【観戦記】東海大福岡8-1苅田工(春季大会4回戦)




【東海大福岡8-1苅田工(春季大会4回戦)】

1回表東海大福岡二死二、三塁 岩崎の左前打で三走に続き二塁から上嶋も生還する

毎回の13安打を放ち、終始試合を支配した東海大福岡が8回に試合を決めた。

東海大福岡は初回、二死から山本が三ゴロ失で出塁すると、上嶋も左前打で続き、打者岩崎の時、捕逸でそれぞれ進塁し二死二、三塁。ここで岩崎が左前打を放って2者が生還した(岩崎も送球間に二進)。さらに唐崎四球の時に捕逸が絡み二死一、三塁とし、唐崎が二盗を決めたあと秋田がライト前に落として2点を加え、この回4点を先制した。

3点差となった4回は秋田が中前に落として出塁。斎藤三振、宗右飛で二死となったが秋田が二盗を決めた後、砂川が左中間三塁打を放って秋田が生還した。7回は四球で出た井上が上嶋の遊ゴロで二進し、岩崎捕邪飛のあと、唐崎の左中間二塁打で1点を追加。8回は一死から宗が遊内野安打で出塁し、砂川の右越え二塁打で一死二、三塁。代打堀邊四球で満塁とし、井上が中越え二塁打を放って2人を迎え入れ、コールド勝ちを決めた。

初回二死一、二塁、2回二死満塁の好機を逃した苅田工は3回、一死から東が左前打、福永も右前打で続き鱒村の四球で一死満塁。続く島田の三ゴロの間に東が生還して1点を返した。しかし4回以降は、2番手斎藤の前に1安打に抑えられ、2つの死球などで得た6回の一死一、二塁の好機もつぶすなど決定打を欠き、8四死球を生かせなかった。

第152回九州地区高校野球福岡大会4回戦(2023年3月27日・月/北九州市民球場)
        一二三四五六七八九   計HE
  苅田工   00100000  141

  東海福岡  40010012  813
(8回コールド)

  苅田工  打安点  東海福岡  打安点 ◆投手成績
(中)木 村 300 (二)砂 川 531 苅田工 回 安球振責
(遊)馬 場 400 (右)西村真 300 杉本  4 7111
(一)安 藤 310 中 北 館 100 佐藤  3.1 6333
(左) 東  310 打 堀 邊 000 

(右)福 永 410 (三)山 本 200 東海福 回 安球振責
(捕)鱒 村 100 遊 井上颯 212 佐藤  3 3551
(二)島 田 311 (一)上 嶋 430 斎藤  5 1340
(三)幸 森 200 (捕)岩 崎 412 
(投)杉 本 200 (左)唐 崎 211 試合時間
投 佐 藤 100 (遊三)秋田 422 09:55~11:51
ーーーーーーーーーー (投)佐 藤 100
ーーーーーーーーーー  投 斎 藤 200
ーーーーーーーーーー (中右)宗  420

振球犠盗残 打安点  振球犠盗残 打安点
981010 2641      44099   3413
—-
※公式記録ではありません
※選手名は場内アナウンスのみに基づいた記述のため、誤りがありましたらご指摘ください

—————-

東海大福岡の先発・佐藤

好機でタイムリーが出た東海大福岡と、出なかった苅田工。その差が点差に結びつく結果となった。

苅田工は初回二死からの連続四球で先制機を掴んだが、福永が三振。一方の東海大福岡はその裏、簡単に二死となったが、山本の三ゴロをサードが待って捕ろうとしてバウンドを合わせ損ねて出塁を許すと、このスキを逃さなかった。上嶋が左前打でチャンスを広げると捕逸で二、三塁とし、岩崎が甘く入った高めの直球を左前に叩いて先制。さらに四球と盗塁で再び二、三塁とすると、秋田が右前に落として2者を迎え入れ、4-0とリードを広げた。

ただ、苅田工にもチャンスは残されていた。2回は島田の右前打と幸森の四球、捕逸で一死二、三塁と迫ったが、杉本の左翼線に落ちそうな打球をレフト唐崎に好捕されると、木村四球で満塁としながら馬場が三振。3回も一死から安藤、東の連打と四球で一死満塁としたが、内野ゴロによる1点にとどまり、制球に苦しむ東海大福岡の先発・佐藤を一気に攻略できなかった。4回から2番手・斎藤がマウンドに上がると打線は沈黙。6回に2つの死球で得た一死一、二塁が最後の得点機だったが、佐藤は三振、木村も左飛に抑えられた。

東海大福岡・斎藤

東海大福岡の先発佐藤(2年)は大型右腕。直球とフォークで3回までに5つの三振を奪った一方で、直球が高めに浮き5つの四球を出すなど制球に苦しんだ。フォークは低めに制球されていただけに、時折決まっていた外角低めへの直球の精度が上がると、奪三振の数はまだまだ増えそう。

2番手の斎藤は右の速球派。立ち上がりは高めに浮き、6回には2つの死球を与えるなど制球を乱す場面もあったが、それを差し引いてもお釣りの来る内容。奪った4つの三振はいずれも低めにズバッと決まった直球。チェンジアップもあるが、直球でグイグイと押すのが持ち味の投手だ。登板直後の4回は三人で片づけ、3回までの苅田工の勢いを一旦断ち切る投球だった。

苅田工先発の杉本

苅田工の先発は背番号11の左腕・杉本。小柄で球威がそれほどあるわけではないが、大きなカーブにスライダ―と変化球にキレがある。初回は直球が高めに浮いたところを上嶋、岩崎に叩かれたが、変化球を多用した2~4回は打者のタイミングをうまく外し、1失点にとどめた。

5回からはエースナンバーをつけた佐藤がマウンドへ。勢いをつけて始動し、右サイドハンドから繰り出す直球に威力がある。多少球が荒れ気味だったが、それが却って打者に的を絞らせにくくしたか、5回6回は走者を出しながらも無失点。ただ、直球主体の投球を続けたことで7回8回はその直球を狙われて長打を浴び、失点を重ねた。変化球を効果的に使えるようになると投球に幅が出てきそう。

苅田工・佐藤

東海大福岡はとりたてて大型打者はいないが、長打4本を含む13安打と打線は活発だった。1番砂川は小柄な左打者だが左中間と右越えに長打を1本ずつ放ち、4番上嶋は3安打に2盗塁。秋田も2盗塁を決めるなど、チームとして積極的な走塁も光った。

苅田工打線は4安打だったが、いずれも芯で捕らえたクリーンヒット。アウトになった打球にも強い打球が多く、2試合連続2桁得点を叩き出した強打の片りんは示した。特に安藤、東、福永の中軸3人はよく振れていた。前半の好機に一本出ていれば、まだまだ試合の行方は分からなかったはず。投打とも粗削りながら爆発力を秘める、苅田工にはそんな印象を抱いた。

Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*