
◇福大大濠10ー2飯塚(選手権福岡大会準々決勝)
福岡大大濠が長短10安打を浴びせて飯塚のエース肥後を攻略、7回コールドで快勝した。
▼準々決勝(20日・北九州)〔試合記録〕
福大大濠 001 400 5 =10
飯 塚 200 000 0 =2
(7回コールド)
【福】平川→柴田【飯】肥後→野中
2点を追う福岡大大濠は3回、中前打で出た8番立川を法村が送り一死二塁。大神投ゴロのあと、菅野の左越え二塁打で1点を返した。4回はこの回先頭の4番柴田の右越え本塁打で追いつくと一死後、豊田が死球で出塁し二盗。平川の中前打で一、三塁とし、立川のスクイズで勝ち越した。なおも二死二塁から法村の右前打で一、三塁。打者大神のときに捕逸で法村が二進し、大神の右中間二塁打で2点を加えた。

7回は法村中前打、大神四球のあと、菅野の一塁前バントが野選となり無死満塁。続く高田の左前打でまず1点。柴田は一ゴロ(本塁封殺)に倒れたが、打者永田のときに暴投で菅野が生還し、一死二、三塁から永田のセンター左への飛球が二塁打となって1点を追加した。なおも一死二、三塁の場面で登板した野中から豊田が右前打で柴田が還り、平川の三ゴロで永田も生還。この回5点を奪って勝負を決めた。
飯塚は初回一死後、池田が右前打。久我も左前打で一、二塁とし、4番松永の左前打で池田が生還。続く肥後も中前打を放って久我が還り、2点を先制した。2回にも二死から1番赤間がセンター右への二塁打で出塁したが、ここで登板した柴田に池田が一ゴロに倒れて無得点。3回以降は1安打に抑えられ、追い上げることができなかった。
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好調の福大大濠打線が、飯塚のエース肥後に対して4回、7回に集中打を浴びせて攻略した。

序盤は飯塚ペース。5回戦の祐誠戦で好救援をみせた福岡大大濠の先発・平川に対し初回、池田が146キロの直球を一・二塁間に引っ張ると、久我も145キロの直球を叩きつけて三遊間を破る。4番松永はスライダーを三遊間に運んで先制すると、肥後もライナーでショート頭上を破るタイムリー。いきなりの4連打で幸先よく2点を先制した。
2回も二死から赤間が直球をセンター右に運ぶ二塁打で出ると、早くも福岡大大濠ベンチは柴田にスイッチ。平川はこの日も直球は最速146キロを記録したが、その直球を飯塚打線にとらえられての降板となった。

この飯塚打線の勢いを柴田が止める。登板直後のピンチをしのぐと3回は中軸を5球で片付け、4回の逆転を呼び込む。この日は直球でねじ伏せるという感じではなく、スライダーを多用しながら打たせて取る感じの滑り出しでペースを掴むと直球の球速も徐々に上がり、5回にはこの日最速の147キロを計測。5回には赤間に唯一のヒットを許すが、池田を145キロの直球で投ゴロ併殺打に打ち取り、その後も危なげなく7回まで投げ切った。
打線は15安打を放った祐誠戦の好調を維持。135キロ前後の直球(この日最速136キロ)にスライダー、フォークと縦の変化球を武器にする肥後を4回にとらえた。まず先頭の柴田が、見逃せばボールという高めの直球を強引に引っ張って右越えに同点弾。立川のスクイズで勝ち越した後は、大神が134キロの直球を叩きライナーでセカンド頭上を破る2点タイムリー。点差を3点に広げた。
柴田の投球内容から3点差でも安全圏内かと思われたが7回には法村の中前打に四球、野選をからめて満塁とし、高田が前進守備の三遊間を破って6点目。永田はファールで4球粘ったあと、センター右への二塁打で肥後をKOした。

今年の飯塚は松永、肥後という強打者を抱えてはいたものの、全体的にみると小柄な選手が多く打線の迫力不足は否めなかった。それでも秋は堅守で九州大会に出場。春もベスト8、福岡中央地区大会でも優勝するなど常に上位進出を果たしてきた。
この日も平川の140キロ超の直球を打ち返して主導権を握ったが2本柱のもう一人、柴田を打ち込むには至らず、最後は頼みの肥後が打ち込まれて涙をのんだ。
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