九国大付が準決勝進出、大阪桐蔭と激突へ~明治神宮大会




第52回明治神宮野球大会は22日(月)に大会3日目が行われ、九州地区代表の九州国際大付は日大三島(静岡・東海地区代表)を2-1で下し、準決勝に進出しました。全国10地区の代表が出場する形となった第30回大会(1999年)以降、福岡県勢が準決勝に進出するのは2018年の筑陽学園以来3校目。2勝以上あげたのは第31回大会(2000年)の東福岡以来、21年ぶりとなりました。23日(火)の準決勝では大阪桐蔭(大阪・関西地区代表)と対戦します。

【試合経過】
九州国際大付が先発香西の力投で日大三島の追撃をかわし、投手戦を制した。

九州国際大付は2回、4番佐倉が二塁強襲安打で出塁。野田中飛のあと、白井の右前打、小田原の左前打で一死満塁とし、8番香西の右犠飛で1点を先制した。同点に追い付かれた3回は二死から3番大島が左越え本塁打を放って勝ち越し、これが決勝点となった。4回以降は黒田の2安打のみに封じられたが香西がピンチを背負いながらも決定打を許さず、1点差を守り切った。

初回、2回と得点圏に走者を進めながら得点できなかった日大三島は3回、9番野田が左前打で出ると、続く京井が左中間二塁打を放って無死二、三塁。寺﨑三振のあと3番池口の左犠飛で同点に追い付いた。6~9回も毎回のように先頭打者を出し、全て犠打を成功させて一死二塁の形を四度つくったが、あと一本が出ず、本塁が遠かった。

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九州国際大付は今秋初めて経験する投手戦となったが、左腕エースの香西が走者を許しながらも要所を締める好投を見せて、神宮で2勝目を挙げた。

試合開始直後の初球(カーブ)が死球となるなど、直球・変化球がポンポンと決まっていた初戦に比べ、この日の香西は立ち上がりから微妙な制球に苦しんだ。直球でストライクがなかなかとれず3回はスライダーを連打されて、犠飛で追いつかれた。4~5回は三者凡退に抑えて立ち直ったかに見えたが、6~9回は先頭打者の出塁を許すと(7回は四球、その他は安打)、バントで二塁に進められ一死二塁の同点機を四度つくられた。

しかしここからが粘り強かった。6回は4番松永をフルカウントから内角直球で見逃し三振。8回も一死二塁で3、4番を迎えたがスライダーを低めに集めて決定打を許さなかった。9回は一死二塁で迎えた右の代打・島田を追い込むと、最後は外角低めのきわどいところにスライダーを投げ込み、空振り三振に打ち取った。

7回に今大会初めてとなるストレートの四球を出すなど初戦ほどの出来はなかったが、4回以降は低めへのスライダーに加えて、高めへの釣り球も効果的で7つの三振を奪った。

3回裏九国大付二死、大島が左越えに決勝本塁打を放つ

日大三島の右腕・松永は130キロ前半の直球を見せ球に、110キロ台の手元で落ちる変化球を軸に打たせて取る投球を見せた。
九州国際大付打線は2回、佐倉の痛烈なセカンド正面のゴロがグラブを弾く強襲安打となり出塁。一死後、白井は外角球をセカンド頭上にあわせ、小田原も甘く入ってきた直球を叩いて左前打。香西が低めの変化球をライトに打ち上げて先制。3回は大島が真ん中高めに浮いた変化球を逃さず左翼席に打ち込んだ。

しかし4回以降、松永の手元で動く変化球に苦しんだ。3回まで散見された甘く入る球もほとんどなくなり、低めの変化球に凡打を重ね、出した走者は安打で二度出た黒田だけ。それでも三回までに失投を逃さず得点を奪ったことが、勝利につながった。4回以降は両投手とも失投がほとんどなく、見応えのある投手戦となった。

守備ではこの日もショート尾崎の安定した守備が目に留まった。二回二死二塁で三遊間深いところに飛んだ高いバウンドのゴロをつかむと、ノーステップで一塁へ矢のようなストライク送球。難しい打球処理だったが、苦もなくさばくプレーは見ていて惚れ惚れとする。8回一死二塁でもサード後方、左翼線に上がった飛球を快足を飛ばして向こう向きで抑えるなど、守備範囲の広さも示した。個人的な感想を言えば、少なくとも観戦記を書き始めた2014年以降では最高のショートだ。センター黒田も守備範囲が広く、強打の陰に隠れる形になっているが守備も相当堅い。

次戦は高校野球界の最高峰・大阪桐蔭。九州国際大付にとっては実力を測る意味で、願ってもない相手となった。九州国際大付の強力打線が、敦賀気比戦で6イニングス10三振を奪った1年生左腕の前田投手をどう攻略していくか。先発が予想される140キロ右腕の野田が、大阪桐蔭打線をどこまで抑えられるか。来春のセンバツを占う上でも注目の一戦となりそうだ。

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