【観戦記】飯塚10-3九州国際大付(選手権大会準々決勝)




【観戦記】飯塚10-3九州国際大付(選手権大会準々決勝)

▼準々決勝(23日・久留米)
飯  塚 201 021 301=10
九国大付 200 010 000=3
【飯】白浜【九】山本→内山→香西→柳川→浜野

5回表飯塚一死一、二塁、日比野が左前打を放ち5点目

飯塚が九州国際大付の好投手・山本を攻略、その後も攻撃の手を緩めず、16安打で10点を奪って快勝した。

飯塚は初回、月成が振り逃げで出塁すると一死後、中山の右翼線二塁打で二、三塁。芳賀の三ゴロで月成は本塁憤死したが、5番松尾がセンター前に落とし中山が生還。なおも二死一、三塁から日比野の右前打でこの回2点を先制した。
3回は2番平田が右前打で出ると中山三振のあと、連続四球で一死満塁とし、日比野の遊ゴロ併殺崩れの間に平田が生還。5回は右翼線二塁打で出た平田を中山が送り、芳賀の左前打でまず1点。続く松尾の右前打で二死一、二塁とし、日比野の左前打でさらに1点を加えた。

1回裏九国大付一死一、三塁、黒田が中前適時打を放つ

2点差に迫られた6回は、2番手内山から9番白浜が右翼線に落ちる三塁打で出塁。月成ニゴロのあと、平田がこの日3本目となる安打を右前に運び再び、3点差とした。
続く7回にも四球で出た芳賀を松尾が送り、ここで登板した香西から日比野の中前打でまず1点。藤田三ゴロで二死二塁とすると、奈木野の中前打で藤田も還り、さらに白浜の中越え二塁打で、この回3点を追加した。
9回は5番手の浜野から7番藤田が四球を選び、奈木野の送りバント、白浜の左前打で一、三塁とし、月成の右犠飛でダメ押しの1点を奪った。

九州国際大付は初回、中前打の坂木を中上が送り、野田の左前打で一死一、三塁。4番黒田の中前打で坂木が生還すると、なおも一死一、三塁から木村の遊ゴロ併殺崩れの間に野田も還って同点に追い付いた。3点を追う5回は右前打の坂木を内山が送り、野田の左前打で1点を返した。
6点差となった8回には一死から野田の三塁内野安打、黒田の右前打、木村四球で一死満塁としたが後続が凡退。6回以降、飯塚の白浜から得点を奪えず追撃できなかった。

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九国大付・山本

飯塚が、大会屈指との呼び声高い山本に8安打を浴びせて5回途中でKO。九州国際大付の繰り出す5人の投手から16安打を放って打ち勝った。

山本は立ち上がり、140キロ前後(この日最速143キロ)の直球と130キロ前後のカットボールを主体とした投球を見せたが、いずれも精度を欠いた。初回の2失点は振り逃げで先頭打者を出し、松尾の先制打も打ち取った当たりがセンター前に落ちるなどの不運もあったが、ボール先行の投球となり、カットボールも見極められ、ファールで粘られる場面も多く、初回だけで32球を投じる苦しいマウンドとなった。3回はヒットに2つの四球が絡み、併殺崩れでさらに1点を失う。
3回あたりからスライダーを多用して立て直しを図るが、5回は直球を狙われ、犠打を挟んで4連打を浴びる。2-5となり、二死をとったところで降板を余儀なくされた。

5回裏に九州国際大付も1点を返すが、2番手以下の投手も飯塚打線の勢いを止められない。6回は内山が2本の長短打で1点を失うと、7回は3番手の香西が長打を含む3安打を浴びて3点を失い3-9。中盤以降は、飯塚打線の強打ばかりが目立つ展開となった。

飯塚・白浜

初回2点の援護をもらった白浜も初回、いきなり坂木にスライダーを中前に運ばれると、野田、黒田に直球を連打されて1点を失い、木村の併殺崩れでわずか13球で同点に追い付かれる。
ただ、その後のピンチをしのぐと、2回以降は140キロ前後の直球(この日最速143キロ)にスライダー、カーブを使いながら徐々に自分の間合いで投げられるようになり、3回はクリーンナップを3者連続三振に打ち取って流れを引き寄せた。

5回は2本のヒットを許して1点を失ったものの、味方の好守にも支えられて6回7回と三者凡退。流れを渡さなかった。7回は一時、足がつったようで、水分を補給したあと続投。8回一死満塁のピンチを迎えると、飯塚ベンチは交代のタイミングを探っていたようだったが、徳永を三飛、代打・佐倉を内角球で詰まらせて一ゴロに仕留め、そのまま完投した。
10安打は浴びたが、与えた四球はわずか1つ。無駄な走者を出さず、失点を最小限で抑えたことも大きかった。

九国大付・柳川

山本との二枚看板として期待された柳川は、4番手として8回一死一塁から登板。3-9と点差が開いてからの登板は、本調子ではないことをうかがわせた。打者3人に四球、三振、中飛という内容で無失点で切り抜けたが、ボールが先行し、直球の最速は138キロにとどまった。その裏の打席で代打を送られ、不完全燃焼の夏を終えた。

飯塚は2番平田の4安打をはじめ、6番日比野も3安打を放つなど、2~6番で11安打と打ちまくった。その大半が芯で捕らえたクリーンヒットで、山本の140キロ超の直球、130キロ台のカットボールを粉砕した。

2018年の北福岡大会でも強力打線を看板に準優勝したが、当時のチームは投手陣に大黒柱が不在で継投でしのいできた。今回は白浜という大型右腕を据えて、2012年以来の頂点を射程に捕らえた。

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