【観戦記】飯塚7-0須恵(選手権福岡大会3回戦)




◇飯塚7-0須恵(選手権福岡大会3回戦)

飯塚が6回に5安打を集中して大量6点を奪い、7回コールドで須恵を下した。

▼3回戦(9日・北九州)〔試合記録
須恵 000 000 0 =0
飯塚 000 006 1x
=7
(7回コールド)
【須】田中【飯】野中→倉石

5回まで須恵先発・田中に1安打に抑えられてきた飯塚は6回、この回先頭の代打戸次が一塁内野安打で出ると二盗を決め、1番赤間が送って一死三塁とし、神谷の左犠飛で先制した。さらに久我が左翼線二塁打で出塁し、松永の三ゴロが一塁高投となり久我が生還。二死一塁から坂口が左前打のあと、牟田口のライト前に落ちるヒットで松永が還って3点目をあげた。なおも二死一、三塁から脇元の左翼線三塁打で2者を迎え入れ、打者平田のときに暴投で脇元も生還、6ー0とリードを広げた。

6回裏飯塚一死三塁 神谷が先制の左犠飛を放つ

7回は二死から途中出場の2番山下が左前打を放って二盗を決め、久我の右前打で生還。コールド勝ちを決めた。

須恵は初回一死後、真辺が左中間への安打を放って二盗を決めたが後続が凡退。6回は9番田中が右前打を放ち、古荘三振の時に二盗を決め一死二塁としたが、真辺の投前セーフティバントで田中が三塁憤死。中霜の中前打で一、二塁としたが末永二ゴロで得点できなかった。5安打を放ったが三塁を踏めずに完封を喫し、力投する田中を援護できなかった。

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昨秋、今春と結果を残せていない須恵だが、初めて県大会に出場した昨夏は4回戦でシード校の福岡を破って16強入り。その時の主力が田中をはじめ5人残っており、好ゲームが期待された。

飯塚・野中

飯塚は初戦で7回を完投したエース肥後はスタメンから外れ、先発のマウンドには右サイドハンドの野中が上がった。野中は130キロ前後(この日最速134キロ)の直球にスライダーを織り交ぜての投球。初回一死二塁のピンチをしのぐと、そのあとはテンポよくアウトを重ねた。伸びのある直球のあとにタイミングを外すスライダーが効果的で、須恵の打者に自分たちのスイングをさせなかった。

須恵の先発田中も、野中に負けない投球を見せた。右サイドハンドからの直球は110キロ台後半(同121キロ)だが、ドロッと落ちるスライダーで打たせてとっていった。初回は5球、3回と4回はいずれも9球で三者凡退に打ち取るなどテンポよく投げ、5回まで1安打1四球。15のアウトのうち中飛が5つ、遊ゴロが4つを占め、三塁を踏ませぬ好投を続けた。

須恵・田中

先に点を取って焦りを誘いたい須恵は6回、先頭の田中が直球を右翼線に合わせて出塁。続く古荘は初球のバントがファールになった後は強攻に出て三振を喫するが、この時に田中が二盗を決めて先制の好機をつくる。真辺のセーフティバントは投手正面へ転がり、野中は三塁へ送球。送球がやや逸れて一度はセーフの判定だったが田中の手が勢い余ってベースから離れてしまいタッチアウト。続く中霜が中前打でつなぎ一、二塁としたが、4番末永の一打は芯で捕らながらセカンド正面のゴロ。あと一本が出なかった。

するとその裏、飯塚ベンチが動く。好投を続けていた9番野中に代えて代打に戸次を起用。戸次は春まで俊足巧打の1番打者として活躍していた選手だ。その一打はファースト左を襲うゴロ。黒瀬が横っ飛びで抑えてベースカバーの田中に送るが、戸次の足が一瞬早かった。戸次は続く赤間の初球に二盗を決め、送りバントで三進すると神谷の左飛で悠々生還。出塁してわずか3球で先制のホームを踏んだ。

飯塚・倉石

ただ、飯塚も好投の野中を交代させての1点。ここで切っておけば須恵にも反撃のチャンスはありそうだったが、久我に左翼線二塁打を許し、続く松永の三塁前へのゴロで一塁送球が高くなってしまう痛恨の送球ミスが出て2点目を献上。ここから3連打を浴びて大勢が決してしまった。

5回まで1安打と苦しんだ飯塚だったが、肥後をはじめ戸次、平田、田崎と背番号1ケタの選手が多くベンチに控えており、後半勝負にも十分対応できる準備はできていた。野中に代打を送って仕掛けにいけたのも、肥後のほか倉石、中島と複数の実績ある投手がいるからこそ。ベンチ入りメンバーの力が拮抗し、勝負手を幾重にも打てる厚い選手層は大きな強みとなっている。

須恵は昨夏もそうだったように、先発メンバーに2年生以下が5人いる若いチーム。1年生の真辺、真武はヒットも放っており、秋以降の飛躍が期待される一校となりそうだ。

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