
◇西日本短大附7-3東海大福岡(選手権福岡大会準々決勝)
4回までに7安打で6点を奪った西日本短大附がセンバツ出場校の東海大福岡を押し切り、2日間にわたった一戦に勝利した。
▼準々決勝(19~20日・北九州)〔試合記録〕
東海大福岡 001 002 000 =3
西短大附 310 200 10x =7
(19日は5回無死で降雨中断、継続試合)
【東】佐藤【西】村上
西短大附は初回、左前打で出た奥を井上が送って一死二塁。古賀三邪飛のあと、高峰の遊内野安打の間に奥が一気に本塁を突いて先制した。続く村上のときにヒットエンドランが決まり(右前打)一死一、三塁とし、6番斉藤のレフト右への二塁打で2人を迎え入れ、この回3点を奪った。

2回は二死後、奥が四球を選ぶと、井上とのヒットエンドランが決まり(中前打)二死一、三塁。次打者古賀のときに重盗が決まって1点を追加した。4回は一死から山下四球、荒木中前打で一死一、二塁とし、奥のセンター左への二塁打で山下が生還。なおも一死二、三塁から井上の右犠飛で荒木も還り、さらに2点を加えた。
東海大福岡は3回、8番佐藤が右越え二塁打で出塁。秋田が送って一死三塁から唐崎の中犠飛で1点を返した。継続試合に入った直後の6回には1番唐崎が中前打で出ると、続く宗の中越え二塁打で唐崎が還り、山本も中越え二塁打を放って宗が生還、2点を返した。しかしその後の一死一、二塁の好機を生かせず、7回以降は内野安打1本に抑えられて反撃の糸口をつかめなかった。
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強力打線を擁する西日本短大附と、センバツに続く甲子園出場を狙う東海大福岡。実力校同士が激突した一戦はいきなり初回から試合が動いた。
西日本短大附は二死二塁の好機をつくると、高峰の当たりはショート右を襲う一打。山本が飛びついて好捕し一塁に送球するが、わずかに間に合わず内野安打。その隙に二塁から奥が俊足を飛ばして一気に本塁を陥れた。さらに村上がヒットエンドランを右翼線に決めて一、三塁。続く斉藤は141キロの直球をはじき返してショート左を破り、さらに打球処理に向かったレフトが足を滑らせたか転倒(記録は二塁打)、一塁から村上も生還していきなり3点が入る。

2回は二死から奥が2-2からファールで5球粘って四球をもぎ取り、井上とのヒットエンドラン(中前打)で三進すると、打者古賀の時に一走がスタート。捕手からの二塁送球をセカンド秋田がカットしたが、絶好のスタートを切った奥が本塁を陥れた。奥は初回の走塁も含めて、足を使って序盤の得点に大きく貢献した。
奥は4回の攻撃でも一死一、二塁の場面で変化球を叩いてセンター左への適時二塁打。7回にはバントヒットで出塁し、犠打と高峰の中前打で生還するなど、3打数3安打1打点1盗塁で三度ホームを踏む大活躍をみせた。

東海大福岡の先発佐藤は立ち上がり、リズムをつかむ前に連打を浴びて失点した。初回は130キロ台だった直球も2回にはこの日最速146キロを計測、4回まで毎回の5奪三振と一気にギアを上げて強力打線に真っ向から立ち向かった。しかし直球、変化球と確実にミートし、足をからめた西日本短大附の攻撃を食い止めることができなかった。

西日本短大附の先発村上は130キロ台なかばの直球(この日最速141キロ)にスライダー、フォークとも制球が安定していた。3回に長打と犠飛で1点を失い、4回は一死一、三塁のピンチを招いたが、光富のショート左への強打を奥が反応よくさばき、6-4-3の併殺にする好守にも助けられ、5回を3安打2四球の1失点に抑えた。
5回裏の先頭打者・高峰のカウント1-1のときに雨が激しくなり、審判団が両校選手をベンチに引き上げさせ試合中断。その後、雨が上がるのを待ってグラウンド整備を行い試合再開というときに再び豪雨に見舞われ、約3時間の中断の末に継続試合となった。
【2日目(継続試合)】
5回裏の西日本短大附の攻撃から再開。佐藤はカットボールで2つの三振を奪うなどテンポよく3人で片付けると、東海大福岡は6回先頭の唐崎がショート右を破って出塁。宗の一打はセンター左を破る二塁打、さらに山本の一打もよく伸びてセンター右を破り、3連打で2点を還して反転攻勢に出る。
その後、藤本三振、野上四球で一死一、二塁としたが、打者光富の時に捕手が投球を前にこぼしたのを見て二走の山本が三塁を狙ったがタッチアウト。さらに光富の三塁線を破ろうかという痛打をサード高峰が横っ飛びで抑えて、一塁へ矢のような送球でアウトにするビッグプレーが飛び出し、東海大福岡の勢いが止められてしまう。

東海大福岡は7回以降、立ち直った村上の前に二塁を踏めず、これまで何度もビハインドをはねかえしてきた打線も沈黙。8回二死一塁で放った4番藤本の一打は、一塁側スタンドの期待を乗せて右翼席へ伸びていったが、もうひと伸びがなくライト斉藤のグラブに収まった。佐藤もこの日最速144キロの直球にカットボールをまじえながら気迫に満ちた投球で5つの三振を奪ったが、その力投も及ばなかった。
センバツ敗退後、16失点で屈辱の6回コールド負けを喫した春の九州大会。そこから立ち直り準々決勝まで勝ち上がってきた東海大福岡だったが、「(初戦敗退した)甲子園の借りは、甲子園で返す」という目標を果たすことなく、ベスト4を前に姿を消した。
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