【観戦記】九州国際大付5-2東筑(春季大会2回戦)




【九州国際大付5-2東筑(春季大会2回戦)】

1回表九国大付二死二、三塁 白井が先制の左越え三塁打を放つ

序盤に得点を重ねた九州国際大付が、中盤以降の東筑の反撃をしのいで逃げ切った。

九州国際大付は初回、先頭の宮崎が四球を選ぶと秀嶋の三塁前バントの一塁送球が逸れ(記録不明、本サイトでは内野安打で記載)無死一、二塁。山口が送り、浅嶋三振で二死二、三塁となった後、白井が左越え三塁打を放ち2点を先制した。2回は一死から下川がセンター左への二塁打、続く田端の中前打で1点を追加。4回には一死から下川の左翼ポールを直撃する本塁打で4-0とリードを広げた。2点差に迫られた5回には先頭の山口が左中間二塁打で出塁。一死後、白井が左翼線二塁打を放ち突き放した。

3回まで走者を出せなかった東筑は4回、永田(祥)が右前打、続く阿部が投手左へのセーフティバントを決め、永田(晴)が送って一死二、三塁。ここで森木が中前打を放って1点を返し、なおも一死一、三塁から尾形の左前打でこの回2点を返した。その後も5回一死満塁、6回一死一、二塁、7回二死一、二塁、8回二死二塁と好機をつくりながら得点できず、4回途中から登板した2番手・安田の好投に応えられなかった。

第152回九州地区高校野球福岡大会2回戦(2023年3月22日・水/光陵グリーンスタジアム)
        一二三四五六七八九   計HE
  九国大付  210110000 5101

  東  筑  000200000 291
  九国大付 打安点  東  筑  打安点 ◆投手成績
(遊)宮 崎 310 (右)永田祥 410 九国付 回 安球振責
(左)秀 嶋 410 (三)阿 部 530 田端  9 9262
(中)山 口 210 (一)永田晴 200 
(三)浅 嶋 410 (二)森 木 411 東 筑 回 安球振責

(二)白 井 423 (投中)尾形 421 尾形  3.2 7324
(右)太 田 300 (遊)中 嶋 200 安田  5.1 3031
 瓜 生 100 打 入 江 100 
右 藤 木 000 遊 宮 原 000 試合時間
(一)宮 川 400 (左)西 澤 100 08:52~10:54
一 徳 永 000 打 高 松 100 
(捕)下 川 421 左 関 屋 210
(投)田 端 421 (中)岡 田 100
ーーーーーーーーーーーーーー 投 安 田 300
ーーーーーーーーーーーーー  (捕)大 越 310
ーーーーーーーーーーーーーー  橋 本 100

振球犠盗残 打安点  振球犠盗残 打安点
53105   33105      62119   3492
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※公式記録ではありません

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九国大付・田端

昨夏の準々決勝でも激闘を繰り広げた両校が再び激突した一戦。選手も大きく変わり、特に九州国際大付は昨夏チームを甲子園に導いた4番佐倉、右腕池田という投打の両輪、さらに1番打者として活躍した隠塚も不在というラインナップで春の初戦に挑んだ。

先発は背番号1をつけた2年生の田端。切れのある直球を投げ込んでくる左腕で、右打者の内角低めいっぱいに決まるクロスファイヤーは、かなり威力がありそう。球威があるためチェンジアップやカーブといった緩い球が効果的で、3回まで三人ずつで片づける上々の立ち上がりを見せた。

東筑の先発・尾形

東筑の先発・尾形は直球、変化球とも甘く入ったところを叩かれた。初回一死二、三塁で浅嶋を空振り三振に仕留めたチェンジアップが続く白井には甘く入り、左越えに運ばれた。2回も下川にチェンジアップをセンター左に、4回は同じ球を左翼ポールに運ばれた。直球はまずまず走っていたが全体的に球が高く4回途中、被安打7与四球3で降板した。

4回表を終えて4-0。東筑は3回まで一人も走者を出せず、このまま一方的な展開になると思われたが4回以降、東筑の反撃が始まる。永田(祥)が内角への変化球を詰まりながら右前に運ぶと、続く阿部は投手左に絶妙のセーフティバント。これが無人のショート定位置まで転がる内野安打となり、犠打で二、三塁としたあと、森木が低めのチェンジアップをうまく合わせて投手足元を破る中前打、尾形も同じ球を体勢を崩されながら三遊間を割った。

4回裏東筑一死二、三塁 森木が中前適時打を放つ

続く5回も大越、阿部が直球に押されながらも外野の前に落とすなど一死満塁としたが、永田(晴)が変化球を空振り三振。森木の一打もファースト正面を突き無得点。6回は尾形が田端のグラブをはじく強烈な内野安打、関屋も変化球をライト前に運び一死一、二塁としたが、打者安田の時に二走が飛び出してしまい、挟殺プレーの末に一走が憤死するなど好機を生かせない。

東筑は4回途中から安田が登板。5回に1点を失ったものの、伸びの有る直球にブレーキの利いたチェンジアップを低めに集め、6回以降に出した走者は一人だけ。中盤以降は東筑が主導権を握った。7回も二死から阿部の右前打と永田(晴)の四球で一、二塁としたが森木は三振。田端の懸命の投球の前に追加点を奪えなかった。4回2点を返しなおも一死一、二塁の場面で、打者のセーフティバント空振りで二走が飛び出して刺されたプレー、6回無死一塁からのバント失敗(捕邪飛)なども痛かった。

東筑の2番手・安田

佐倉を欠く九州国際大付打線は、彼の打棒を見てきただけに迫力不足を感じずにはいられなかった。それでも各打者は甘い球は逃さず、その打球スピードは速い。甲子園経験者で5番に入った白井は3打点で勝負強さを見せ、下川は8番ながら本塁打を含む2本の長打、田端もタイムリーを含む2安打で打撃でもセンスを感じさせるなど、その選手層の厚さを示した。

東筑は二巡目以降、各打者とも田端の速球に対応してきたところに打力の高さを感じた。投手陣は好投した安田だけでなく、尾形も直球に力がある。秋は4回戦、春も初戦で敗れ夏のシード権は北九州市長杯の結果次第だが、ノーシードとなった場合は台風の目になりそうだ。

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