九国大付は浦和学院に惜敗、11年ぶりの4強ならず~センバツ




第94回選抜高校野球大会は大会8日目の28日(月)、準々決勝4試合が行われました。第一試合に登場した九州地区代表の九州国際大付は浦和学院(関東/埼玉)に3-6で敗れ、2011年に続くベスト4入りはなりませんでした

【試合経過】—————————-
序盤から常に先手を取り続けた浦和学院が長打攻勢で九州国際大付の香西を攻略、継投で九州国際大付の反撃を封じて競り勝った。

同点で迎えた8回、浦和学院は一死から伊丹が四球を選ぶと金田も左前打で続き、一死一、二塁。ここで4番鍋倉が右翼ポール際に本塁打を放って3点を勝ち越した。

先制したのも浦和学院。初回一死後、伊丹が右中間への安打を放つとライトがファンブルする間に二進。続く金田の左前打で生還した。同点で迎えた6回は、この回先頭の伊丹が左翼ポール際に本塁打で勝ち越し。さらに金田が右中間二塁打で続き、鍋倉が一・二塁間を破って1点を追加した。

8回表九国大付二死満塁 佐倉が同点となる左前適時打

3回まで走者を出せなかった九州国際大付は4回、黒田が右前に初安打。中上が送った後、小田原の左中間二塁打で追いついた。2点を追う8回は一死から香西が左前打。代打浅嶋が四球を選ぶと、黒田も右前打でつなぎ一死満塁。代打毛利の時に登板した金田の暴投で1点を返すと、毛利は三振に倒れたが小田原の四球で再び満塁とし、佐倉の左前打で同点に追い付いた。

3点差となった9回も一死から白井が左前打で出たが後続が凡退。二度追いつく粘りを見せたが、最後は金田に封じられた。

第94回選抜高校野球大会準々決勝 (2022年3月28日・月/阪神甲子園球場)
       一二三四五六七八九 計HE
九国大付 000100020 361
浦和学院 10000203x 69
 九国大付  打安点  浦和学院  打安点 ◆投手成績
(中)黒 田 420 (左)小 林 400 九国付 回 安球振失
(右)中 上 200(中右中)伊丹 321 香 西 9 9125
打 毛 利 100 (遊投)金田 431 
 大 嶋 000 (一)鍋 倉 424 浦和学 回 安球振失

(左)小田原 311 (捕)高 山 410 宮 城 7.1 4243
(一)佐 倉 311 (三)八 谷 400 金 田 1.2 2120
(捕)野 田 400 (右)日 高 300 
(三)白 井 410  二 大 勝 000 
(二遊)隠塚 400 (投中)宮城 300 試合時間
(投)香 西 410  右 喜屋武 000 1時間50分
(遊)尾 崎 200 (二遊)大内 310
打二 浅嶋 000
振球犠盗残  打安点  振球犠盗残 打安点
63105  3162  21003 3296

—————-
スコア上は接戦となったが、序盤から浦和学院が試合の主導権を握り続け、投打にわたって浦和学院が一枚上だった。

九州国際大付の先発はこの日もエース香西だったが、浦和学院は配球をよく研究していた印象だった。広陵戦と同様、左打者の外角低めにスライダー、チェンジアップを集めたが浦和学院の打者は際どい球はファールで逃げ、甘く入った球を逃さずに叩いてきた。

初回伊丹の初安打は追い込んでから高めに外そうとした直球を叩かれた。ボール気味の球だっただけに、狙っていたのかもしれない。左打者の金田にはやや内に入ったスライダーを左前に運ばれ、あっという間に先制を許した。2回以降は粘り強く投げていたが、6回は伊丹に3球続けたチェンジアップがファール、ファール、ボールとなり、最後は内角低めの直球で勝負したがこれが中に入り左翼席に運ばれた。球数が100球を超えた8回はやや球が高くなったところを金田、鍋倉に痛打された。浦和学院の2~4番に7安打6打点。振りが鋭く、少しでも甘くなると外野に運ばれる。強力打線とは、このような打線のことを言うのだろう。

打線も浦和学院の左腕宮城の直球に差し込まれ、3回まで無安打。4回に黒田、小田原がその直球をようやく弾き返したが、5~7回は再び走者を出せなかった。それでも8回に細かくつないで奪った2点は、打線の「粘り」という新たな一面を見せてくれた。

強打をうたわれた打線もこの大会は黒田、小田原、佐倉に頼る形となった。圧倒的な打力で昨秋は九州大会を制したが、明治神宮大会を含めた全国大会6試合での平均得点は3点。今大会も九州国際大付以外の九州勢は全て初戦敗退しており、ここ数年の九州勢のレベルは高いとは言えない。九州大会を圧倒的に勝ち上がっても、全国で頂点を目指すにはさらに上のレベルが求められそうだ。

打倒・大阪桐蔭を公言してのぞんだ九州国際大付だったが、その悲願は果たせなかった。それでも夏に全国上位を目指す上で、自分たちが目指すレベルが実感できたのではないだろうか。

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