九国大付がクラーク国際に延長サヨナラ勝ちで初戦突破~センバツ




雨のため順延となっていた第94回選抜高校野球大会が19日(土)に開幕しました。九州地区代表の九州国際大付は第三試合でクラーク記念国際(北海道)との初戦にのぞみ、延長10回3-2でサヨナラ勝ちを納め2回戦進出を決めました。チームとしては準優勝した2011年以来11年ぶり、福岡県勢としては前年の福岡大大濠(ベスト8)に続くセンバツでの勝利となりました。2回戦は大会第6日の第三試合、順調にいけば24日(木)に広陵(広島)―敦賀気比(福井)の勝者と対戦します。

【試合経過】—————————-
昨秋の明治神宮大会1回戦の再戦となった試合は、九州国際大付が苦しみながらも延長戦の末に勝利を納めた。

2-2で迎えた10回裏、九州国際大付は一死から2番中上がレフト右へのヒットで出塁すると、次打者の小田原の時にヒットエンドランが決まり(右前打)一死一、三塁。ここで4番佐倉がレフト左に犠牲フライを打ち上げ、中上がサヨナラのホームを踏んだ。

1点を先制された九州国際大付は2回一死後、6番隠塚、7番白井が連続四球で一死一、二塁とし、ここで救援登板した辻田から8番香西が左前打を放ち満塁。尾崎は三振に倒れたが、1番黒田がセカンド右への内野安打を放って同点。続く中上の中前打で逆転に成功した。

クラーク国際は初回一死後、小野が右前打で出ると藤野が送って二死二塁。ここで4番山中が中越え二塁打を放って先制した。逆転された直後の3回は9番新岡真が右前打、金原が送った後、2番小野の右前打で一死一、三塁とし、藤野の三ゴロが5-4-3の併殺崩れとなる間に新岡真が生還して追いついた。

しかし4回以降は九州国際大付・香西の緩い変化球を打たされ、内野ゴロの山を築くなど一人の走者も出せず、好投を続ける辻田を援護できなかった。

第94回選抜高校野球大会1回戦 (2022年3月19日・土/阪神甲子園球場)
       一二三四五六七八九十計HE
クラーク 1010000000240
九国大付 0200000001370
 クラーク  打安点  九国大付  打安点 ◆投手成績
(右)金 原 300 (中)黒 田 411 クラー 回 安球振失
(二)小 野 420 (右)中 上 431 山 中 1.1 0312
(左)藤 野 301 (左)小田原 520 辻 田 8.1 7111
(投一)山中 411 (一)佐 倉 401 

(遊)新岡歩 400 (捕)野 田 400 九国付 回 安球振失
(一投)辻田 400 (二)隠 塚 300 香 西 10 4032
(捕)麻 原 400 (三)白 井 300 
(三)越 智 300 (投)香 西 410 試合時間
(中)新岡真 310 (遊)尾 崎 300 1時間53分
振球犠盗残  打安点  振球犠盗残 打安点
30202  3241  124218 3473

—————-
九州国際大付のエース香西が、クラーク国際・辻田に投げ勝って初戦を突破した。

立ち上がりの香西は高めに入った直球をクラーク国際打線に叩かれた。小野には変化球で追い込みながらも直球を右前に運ばれ、山中にも真ん中高めに入った直球をセンター後方に運ばれて先制を許す。3回も9番新岡真に高めに浮いた直球を右前に運ばれたのを機に、併殺崩れで同点に追い付かれた。
それでも4回以降は立ち直り、100キロ前後のカーブにスライダーと、変化球を低めのコーナーいっぱいに集めて好投。直球狙いのクラーク国際打線を翻弄し、1人の走者も出さない抜群の投球を見せた。

九州国際大付は2回、2つの四球で一、二塁とすると、クラーク国際は早くも先発左腕の山中を諦めて右本格派の辻田にスイッチ。好打者の香西がサード右を痛烈に破って満塁としたあと、尾崎は三振、黒田もセカンド右へのゴロでチャンスを逃したかに見えたが、打球に反応したファーストが一塁に戻るのが遅れる幸運な内野安打となり同点。続く中上は外角の難しい球を投手足元にはじき返して勝ち越し、これで勢いに乗るかに思われた。しかし3回以降は辻中の140キロ近い直球とスライダーのコンビネーションに苦しめられた。3~9回は2安打1四球で3人の走者を出しただけで9三振を奪われ、8回一死二塁の好機も決定打を欠いた。

それでも凌ぎ合いとなれば、打線で上回る九州国際大付に分があった。10回中上がこの日3本目の安打をレフト右に落とすと、ここで九州国際大付ベンチはエンドランを敢行、この采配がズバリ的中する。小田原が外角球を逆らわずに右前にはじき返し、スタートを切っていた中上が一気に三塁を陥れ、サヨナラの舞台を整えた。佐倉は左翼線に切れていく浅いフライだったが、中上が思い切ってスタートを切り、サヨナラのホームを踏んだ。中上はこの日3安打1打点の大活躍、その勢いが最後の思い切りのよい走塁にもつながった。

強打が注目される九州国際大付だが、4強入りした明治神宮大会の1回戦、準々決勝とも失点は1点ずつ。いずれも堅守でものにしている。全国レベルの投手相手となれば簡単に打てるものではないが、それでも勝ち上がってこられたのは、香西の安定感と堅守があるからだ。この日もショート尾崎は6つのゴロを確実に処理。サード白井も5つのゴロを落ち着いてさばいた。広陵と敦賀気比の勝者と対戦する2回戦が大きな山場となりそうだが、黒田、佐倉、野田ら中軸が復調してくれば上位進出への期待も膨らむ。

 

 

Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*