【観戦記】福岡第一7-1祐誠(選手権大会2回戦)




【観戦記】福岡第一7-1祐誠(選手権大会2回戦)

3投手の継投で祐誠打線を抑えた福岡第一が、終盤に突き放して快勝した。

▼2回戦(7日・春日公園)
福岡第一 000 200 140=7
祐  誠 000 100 000=1
【福】久保→前田→川波【祐】野田→下村→宗→横山

4回表福岡第一二死二塁 末永が左越えに先制本塁打を放つ

両校無得点で迎えた4回、福岡第一は二死から4番宮島が三ゴロ悪送球で出塁すると暴投で二進し、5番末永が左越えに本塁打を放って2点を先制した。1点差で迎えた7回は一死後、末永が死球で出ると富永が送った二死二塁から、7番小嶋が右前打を放って1点を加えた。

8回は一死後、1番石田が左前打。暴投で二進すると高の右前打で一死一、三塁とし、3番北井が前進守備のセカンド後方に落として石田が生還した。さらに宮島死球で一死満塁から5番末永が右中間二塁打を放って2点を追加。なおも一死二、三塁から富永のスクイズがフィルダースチョイスとなって宮島が生還して、決定的な4点を奪った。

2回二死満塁の好機を逃した祐誠は4回、一死から6番二宮が四球を選び、続く春山の時に捕逸で二進。春山は中直に倒れたが、代打で登場した江田が右翼線二塁打を放って1点を返した。ここで登板した福岡第一の2番手前田から西が死球、横山中前打で二死満塁とチャンスを広げたが平田が三ゴロ。5回以降は前田~川波の継投の前に1安打に抑えられ得点できなかった。

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福岡第一の先発・久保

福岡第一の誇る投手陣が、祐誠打線につけ入る隙を与えなかった。

先発のマウンドに上がったのは、3人いる左腕のうちエースナンバーを付けた久保(3年)。120キロ台後半(この日最速132キロ)の直球にスライダ―、カーブなどを投じてきた。直球にバラツキが見られ4回途中までに5つの四死球を出したが、走者を出しながらも要所を抑え、4回途中までを1点でしのいだ。

福岡第一・前田

4回に久保が1点を失い、なおも二死二塁という場面で登板したのが1年生の前田。直後に死球と安打で二死満塁とピンチを広げたが、ここで平田を三ゴロに抑えて切り抜けたのが大きかった。5・6回は右スリークォーターから120キロ台の直球(同127キロ)に100キロ台の変化球をまじえて緩急をつけ、死球の走者を一人出しただけ。2-1と僅差の展開が続いていただけに、この好投は大きかった。

リードが2点に広がった7回裏からは、左腕の川波(2年)が登板。120キロ台後半(同129キロ)の直球に110キロ台のスライダーを低めに集めて、7~8回を三者凡退に抑えた。昨秋は主戦として準優勝に貢献しただけに、自信に満ち、貫録さえ感じさせるマウンドさばきだった。最終回は安打と死球で得点圏に走者を許したが、危なげなく後続を抑えた。

福岡第一・川波

打線は5・9回を除く毎回安打で常に得点をうかがった。4回は敵失で出た走者を二塁に置いて5番末永が内角直球を振り抜き、左越えに先制アーチを架けた。レフトが一、二歩動いて諦める特大の一発だった。末永は8回二死満塁で今度は右方向に大きな二塁打を放ち、この日4打点の活躍。センターを守る末永は、大きな当たりを背走しながら二度好捕するなど、守備範囲の広さも目に留まった。ショート北井も、サードがはじいた三遊間の打球をバックアップして、深いところから正確な送球を見せる好守を見せた。

祐誠の先発は右腕の野田(3年)。130キロ前後の直球(同132キロ)にスライダ―を軸とした投球。3回まで毎回安打を許したが、二盗を二度刺した西捕手の好守にも助けられて無失点に抑えてきた。4回は簡単に二死を取ったが失策で出した走者を置いて末永に手痛い一発を浴びて、この回でマウンドを降りた。

祐誠の先発・野田

5回から登板した2番手の下村(2年)は、打者に一度背中を見せてから投げる右のサイドハンド。120キロ台の直球(同125キロ)に右打者の外に流れる100キロ台の緩いスライダーを交えて5回6回は無得点に抑えたが、7回に死球の走者を二塁に送られ、小嶋にタイムリーを浴びて1点を失った。8回も一死からスライダーをうまく合わされて連打を浴び、北井を詰まらせながらもセカンド後方に落とされて1-4となったところで降板した。打ち込まれたという感じではないが、福岡第一の巧い打撃が上回った。

祐誠・下村

祐誠打線は福岡第一の3人の投手の前に散発の4安打。5回までに7つの四死球を得ながら、得点は4回の1点のみに終わった。外野フライを打ち上げるシーンが目立ち、アウトのうち半数近い12個が外野フライだった。

祐誠は先発メンバーのうち4番福原、1年生の5番大嶋など4人が2年生以下。2番手として登板した下村も2年生だ。新チームにこの経験を生かしたい。

 

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