岡大若葉の長かった夏が終わった。ベスト4入りしたことで注目を集め、今後はその戦い方も研究されていくだろう。今夏だけの旋風に終わるのか、真の実力校として力をつけていくのか。同校の今後の戦いぶりも引き続き目が離せない。
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