’22秋季大会展望④Dパート~南北とも強豪が集う最大の激戦区




西短大附・江口

Dパートは南北とも最大の激戦区となりました。

南部では筑後地区の強豪が顔を揃えました。シード校は筑後地区新人大会優勝の西日本短大附。春の福岡大会を制してのぞんだ夏の大会は準々決勝で飯塚に敗れましたが、俊足巧打の1番江口のほか4番多久、長打力のある轟木ら主力が残り、新人大会では4試合で48得点と破壊力を見せつけました。投手陣は今春の九州大会でもマウンドを踏んだ大型右腕の村上のほか、新人大会では右アンダーハンドの森が主戦を務めました。新人大会準々決勝の久留米商戦、準決勝の柳川戦でいずれも6失点とやや投手力に不安を残しますが、その打棒が大きな魅力です。

ただ、西日本短大附の行く手には多くの強敵が待ち構えます。筑後地区新人大会の準決勝で西日本短大附に敗れた柳川は、シード校としてのぞんだ今夏は3回戦で西南学院に敗れて早々と姿を消しましたが、その時のレギュラー5人が残ります。新人大会では2試合で17点を奪い、準決勝で対戦した西日本短大附からも6点を奪うなど打力のあるチーム。初戦を突破すれば、2回戦では西日本短大附との再戦が早くも実現します。

久留米商・中島

久留米商は今夏、シード校の東海大福岡を下して16強入り。その試合の先発メンバーのうち7人が残りました。長身右腕のエース中島は130キロなかばの直球にスライダー、カーブと変化球を交えて緩急をつけた投球を見せます。右サイドハンド・新原も今春からマウンド経験を積んできました。新人大会準々決勝で西日本短大附に打ち負けましたが総合力が高く、県大会を狙える一校です。

昨秋のこの大会で準優勝した福岡第一は、当時から主戦として活躍してきた左腕の川波、さらに今夏の福岡大会で必勝リレーの一翼を担った右サイドハンドの前田と投手陣が充実しています。ともに制球にすぐれ、変化球を使って打たせてとる軟投派。福岡地区新人大会は初戦に勝ったあと出場を辞退しノーシードとなりましたが、昨年に続く県大会出場を狙います。

福岡第一・川波

福岡地区新人大会4強の筑前は、今夏初戦で浮羽工に敗れましたが、この試合で6回1失点と好投した柳原が健在。新人大会は準々決勝までの4試合で4失点と安定した戦いぶりを見せました。八女学院も今夏は初戦で福岡西陵に敗れましたが、その時の先発メンバーのうち7人が残りました。1年夏から出場している選手も多く試合経験は豊富。新人大会は準々決勝で祐誠に敗れたものの、着実に力をつけている印象です。2021年春から硬式に転向した同校が迎える3チーム目で、躍進が期待されます。

北部も有力校が多く、ベスト8をめぐる争いは混とんとしています。シードの真颯館は今夏もシードされながら4回戦で春日との打撃戦に敗れましたが、昨夏の準優勝メンバーであるショート山田、春日戦で一発を放った神保などの主力が複数残る新チームで北九州地区新人大会を制しました。投手陣も右サイドハンドの松平、左腕の浦などが夏のマウンドを経験しており、公式戦の経験を積んだ選手が多くいるのが強みです。

自由ケ丘・柿原

その真颯館と北九州地区新人大会で優勝を争った自由ケ丘が同じパートに入りました。夏16強だった前チームの主力は抜けましたが、5番を打っていた麻生は夏に14打数8安打と6割近い打率を残した強打者。投手陣は昨秋の3位決定戦で飯塚を相手に好投した柿原のほか、左腕の松尾や夏のマウンドを踏んだ1年生の高見らも控えます。同じく夏16強の折尾愛真は江崎、長野ら中軸のほか栗本、伊藤の1・2番コンビが健在。新人大会では3試合で61点をあげました。絶対的エースだった田端のあとを継ぐ在郷ら投手陣の出来が上位進出のカギを握りそうです。

夏の大会3回戦で小倉工と激しい打ち合いを演じた北九州市立は1番渋谷、4番行岡、その小倉工戦で一発を放った松尾らが残りました。新人大会では3試合で32得点をあげて4強入り。準決勝は出場辞退となりシードは逃しましたが、上位を狙える一校です。その北九州市立に新人大会で7-8と惜敗した北九州は、初戦で再び北九州市立と相まみえます。荒牧、船越、夏の大会で一発を放った上野ら前チームのレギュラーが残った打線には力がありそうで、注目の一戦。

春の福岡中央地区大会準優勝の鞍手も遠藤、塚崎ら主力が残りました。右腕・小野沢はコーナーを丹念に突く投球が持ち味です。初戦で折尾愛真と対戦する戸畑は、今夏の県大会出場の原動力となった黒田の右腕に期待が集まります。

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