【観戦記】自由ケ丘17-7柳川(秋季大会準々決勝)




【自由ケ丘17-7柳川(秋季大会準々決勝)】

2回表自由ケ丘一死満塁、冬木が右中間に2点適時打を放つ

試合途中から断続的な降雨に見舞われ厳しいグラウンドコンディションの中で行われた一戦は、合計21四死球が出る乱戦となったが、13安打に14四死球をからめた自由ケ丘が6回コールド勝ちを収めた。

自由ケ丘は初回一死後、梶原が四球で出ると中村の一ゴロ失で一、二塁。冬木二飛のあと5番吉村の左前打で先制した。2回は右前打で出た7番平塚を斉藤が送り、末吉、前里の連続死球で一死満塁とし梶原の中前打でまず1点。続く中村の遊ゴロで二塁封殺を狙った送球が乱れ末吉が生還。一死満塁から冬木の右中間安打で2者が還り、一死一、三塁から吉村のスクイズでこの回5点を奪った。
3回も中前打の平塚を斉藤が送り、末吉死球で一死一、二塁とし1番前里の左前打で平塚が生還。梶原四球で一死満塁から中村の中前打で2点目。冬木は遊飛に倒れたが吉村が走者一掃となる左中間二塁打を放ち、さらに5点を加えた。
4回はこの回から登板した2番手・野副を攻め、二死から末吉四球、前里右前打、梶原も投手強襲安打で満塁とし、中村の時に暴投で末吉が生還。中村四球のあと、冬木が押し出し四球を選び、11-1とリードを大きく広げた。

6点差に迫られた6回には、5番手松尾から梶原が四球を選び中村が送って一死二塁。冬木中前打、吉村四球で一死満塁とし、代打麻上の時に捕逸で梶原がホームイン。麻上四球で再び一死満塁とし平塚が押し出し四球で2点目。再びマウンドにのぼった加峰から斉藤も押し出しの四球を選び、末吉三振のあと、前里の左前打でこの回4点を挙げてコールド勝ちを決めた。

柳川は3回、8番川上が三塁前バント安打で出ると村上四球で無死一、二塁。梅田遊飛のあと加峰も四球を選び一死満塁から、松田の一ゴロの間に川上が生還して1点を返した。1-13で迎えた4回は5番家永左前打、代打有田三振のあと、田中陽が四球、川上が中前打でつないで一死満塁とし、9番村上が押し出し四球でまず1点。続く梅田がライト左に2点打を放ち、なおも一死一、三塁から加峰は浅い中飛に倒れたが、松田の左前打で村上が還ってこの回4点を奪った。

5回は二死から7番田中陽、8番川上と連続死球で一、二塁。9番村上の時に暴投で二、三塁とし、村上がライト左に安打を放って2点を返し、6点差まで迫った。しかし直後の6回に投手陣が崩れて4点を失い、コールド負けを喫した。

第149回九州地区高校野球福岡大会準々決勝 (2021年10月16日・土/北九州市民球場)
       一二三四五六七八九   計HE
 自由丘 155204    17130

 柳 川 001420    07072(6回コールド)
 自由ケ丘  打安点  柳  川  打安点 ◆投手成績
(中)前 里 532 (中)梅 田 412 自由丘 回 安球振失
(二)梶 原 321 (投右投)加峰310 斉藤  5 7667
(遊)中 村 311 (捕)松 田 312 福島  1 0100
(右)冬 木 423 (一)権 藤 400 

(一)吉 村 325 (左)家 永 410 柳 川 回 安球振失
(左)長 村 300 (右)塩 地 100 加峰  3 8512
 打左 西  100  投 野 副 000 野副  0.2 2322
 打 麻 上 000  投 田中大 000 田中大 0.1 0000
 投 福 島 000  打 有 田 100 在郷  1 1100
(三)平 塚 421  投 在 郷 000 松尾  0.1 1404
(投左)斉藤 211  打 古 賀 100 加峰  0.2 1100
(捕)末 吉 100  投 松 尾 000
———————————(三)田中陽 100 試合時間
—————————— (二)川 上 220 9:46~12:20
—————————— (遊)村 上 113       

振球犠盗残  打安点  振球犠盗残 打安点
144011  291314   67017 2577
※公式記録ではありません

—————-

自由ケ丘の先発斉藤

自由ケ丘の先発は今夏も主戦投手として活躍した斉藤。この日は130キロ台(この日最速135キロ)の直球を内外角に決め、ブレーキの利いた縦のスライダー、100キロ台のカーブを交えてテンポよい投球を見せた。2回までに5つの三振を奪い、うち4つが縦に落ちるスライダーで、これがウイニングショットとなった。

雨脚が強くなった3回は直球が高めに抜けるようになり、2つの四球を与えて内野ゴロで失点。足元がぬかるみ出した4回も2つの四球にタイムリー2本を浴びて4点を失った。5回も2つの死球と捕逸でピンチを招き、村上に2点打を許した。ただ、4回以降の失点は、踏み出した左足が踏ん張れず球威を抑えてストライクをとりにいった球を打たれたもので、参考外としてよさそうだ。

2番手の福島は長身の右腕。110キロ台後半の直球に100キロ台のカーブを交えての投球。四球を一つ与えたが無失点に抑えた。

打線は13安打で17点。14四死球に2つの内野失策も絡めて大量得点につなげた。13安打のうち長打は2本だけだったが、甘く入ってきた球を逃さずに上から叩き、鋭くはじき返した。特に上位打線はよく振れており、1~5番で10安打12打点を叩き出した。4つの送りバントもしっかりと決め、大量点にも攻撃の手を緩めることはなかった。

自由ケ丘・福島

柳川は5人の投手が登板した。先発は背番号9の左腕・加峰。120キロ台後半(この日最速131キロ)にスライダ―、カーブを交えての投球だったが、制球に苦しんだ。ボールとストライクがはっきりしており、四死球で走者をため、ストライクを取りにいった甘い球を叩かれた。
4回からはエースナンバーを付けた野副が登板。120キロ前後の直球に100キロ台のスライダーを使って二者連続三振と上々の立ち上がりだったが、そこから3つの四球と2安打を許して降板。救援した田中(大)は右サイドハンド。一度打者に背中を見せる独特の投球フォームから、100キロ台のスライダーを投げてくる。

柳川先発の加峰

4番手の左腕在郷は直球は110キロ台半ばだが、90キロ台のカーブを使いながら緩急をつけた投球で1回を無得点に抑えた。5番手の松尾は120キロ台後半の直球に力があったが、やはり制球が定まらなかった。いずれの投手も足もとが悪い中での登板だったことは差し引く必要があるが、全体的に制球力に課題を残した。

打線は3回まで斉藤の前に2安打に抑えられてきたが、4回は雨も味方につけて満塁の好機をつくると、カウントを整えに来た球を梅田、松田が叩いて追撃を見せた。5回も死球の走者を2人置いて9番村上がカーブを右前に運ぶなど、ここまで4試合で35点を挙げた強打の片鱗は示した。

柳川・松尾

4回裏以降はマウンド、バッターボックスがかなりぬかるんだ状態となり、斉藤は投球直後に一度転倒。打者も一塁に走り出す時に滑って転倒するケースが二度見られるなど、かなり厳しいコンディションの中で試合は続けられた。一球一球ボールを替えなければならない状況で試合を一時中断してもおかしくない天候だったが、3回までに11-1という大差のついたことで、試合成立を急いだようにも見えた。途中10分間ほど中断してマウンドとバッターボックスに土を入れて急場をしのぎ、雨脚が若干弱まったこともあって何とか試合は成立したが、特に投手にとっては酷なコンディションだった。

Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*