【観戦記】西日本短大附7-0筑紫台(春季大会3回戦)




【西日本短大附7-0筑紫台(春季大会3回戦)】

1回裏西短大附一死一、二塁 多久が中越え二塁打を放ち先制

西日本短大附が4番多久が一発を含む3打点と活躍、投げては先発・橋本が筑紫台打線を4安打に抑えて完封して快勝した。

西日本短大附は初回一死から、穴井が右前打。今田四球のあと、4番多久が中越え二塁打を放って2点を先制した。3回は、この回先頭の多久が左越え本塁打。さらに山口(雄)がニゴロ失で出ると、和田がバスターエンドラン(左前打)を決めて無死一、三塁とし、轟木の右犠飛で山口が生還した。続く山口(琉)の一ゴロで二塁送球がそれて一、二塁。橋本中前打で一死満塁から1番江口の右犠飛でこの回3点を加えた。

6回は一死から今田が四球で出ると盗塁を決めて一死二塁。多久は振り逃げで出塁(二走も三塁へ)し一死一、三塁から山口(雄)の右犠飛で1点を追加した。8回は江口が左越え二塁打で出ると、穴井のバントは捕飛となったが、打者今田の時に暴投で三進。今田、多久が四球を選んで一死満塁とし、山口(雄)のセカンド強襲安打で江口が生還してコールド勝ちを決めた。

筑紫台は3回、死球で出た8番山本を橘が送って一死二塁としたが、後続が凡退。6点を追う7回には二死から吉田の中前打、園田の左前打で一、二塁とし、山本のショート左へのゴロが二塁への悪送球を誘い二死満塁としたが、橘が三振に倒れて反撃できなかった。

第150回九州地区高校野球福岡大会3回戦 (2022年3月25日・金/春日公園野球場)
       一二三四五六七八九   計HE
  筑紫台  00000000  043

  西短附  20300101  791
 筑紫台   打安点  西短大附  打安点 ◆投手成績
(左)江口大 400 (遊)江 口 310 筑紫台 回 安球振責
 左 名嘉真 200 (二)穴 井 510 大角  8 9755
(中)篠 原 400 (中)今 田 200 
(三)徳 野 400 (左)多 久 423 西短附 回 安球振責

(右)福 山 310 (一)山口雄 422 橋本  8 4190
(投)大 角 300 (捕)和 田 310 
(一)吉 田 320 (三)轟 木 300 試合時間
(二)園 田 310 (右)山口琉 310 12:58~14:44
(捕)山 本 200 (投)橋 本 310
(遊) 橘  200
振球犠盗残  打安点  振球犠盗残 打安点
91106  2840  574312 3097
※公式記録ではありません

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投打にわたって西日本短大附が筑紫台を上回った。

この試合の主役は、西日本短大附の先発橋本。背番号10の左腕で、テイクバックをほとんど取らない投球フォームから90キロ台の緩いカーブを内外角の低めいっぱいに測ったように投げ込んでくる。110キロ台(この日最速121キロ)の直球も使ってポンポンとストライクを先行させて追い込むと、内外角のコーナーいっぱいにカーブを投じ、内野ゴロ、あるいは外野フライを打たせていく。打たせてとるだけでなく三振も9個にのぼった。カーブ続けた後の直球も効果的で、直球の見逃し三振も4つを数えた。

西短大附・橋本

得点圏に走者を背負ったのはわずかに二度だけ。唯一三塁まで走者を進められた7回二死満塁では、右打者の外角低めいっぱいにカーブを2つ落として追い込むと、直球を2球挟んで最後はカーブで空振り三振。「針の穴を通すコントロール」という言葉があるが、その言葉を想起させるような絶妙な投球だった。死球を一つ与えただけで四球はゼロ。スリーボールになったのも二度だけ。甲子園では九州国際大付の香西が、やはり110キロ台の直球を「速い」と感じさせる制球力・投球術で注目を集めているが、この日の橋本もそんな投球だった。

打者では4番多久が2安打3打点の活躍。初回は走者を2人おいて130キロの直球を叩き、中越え二塁打。3回も変化球を続けられた後の直球を左翼席にライナー性の本塁打。身体は決して大きなわけではないが、パンチ力がある打者だ。打線は前チームの林、三宅のような大型選手はいないが、昨夏の甲子園を経験した江口、穴井、今田、山口(雄)らが健在で、スキのない攻撃を見せる。

筑紫台・大角

筑紫台の先発は長身の右腕・大角。120キロ台後半の直球(この日最速131キロ)に、縦に落ちてくる110キロ台の変化球を多投してきたが、立ち上がりから制球に苦しんだ。ボール先行の投球で球数が多くなり3回までに76球。中盤から100キロ台のカーブを使い始めてカウントを整えられるようになったが、球数が150球を超えた8回に力尽きた。

打線は橋本の緩い球に手こずり4安打。芯で捕らえたいい当たりもあったが西日本短大附の守備網につかまり、最後まで攻略の糸口を掴めなかった。

 

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