九国大付が広陵下し8強、準々決勝は浦和学院と対戦~センバツ




第94回選抜高校野球大会は大会6日目の24日(木)、1回戦1試合と2回戦2試合が行われました。第三試合に登場した九州地区代表の九州国際大付は広陵(広島)を4-1で破り準々決勝進出を決めました。チームとしては準優勝した2011年以来11年ぶり、福岡県勢としては前年の福岡大大濠、2019年の筑陽学園に続く3大会連続のベスト8入りとなりました。準々決勝は大会9日目の27日(日)に行われ、九州国際大付は第一試合で浦和学院(埼玉)と対戦します。

8回表九州国際大付二死一、二塁 黒田が右中間三塁打を放つ

【試合経過】—————————-
昨秋の明治神宮大会準優勝、ベスト4の両チームが激突した一戦は、エース香西が好投した九州国際大付に軍配が上がった。

1点を追う九州国際大付は2回、5番野田の遊内野安打のあと小田原の左前打、白井の左前打で無死満塁。香西三ゴロ(本塁封殺)、尾崎三振で二死となったが、1番黒田の右前打で2者が生還、逆転に成功した。
その後は再三得点圏に走者を送りながら追加点が奪えなかったが、8回一死から白井が死球で出ると、香西の送りバントは二塁封殺されたが、尾崎の左前打で二死一、二塁とし、黒田が右中間を破る三塁打を放ち2点を追加して突き放した。

広陵は初回、先頭の中川が中前打で出ると松下が送って一死二塁。内海三振のあと、4番真鍋の時に中川が三盗、捕手からの送球が乱れる間に生還して先制した。しかしその後は九州国際大付の先発香西を打ちあぐみ、4回二死一、二塁、5回一死二塁と好機をつくりながら得点できなかった。

3点差となった8回は二死から3番内海の中前打、4番真鍋の左前打で一、三塁と反撃を見せたが、5番谷本が三振。スライダーなどの変化球と直球を効果的に投げ分ける香西を、最後まで攻略できなかった。

第94回選抜高校野球大会2回戦 (2022年3月24日・木/阪神甲子園球場)
       一二三四五六七八九 計 HE
九国大付 020000020 4131
広  陵 100000000 1070
 九国大付  打安点  広  陵  打安点 ◆投手成績
(中)黒 田 544 (中)中 川 310 九国付 回 安球振失
(二)隠 塚 400 (二)松 下 300 香 西 9 7211
(右)中 上 400 (右)内 海 410 
(一)佐 倉 430 (一)真 鍋 310 広 陵 回 安球振失

(捕)野 田 410 (左)田 上 300 森 山 7 10232
(左)小田原 520  遊 谷 本 100 松 林 1.1 2202
(三)白 井 310 (三)背戸川内310 岡 山 1 1000
(投)香 西 300  打 松 田 100 
(遊)尾 崎 420 (遊)川 瀬 200 試合時間
ーーーーーーーーーーー 打左 小林 200 2時間4分
ーーーーーーーーーーー(捕)大 山 430
ーーーーーーーーーーー(投)森 山 100
ーーーーーーーーーーー 打  西  100
ーーーーーーーーーーー 投 松 林 000
ーーーーーーーーーーー 投 岡 山 000
振球犠盗残  打安点  振球犠盗残 打安点
343012  36134  112207 3170

—————-
初戦のクラーク国際戦に続いてエース香西の投球が冴えわたった。

1回戦の敦賀気比戦では17安打9得点を挙げた強打の広陵打線だったが、2~6番まで並ぶ左打者に対してはスライダー、カーブで外角低めを徹底して攻めた。変化球を意識させての直球も効果的で、広陵の打者は120キロ台の直球に差し込まれるシーンが多かった。この日は三振も11個奪い、うち6個は中軸の3人から。ストライク先行の投球で四死球も2つだけ。抜群の安定感で初戦以上ともいえる出来だった。

制球力や球のキレもさることながら、相手の打者の読みを外して直球、変化球と投げ分ける投球術も秀逸。初戦もそうだったが前半と後半で配球の組み立てを変えることで、広陵の各打者は的を絞ることができず、自分たちのスイングができていないように感じた。120キロ台の直球を「速い」と体感させる制球力、配球は見事のひと言に尽きる。

打線では1番黒田が4安打4打点と大当たり。2回の先制打、8回の貴重な適時三塁打とも内角高めに来た球を逃さずに叩いた。佐倉も初安打が出て硬さがとれたか、この日は3安打の猛打賞。チームで13安打を放ち、打線は上向いてきているようだ。
ただ、再三得点圏に走者を送りながら、決定打を欠いたのも事実。初回一死三塁、4回一死二塁、5回二死二、三塁、9回一死二、三塁…。追加点が入らないと試合の流れも変わりがちだが、その意味でも、流れを渡さなかった香西の好投が大きかった。

守備はこの日も堅実。6回真鍋のニゴロはバウンドを合わせるのが難しい当たりだったが、隠塚が思い切って前に出て、うまくさばいた。7回は背戸川内の一・二塁間を抜けようかというゴロを再び隠塚が膝をつきながら抑えると、一塁ベースカバーに入った香西に素早く正確な送球を送り、間一髪でアウトにした。8回無死一塁で松下の強烈なピッチャー返しを香西が反応良く抑え、併殺にしたのも大きなプレーだった。

準々決勝の相手は好左腕・宮城を擁する浦和学院。鋭いスライダーを武器に初戦は2安打13奪三振で大分舞鶴を完封。この日の和歌山東戦でも7回まで投げて2安打10奪三振。四球も少なく攻略は容易ではなさそうだ。打線も2試合連続2桁安打と当たっており、足を使った攻撃も仕掛けてくる厄介なチーム。九州国際大付にとっては、これまでの2試合のような凌ぎ合いになりそうだが、辛抱の末に勝利を手にした2試合の経験を生かしたいところだ。

 

 

 

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