【観戦記】小倉工8-1福岡第一(選手権大会準々決勝)




【観戦記】小倉工8-1福岡第一(選手権大会準々決勝)

小倉工が福岡第一自慢の継投リレーを先発全員安打となる16安打で粉砕、投げては先発山田が4安打1点に抑えて8回コールドで快勝した。

▼準々決勝(23日・北九州)
福岡第一 000 010 00=1
小倉工  014 101 01=8

【福】久保→前田→川波→杉本【小】山田
〈本〉花村(福)

小倉工は2回一死後、5番小畑が右前打で出ると川江も左前打で続き一死一、二塁。柳之内は一邪飛に倒れたが、8番山田が左前打を放って1点を先制した。3回は1番早川が三ゴロ失で出塁。小野が送った後、3番梅澤の中前打でまず1点。島田四球で一、二塁とし、ここで登板した福岡第一の2番手・前田から小畑が三塁線を破る二塁打で梅澤が生還した。なおも一死二、三塁から川江の中前打、柳之内の左犠飛でさらに2点を追加、この回4点を奪ってリードを広げた。

3回裏小倉工一死一、二塁 小畑が三塁線を破る適時二塁打を放つ

4回は一死から早川がショート左への内野安打に一塁悪送球がからんで三進すると、小野の右犠飛で1点を加えた。6回は早川の右中間三塁打のあと、小野は遊ゴロに倒れたが梅澤が一塁線にスクイズを決めて早川が生還。8回にはこの回から登板した杉本から早川が一塁線を破る二塁打で出ると、小野の三塁前バントが内野安打となって無死一、三塁。梅澤申告敬遠で満塁とし、島田が右前打を放ってコールド勝ちを決めた。

福岡第一は2回二死後、6番富永の左前打と小嶋四球で二死一、二塁としたが横山が三振。4回も二死から末永、富永の連続四球とボークで二死二、三塁としたが得点できなかった。ようやく5回一死後、9番前田の代打・花村が左越え本塁打を放って1点を返した。しかし6回以降は1安打に抑えられて二塁を踏めず、山田の前に散発4安打に抑えられて反撃できなかった。

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福岡第一久保

福岡第一はここまでの3試合、すべて久保(3年・左)前田(1年・右)川波(2年・左)の継投で勝ち上がってきた。小倉工打線が、タイプの違う3投手をどう攻略していくかが注目されたが、序盤の集中打で一気に勝負をつけた。

120キロ台後半の直球(この日最速130キロ)に縦に落ちてくるチェンジアップを武器とする久保に対し、小倉工は2回小畑、川江の連打で一、二塁とすると打席には投手の山田。1-1からチェンジアップを空振りすると、次も同じ球がくると読んだか、久保が投球モーションに入ると一、二歩投手寄りに移動して、変化球が落ちてくるところを叩く左前タイムリーで先制。3回は三ゴロ失で出た早川を二塁に進めると、梅澤がやはりチェンジアップをピッチャー返し。センター前に抜けて2点目をあげた。

小倉工・山田

続く島田四球で一、二塁となり、早くも2番手・前田が登板。サイドハンドに近いスリークォーターからコーナーを衝く投球が持ち味だが、小畑が内角球を引っ張って三塁線を破ると、川江は外角直球をうまく合わせて前進守備のショート後方に落とし、柳之内も外角球に逆らわずレフトへの犠牲フライ。いずれもファーストストライクを叩く積極的な打撃で、あっという間に5-0とリードを広げた。4回にも内野安打に敵失で三塁まで走者を進めると小野の犠飛で6点目をあげ、5回に3番手の川波が登板した時はすでに6点差。挽回は苦しい点差となっていた。

小倉工の先発山田はこの日も130キロ台(同137キロ)の直球とスライダ―を軸に、時折100キロ前後のカーブを交えながら、早いテンポで初回から飛ばした。2回は二死からヒットと四球で一、二塁とされたが横山をスライダーで三振。4回も二死から連続四球とボークで二、三塁のピンチを背負ったが小嶋をやはりスライダーで三飛に打ち取って得点を与えなかった。5回に代打花村に一発を許したが、その後は8回まで福岡第一に二塁を踏ませなかった。

福岡第一の投手陣はいずれもコーナーを丁寧につく投球を見せたが、緩い変化球はしっかりと引き付けて叩き、外角球は逆らわずに逆方向に弾き返す小倉工のコンパクトな打撃が上回った。3試合で1失策の堅守で投手陣を支えてきた内野陣もこの日は3失策と乱れ、小倉工の打棒に勢いをつける結果となった。打線も山田のスライダーを最後まで捕らえることができず、昨秋の準優勝校はベスト4を目前にして姿を消した。

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