【観戦記】柳川7-0東福岡(春季大会2回戦)




【柳川7-0東福岡(春季大会2回戦)】

2回裏柳川一死一、二塁 梅田が先制の左翼線二塁打を放つ

柳川が左腕エース加峰の好投で東福岡に7回コールド勝ち、初戦を突破した。

初回無死満塁の好機を逃した柳川は続く2回、7番穴井がセカンド左への内野安打で出塁すると、古賀はバントの構えから強打、三遊間を破って無死一、二塁。梶原の送りバントとは投飛となったが、1番梅田が左翼線に二塁打を放って二者が生還した。
4回は一死から梅田が左中間三塁打を放つと、加峰は申告敬遠で一、三塁。続く3番松田の投前スクイズがフィルダースチョイスとなってまず1点。家永四球で一死満塁とし、5番権藤のセカンド強襲安打で2点目。さらに塩地の遊ゴロの間に三塁走者が生還して1点を加えると、二死二、三塁から穴井が詰まりながら中前に運んで2点を追加、この回5点を挙げて突き放した。

東福岡は初回、中園が四球を選ぶと、けん制悪送球で二進し、眞弓の犠打で一死三塁の先制機を迎えたが、後続が凡退。2点を追う3回も四球で出た8番高山を富永が送り一死二塁としたが、続く中園の投ゴロで二塁走者が飛び出し二・三塁間で挟殺され、二塁を狙った打者走者も二塁で刺されて併殺。6回は一死から中園が死球、眞弓のチーム初安打となる右前打で一死一、二塁としたが決定打を欠いて得点できなかった。

柳川の先発加峰はカーブやチェンジアップなど緩い球を効果的に使って東福岡打線につけ入る隙を与えず、1安打に抑えて完封した。

第150回九州地区高校野球福岡大会2回戦 (2022年3月21日・日/桧原運動公園野球場)
       一二三四五六七八九   計HE
  東福岡  0000000   011

  柳 川  020500x   791
 東福岡   打安点  柳 川   打安点 ◆投手成績
(右)中 園 100 (中)梅 田 422 東福岡 回 安球振責
(捕)眞 弓 210 (投)加 峰 320 高山  6 9477
(三)藤 岡 300 (捕)松 田 411 
(一)中 村 300 (左)家 永 200 柳 川 回 安球振責

(左)鶴 田 300 (一)権 藤 411 加峰  7 1430
(二)近 藤 300 (三)塩 地 200 
(中)日 高 200 (遊)穴 井 322 試合時間
(投)高 山 100 (二)古 賀 310 09:02~10:31
(遊)富 永 100 (右)梶 原 300 
振球犠盗残  打安点  振球犠盗残 打安点
34204  1910   7400  2897
※公式記録ではありません

—————-

柳川の先発加峰は昨秋は背番号9だったが、今春はエースナンバーをつけての登板となった。立ち上がりこそやや制球に苦しんだが、2回以降は大きなカーブを中心にチェンジアップ、スライダー、さらに超スローカーブなど緩い球を効果的に用いて東福岡打線を封じた。昨秋準々決勝の自由ケ丘戦では雨中の試合ということもあってか、ストライクとボールがはっきりしていたが、この日は変化球を中心に低め集め、引っかけさせて内野ゴロや凡飛で打ちとった。

柳川・加峰

東福岡は2年生の高山が先発。直球に力があり、鋭く落ちるスライダーが武器の右腕だ。初回は味方の失策や打ち取った当たりが内野安打となる不運もあり、いきなり無死満塁のピンチを背負ったが、ここから三者連続三振。いずれもスライダーで空振り三振を奪う圧巻の投球だった。2回は外角を狙ったスライダーがやや高く、左打者の梅田に痛打されたが、この回も2三振を奪う。この試合7つの三振を奪ったが、このうち6人が右打者。外角低めに落ちるスライダーは右打者にとってかなりの脅威になりそう。9安打で7点を失ったが、詰まらせた当たりのヒットや味方のまずいプレーもあり、数字ほど悪い内容ではなかった。5回6回は三人ずつで退け、しり上がりに調子を上げてきたところで、試合が終わった印象。高めに浮く直球も目立つなど課題も多いが、まだ2年生。これからの成長が楽しみだ。

東福岡・高山

東福岡としては守備が乱れたのが痛かった。2回先頭の穴井の投手グラブをはじく打球をセカンドがバックアップしたが、一塁送球が乱れ、結果的にこの走者が先制のホームを踏むことになった。4回は一死一、三塁で投手前スクイズを高山が本塁にグラブトス。タイミングは完全にアウトだったが捕手の捕球が十分でなかったか、タッチに行こうとしてミットからボールがこぼれてしまった。さらに一死満塁のピンチで、権藤の強烈な打球をセカンドがはじく。本塁は無理としても一塁はアウトにできるタイミングだったが、再び送球がそれて打者も生かしてしまい、その後の追加点を呼び込む形となった。

柳川は1番打者の梅田がチームをけん引した。2回は外角のスライダーを逆らわずに強く叩き、左翼線への先制二塁打。4回は左中間を破る三塁打で大量得点の口火を切った。5回の左翼線を襲う当たりはレフト鶴田の好守に阻まれたが、よくバットが振れていた。
チームで放った9安打の中には幸運な内野安打や詰まった当たりのヒットもあり、相手の拙守にも助けられたところもあったが、好機を着実にものにした。無死一塁でも簡単に送らず、2回に古賀が見せたようなバスターなども随所で駆使してくる攻撃型のチームだ。

東福岡打線は加峰の前にわずか1安打。カーブを待ちきれずに引っかけた内野ゴロや、タイミングを崩されての外野への凡飛が目立った。ミスの多かった守備とあわせて、打線強化も夏に向けての課題になってきそう。この日は大差をつけられた中盤以降も選手交代が全くなかった。この日の先発メンバーに代わる力を持った選手がいないということであるなら、チーム全体としての底上げも急務となりそうだ。

 

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