【観戦記】戸畑5-2宗像(選手権福岡大会2回戦)




◇戸畑5-2宗像(選手権福岡大会2回戦)

序盤に長打攻勢でリードを奪った戸畑が、終盤の宗像の反撃を継投でかわして逃げ切った。

▼2回戦(3日・筑豊緑地)〔試合記録
宗像 000 000 020=2
戸畑 110 300 00x
=5
【宗】池川→門司【戸】渡部→猿渡

戸畑は初回一死後、松下が左中間三塁打を放ち、大殿四球で一死一、三塁。打者渡辺の時に一走の大殿がディレードスチール、一二塁間に挟まれ、捕手からの一塁送球が逸れる間に松下が三塁から先制のホームを踏んだ(記録は重盗)。2回はこの回先頭の6番本田が、左越えに特大の本塁打を放って加点した。

4回は一死から5番石田が右越え二塁打で出塁すると、本田申告敬遠のあと、打者徳永の時に暴投で二、三塁とし、徳永の中前打で2点を加えた。さらに渡部の一ゴロで二死二塁とし、小田の中前打で徳永も還って5-0とリードを広げた。

4回裏戸畑二死二塁 小田が中前適時打を放ち5点目

7回まで6つの四死球を得ながら三塁を踏めずにいた宗像は8回、2番鶴崎がチーム2本目の安打を左前に放つと、都留が中前打、代打横山が左前打で続き無死満塁。さらに5番三浦が三遊間を破ってまず1点。ここで登板した戸畑2番手・猿渡から倉澤が左犠飛を放って2ー5とした。

しかし、なおも続く一死一、二塁の好機を生かせず、9回も二死から鶴崎、都留が連続四球を選んだが横山が三振。7回までに五度の得点機を生かせなかったことが、最後まで響いた。

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宗像・池川

宗像の先発は右腕池川。長身から投げ下ろす直球に威力があったが、その直球を戸畑打線が立ち上がりに叩いた。初回一死後、松下が直球に逆らわずにはじき返し、ショート頭上をライナーで破ると、打球はそのままは左中間を破り松下は一気に三塁へ。このあと一、三塁から重盗を仕掛けて先制した。

2回は先頭の本田がフルカウントから内角直球を狙いすまして左越え本塁打。筑豊緑地野球場の左翼フェンス後方にはコンクリートの法面(のりめん)が数メートルにわたってそびえるが、そのさらに上にある茂みに飛び込む大きな一発だった。

2回裏戸畑無死、本田が左越え本塁打を放ち生還
本田の一発はコンクリート法面の上の茂みに飛び込んだ

池川もその後、打者6人から直球で4つの三振を奪うなど立ち直る気配を見せた。特に低めに決まる直球には角度もあった。ただ戸畑は4回も攻勢に出る。一死後、左打者の5番石田が低めの変化球をうまくすくって右翼フェンスを直撃する二塁打で出塁。本田申告敬遠のあと、暴投で一死二、三塁から7番徳永がセカンド左を破り2点を追加。さらに二死二塁から9番小田もセカンド左を破り、下位打線の2年生2人による活躍でリードを広げた

戸畑の先発はエース渡部。サイドハンドからのスライダーを軸としながら、直球で厳しく内角を攻める投球をみせた。7回まで四死球6つと、持ち味の制球力がこの日は今一つだったが、要所は締めて得点を許さなかった。ショート萩原は高いバウンドのゴロ2つをダッシュよくさばき、サード石田は強烈な当たりを反応よく抑えるなど、バックも堅守で渡部を盛り立てた。

戸畑・渡部

渡部がこのまま完投するかと思われたが、8回に宗像が反撃に転じる。鶴崎、都留がいずれもスライダーを外野の前に落とすと、4番吉貝に代わる代打・横山が初球を三遊間に運んで流れを引き寄せる。三浦は3-0からストライクを取りに来た球を左前に鋭くはじき返した。

戸畑・猿渡

1点を返してなおも無死満塁。戸畑ベンチは渡部をあきらめ、左腕の猿渡を送り込む。やや肘を下げて直球、スライダーを投げ込む猿渡に対し、倉澤の一打は2-2からレフトへ大きな当たり。一瞬抜けたかと思われたがレフト徳永が背走、最後は風にも流される難しい飛球をキャッチしたのが大きなプレーだった。犠飛となって1点は失ったが、猿渡が後続を断って危機を脱した。9回は二死から連続四球を出したが、最後はフルカウントから高めの直球を振らせて横山を打ち取った。

戸畑はこの日、俊足の萩原こそ出塁できなかったが、長打攻勢で得点を重ねて主導権を握り渡部を援護。渡部も制球に苦しみながらも踏ん張り7回までゼロを並べた。宗像の先発池川の出来も悪くなかったが、やや甘く入った直球を狙い打った戸畑打線の力が上回った。

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