2022夏の注目選手たち④~野手編




投手に続き注目の野手についてまとめました。観戦の機会が多かったこともありますが、昨秋九州大会王者でセンバツ8強の九州国際大付の選手たちの活躍が目につきました。

九国大付・黒田

黒田義信(九州国際大付/3年/外野手/右投左打)
昨夏は4番として活躍。新チームでは1番に座り長打力、走力を生かして打線を牽引します。打率、打点、出塁率などいずれもチームトップの数字(筆者観戦の試合記録)。明治神宮大会準決勝では大阪桐蔭・前田投手から本塁打。センバツでも2回戦・広陵(広島)戦の5打数4安打4打点をはじめ、同校がセンバツ3試合であげた10点のうち半分の5打点を記録するなど、大舞台でも勝負強い打撃を見せます。センターでも守備範囲の広さを見せており、走攻守三拍子揃った選手です。

■佐倉俠史朗(九州国際大付/2年/内野手/右投左打)
昨秋から4番に座る2年生で、堂々たる体格と豪快な打撃で注目を集めています。
重心をグッと下げ、バットを高く立てる独特の構えから強烈な打球を放ちます。その魅力は何といってもライトスタンドにライナー性の当たりで突き刺す痛烈な一発。昨秋の九州大会で2本、さらに明治神宮大会で大阪桐蔭・前田投手から一発を放って全国的な注目を集めるようになりました。甲子園では不発に終わりましたが、春の九州大会でも1本放っています。見る人に一発の期待を抱かせてくれる打者と言えます。

九国大付・佐倉

■尾﨑悠斗(九州国際大付/3年/内野手/右投右打)
豪快な打棒で観客を魅了するのが佐倉選手なら、守備で魅せるのがこの人。難しいバウンドを軽快に処理するグラブさばき、三遊間の深いところから見せる矢のような送球、サード後方の切れていく飛球をおさえる快足と正確な打球判断、すべてトップクラスです。見ていて惚れぼれとする守備は、十年に一度のショートといっても過言でないように思います。
打順は9番で打撃に派手さはありませんが、守備での貢献度は大きくチームに欠かせない選手となっています。

このほか、センバツではややバットが湿り気味だったものの長打力があり、巧みなリードで投手陣を支え、投手としても145キロの直球を投げる野田海人捕手(3年/右投右打)など能力の高い選手が揃う九州国際大付は、やはり今夏の優勝候補の筆頭といえます。

東海大福岡・生田

■生田碧空(東海大福岡/3年/内野手/右投左打)
春の大会3位の東海大福岡も強打のチーム。上位から下位まで好打者が並びますが、その中で挙げるとすればこの選手。打順は6~7番に入ることが多いですが、確実性と長打力を兼ね備えた左打者です。変化球はよく引き付けてコンパクトに打ち返し、直球は強いスイングで叩き、フェンスオーバーする力があります。春の大会準々決勝の福岡戦では外角直球を逆方向に、福岡中央地区大会決勝の鞍手戦ではスライダーを引っ張っての一発。観戦した5試合の打率は.563。この打者が下位に座る東海大福岡打線の打力は、推して知るべしです。

■江口翔人(西日本短大附/2年/内野手/右投左打)
昨夏、1年生ながら1番セカンドで甲子園に出場した選手。走攻守にセンスの良さを感じますが、特筆すべきはその守備。打球に対する反応がよく、強烈な当たりも軽快な身のこなしで処理します。身体は決して大きな方ではありませんが肩も強く、三遊間の深いところからも正確な送球を見せます。尾崎選手と同様、見ていて思わず唸ってしまう守備力は県内屈指と言えます。

福岡大大濠・吉田

■吉田 颯(福岡大大濠/3年/内野手/右投右打)
福岡大大濠にも多くの好打者がいますが、勝負強さという点で目を引くのがこの選手。9番打者として出場した昨秋準々決勝の飯塚戦では、好投手の白濱投手から2本の本塁打。2本目は一時逆転となる満塁本塁打で、左翼ポール際に打ち込みました。打順が2番に上がった今春の福岡地区大会準決勝でも中堅左に大きな勝ち越しの本塁打を放つなど、ここぞという場面での活躍が目につきます。

同校には友納周哉内野手(3年/右投左打)、藤田悠太郎捕手(2年/右投右打)など、小柄ながらパンチ力のある打者も多く、吉田選手が暴れるような展開になれば、打線は大いに活気づきそうです。

小倉・河野


河野戴駕(小倉/2年/捕手/右投左打)
2年生ながら4番に座る左のスラッガー。北九州市長杯2回戦の北筑戦では中堅左に一発、東筑戦では2打点を挙げるなど勝負強さもあります。体格にも恵まれ、打席に入ったときに威圧感、風格さえ感じさせます。捕手としてもピンチになるとこまめにマウンドに運んで投手を激励する一方、自らは本塁打を放っても淡々とダイヤモンドを一周するなど冷静さを持ち合わせている印象を受けました。今後の成長が期待される一人です。

■猿渡 蒼(大牟田/2年/外野手/右投左打)
筑後地区大会優勝の大牟田も強力打線が売りですが、長打力のある選手が並ぶ上位打線の中でしぶとさを見せる巧打者です。追い込まれてからも際どい球はカットして甘い球を待ち、あるいは四球を選んで出塁。中軸につないで得点機を演出します。足もあるため、塁に出ると相手守備にプレッシャーをかけてきます。いわゆるつなぎの役割を果たす打者で、目立たないものの高い得点力を誇るチームを陰で支えています。

観戦した中で特に印象に残った選手たちを紹介しましたが、まだまだ好選手はたくさんいます。彼らが夏の大会でどのようなプレーを見せてくれるか、今から楽しみです。

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