選手権福岡大会は有観客で実施、開会式は今年も見送り




昨夏の光陵グリーンスタジアムでの開始式

7月3日(日)に開幕する第104回全国高校野球選手権福岡大会の運営委員会が6月10日(金)に開かれ、大会運営に関する打ち合わせが行われました。全チームが一堂に集まる開会式は今年も行わず、前年に続いて大会初日に各球場で選手宣誓などの「開始式」のみを実施することなどが決まりました。朝日新聞デジタルが伝えています。

参加校は北部64・南部72の計136校であることも明らかになりました。昨年は遠賀と若松商が連合チームとして出場したため136校・135チームでしたが、今年はすべて単独チームで出場するとのことから「出場チーム」は前年より1校増となります。

このほか、保護者や学校関係者以外の一般観戦も可能となります。また、入場料が大人600円から800円に改定(高校生200円、中学生以下無料は従来通り)されることも、あわせて報じられています。

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開会式は大会そのものが中止となった2020年も含めて3年連続で見送りとなりました。ここ数年は豪雨の影響による中止などもあって、過去5年間で開会式が実施されたのは2019年のわずか1回だけ。8年前までさかのぼっても入場行進を伴う開会式は3回にとどまり、うち1回(2015年)は雨の中での入場行進でした(下表)。

開会式 球場 備考
2021 中止 各球場 大会初日に各球場で「開始式」を実施
2020 中止 新型コロナ感染拡大の影響で大会中止
2019 実施 北九州市民球 好天に恵まれ開催
2018 中止 福岡ヤフオク!ドーム 西日本豪雨の影響で中止
2017 中止 北九州市民球場 九州北部豪雨の影響で中止
2016 室内実施 北九州メディアドーム 雨のため北九州市民球場より変更
2015 実施 久留米市野球場 降雨の中で入場行進含めて実施
2014 実施 北九州市民球場 好天に恵まれ開催

例年開会式当日は、大会期間中もっとも多くの観客が詰めかけます。これからの戦いに向けて気持ちを高める選手たちはもちろん、彼らを見守る保護者や学校関係者、そして高校野球ファンにとっても特別なイベントです。しかし大会が開幕する7月上旬は近年、線状降水帯の発生などによる集中豪雨が頻発しています。その上、これだけ新型コロナの感染者が減少しても従来の感染対策から転換できない国や行政・教育委員会の姿勢、2年にわたる入場制限で収入の減少した各高校野球連盟の厳しい財政状況などを考えると、もはや従来のように入場行進を伴う開会式は「毎年当然行われるもの」ではなくなっています。

入場料に関しては、コロナ禍での入場制限による収入減や感染対策費の増加などを理由に、この1~2年で値上げに踏み切っている地域も散見されます。従来500円~600円だった入場料を700~800円に上げるケースが目立ち、東京や大阪、京都、広島などのように1000円という地域もあります。ただ、これまでの料金で据え置きしている地域も少なくありません。今回の値上げが来場者数にどのような影響を与えるかは分かりませんが、ワンコイン、プラス100円で高校野球がスタンド観戦できるという気軽さは、なくなりそうです。

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