【観戦記】小倉工8-0折尾愛真(春季大会準決勝)




【小倉工8-0折尾愛真(春季大会準決勝)】

3回表小倉工無死満塁 梅澤が先制の中前打を放つ

折尾愛真の好投手・田端から3回に一挙5点を奪った小倉工が、先発の山田が折尾愛真打線を2安打に抑える好投を見せて快勝、決勝進出を決めた。

小倉工は3回一死後、9番中野が中前打で出ると、早川中前打、小野四球で無死満塁。3番梅澤が中前打を放って1点を先制した。さらに島田三振のあと、小畑の遊前のゴロが内野安打となる間に早川に続き、二塁から小野も生還して2点を追加。川江四球で一死満塁とし、柳之内の左前打で2者を迎え入れ、この回5点を挙げた。

4~6回はいずれも三者凡退に抑えられたが7回、中野が一ゴロ失で出ると、早川の一塁前バントが内野安打となり、無死一、二塁。打者小野の時に二塁牽制が乱れ、さらにバックアップしたセンターからの三塁送球が逸れる間に中野が生還して1点を追加した。なおも無死二塁から小野が送り一死三塁とし、梅澤の左中間三塁打で早川が生還。島田三ゴロで二死となったが、小畑の左中間二塁打で梅澤が8点目のホームを踏んだ。

折尾愛真は2回、4番重富が四球を選び、長野が送って一死二塁と先制機を迎えたが、後続が凡退。4回には3番江崎が一ゴロ失で出塁したが、重富が右直、長野が二直併殺。5回は中前打で出た6番深田を近藤が送り、打者田端の時に山田のボークで一死三塁としたが田端・伊藤が三振に倒れ、得点できなかった。

第150回九州地区高校野球福岡大会準決勝(2022年4月5日・火/北九州市民球場)
        一二三四五六七八九   計HE
  小倉工   0050003   892

  折尾愛真  0000000   023(7回コールド)
 小 倉 工   打安点  折尾愛真  打安点 ◆投手成績
(中)早 川 420 (遊)謝名堂 310 小倉工 回 安球振責
(右)小野光  200 (一)栗 本 300 山田  7 2290
(捕)梅 澤 422 (遊)江 﨑 300 
(左一)島田 300 (中)重 富 100 愛 真 回 安球振責

(三)小 畑 423 (三)長 野 200 田端  7 9495
(二)川 江 200 (左)深 田 310 
(一)柳之内 322 (捕)近 藤 200 試合時間
左 牧 嶋 000 (投)田 端 300 09:58~11:28
(投)山 田 300 (右)伊 藤 200
(遊)中 野 310
振球犠盗残  打安点  振球犠盗残 打安点
94114  2897  92205 2220
※公式記録ではありません

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小倉工・山田

準々決勝で筑陽学園を4安打1点に抑えた小倉工・山田、福岡工を3安打1点に抑えた折尾愛真・田端の両投手による投手戦が予想されたが、思わぬ大差がつく形となった。

初回は両投手とも三者凡退で上々の立ち上がり。2回小倉工は先頭の島田が四球を選ぶと、5番小畑は送る気配を見せずに強攻。結果的に一ゴロ併殺打となったが、この攻撃的な姿勢が後の大量得点の伏線にもなった。

3回、先頭の9番中野はスライダーを叩きつけ、投手頭上を抜けていく中前打。続く早川はここでも送るそぶりを見せず、初球のスライダーをセンター右に落とす。小倉工は初回から、田端の決め球である縦に鋭く落ちるスライダーに狙いをしぼっていたように見えた。

折尾愛真・田端

田端は2番小野に対しては直球で攻めたが、四球で歩かせ無死満塁。3番梅澤は1-2と追い込まれたが、初回に打ち取られたスライダーを中前に運んで先制する。1点で終わっていればまだ予断は許さなかったが一死後、5番小畑はショート前への弱い当たり、江崎が懸命に前進して一塁送球するがセーフ。好スタートを切っていた二塁走者の小野も一気に本塁を陥れて2点が加わったのが大きかった。川江四球のあと、柳之内が直球に詰まりながらもショート左を破り、2者が生還。5-0とリードを広げた。

小倉工の山田は大量点の援護を受け、余裕を持って投球できた。110キロ台のスッと沈む変化球はスライダーと思っていたが、落ち方を見るとチェンジアップか。この球が内外角のコーナーいっぱいによく決まった。これに130キロ前後(この日最速134キロ)の直球、100キロを切るカーブを交えて的を絞らせなかった。折尾愛真の各打者は直球と思ってスイングをかけたらチェンジアップだった、という感じのハーフスイングや中途半端なスイングが目立ち、自分たちの打撃ができなかった。

3回表小倉工一死満塁 小畑の遊内野安打で二塁から小野も生還

田端は3回は打ち取った打球がヒットになる不運もあって5点を失ったが、4~6回は直球主体の投球に切り替えて3人ずつで片づけた。3回にタイムリーを許した梅澤は直球で三振、小畑と柳之内はスライダーでそれぞれ三振に仕留めた。7回を投げ、9番中野以外の全員から三振を奪うなど9奪三振。飯塚から12三振、福岡工から14三振を奪った実力の片りんを見せた。

ただ7回は自らのけん制悪送球も絡んで1点を失った後、梅澤、小畑に再びスライダーを左中間に運ばれるなど、試合全体を通してみると小倉工打線の力が勝った。

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