【観戦記】筑陽学園9-1小倉東(選手権大会4回戦)




【観戦記】筑陽学園9-1小倉東(選手権大会4回戦)

▼4回戦(17日・北九州市民)
筑陽学園 004 210 2=9
小倉東  000 100 0=1
(7回コールド)
【筑】村田【小】小土井→大石

4回表筑陽学園一死二塁、大内がレフト左に適時打を放つ

雨が降る中で行われた一戦は、3回以降に打線が爆発した筑陽学園が小倉東・小土井を攻略、投げてはエース村田が3安打1失点に抑える好投を見せ、7回コールドで快勝した。

2回二死二、三塁の先制機を逃した筑陽学園は3回一死後、1番大内が中前打で出ると、網治も三遊間を破って一死一、二塁。さらに向井が中前打で満塁とすると増田が押し出しとなる死球を受けて先制。5番野田の時に暴投でさらに1点を追加。なおも一死二、三塁から野田の中犠飛で1点を加え、6番春山の右中間三塁打で増田も還り、この回4点をあげた。

4回は8番楠がレフト前に落として出ると、村田の犠打で一死二塁とし、大内のレフト左へヒットでまず1点。網治が送り二死二塁から、向井の右前打で大内が生還し、この回2点を追加した。
5回は左翼線二塁打で出た6番春山を小野原が送り、楠のスクイズで加点。7回は春山の遊ゴロで一塁手が送球を落球し出塁。小野原が送って一死二塁から楠の右前打で春山が生還。ここで登板した小倉東の2番手大石から村田、大内がいずれも四球を選んで一死満塁とし、網治の左犠で楠が還って、ダメ押しの2点を加えた。

3回まで1安打の小倉東は4回二死後、5番小土井が中前打で出塁。続く松尾も右翼線に落として二死一、三塁とし、打者岩元の時に暴投で三塁から小土井が還って1点を返した。しかし5回以降は村田の前に走者を出せず、反撃できなかった。

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筑陽学園・村田

小倉東の先発・小土井は立ち上がりは快調だった。120キロ台前半ながらキレのある直球、100キロ前後のカーブを低めに集めて、初回三者凡退。2回も中前に落ちるポテンヒットなどで走者を二、三塁に背負ったが、楠を外角直球で三振に打ち取った。

だが3回、2巡目を迎えた筑陽学園打線が小土井に襲い掛かる。一死から大内がカーブをセカンド後方に落とすと、網治は直球を三遊間に運び、3番向井もセンター前に運んで一死満塁。三連打を浴び、厳しく攻めようとして力が入ったか、増田に死球を与え先制点を許すと、野田の時にカーブが暴投となって2点目。2点が入り筑陽学園の打者も硬さがとれたか、野田は豪快にセンター左まで飛ばす犠牲フライ、春山は右中間に鋭くはじき返して4点を奪う。
2巡目に入ってからは各打者が直球、カーブのいずれかに的を絞り、それを強振していった感じで、痛烈な打球が右に左に飛んだ。

投手の9番村田を除く全員安打と好調な打線の中で目に留まったのが3番の向井。小柄ながら力強いスイングで、大きな当たりが打てる打者だ。背番号14だった春の福岡地区大会は九産大九州の好投手・古川からも本塁打を放っている。今大会は背番号5をつけ、名実ともに主軸打者。3回戦(南筑戦)でも一発を放っており、今後も注目したい打者の一人だ。

小倉東・小土井

12安打を放った筑陽学園だが、4回以降は走者が出るとバントで確実に送って得点圏に進め、じっくり攻撃してきた。4回は安打、犠打、タイムリー、犠打、タイムリーと、犠打で二塁に走者を送った後に、タイムリーが2本続いた。5回は二塁打で出た春山をバントで三塁に送りスクイズ。7回も敵失で出た走者を犠打で送り、タイムリーを呼ぶなど、バントがことごとく得点に結びついた。

先発のエース村田は右打者が8人並ぶ小倉東打線に対し、120キロ台後半(この日最速130キロ)の直球と、スライダーを外角低めを中心に集めて好投。制球が安定しており四球はゼロ、スリーボールにすることさえなかった。4回に2本のヒットと自らの暴投で1点は与えたが、5~7回は一人の走者も許さず78球で7回を投げ終えた。

小倉東打線は村田の直球、そしてスライダーに翻弄された。3回に井元が、5回に小土井が、いずれも村田の直球をセンター前にはじき返したのが、わずかに響かせた快音だった。

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