【観戦記】自由ケ丘10-4光陵(選手権大会3回戦)




【観戦記】自由ケ丘10-4光陵(選手権大会3回戦)

▼3回戦(13日・北九州)   R HE
自由ケ丘 202 203 001=10130
光  陵 000 103 000=  497
【自】斎藤(4)→蔵本(1.2/3)→南(3.1/3)【光】永山(9)
〈本〉朝倉(光)〈三〉三浦(自)〈二〉冬木、山本(自)上村(光)

6回表自由ケ丘二死一、二塁、三浦が左中間二塁打を放つ

相手守備の乱れに乗じ得点を重ねた自由ケ丘が、3投手の継投で光陵の反撃を封じ逃げ切った。

自由ケ丘は初回先頭の田村が右前打で出ると、中村の時にヒットエンドランが決まり(右前打)無死一、三塁。山本は投ゴロに倒れたが、4番冬木が右中間を破る二塁打を放ち2点を先制した。
3回は3番山本がニゴロ失で出塁し、冬木四球と三浦の送りバントで一死二、三塁と好機を広げ、6番前里の中前打で2者を迎え入れた。4回にも左前打で出た8番斎藤を送り、1番田村の左前打で斎藤が生還。なおも一死一塁から投手の牽制悪送球で二進すると、2番中村の右前打で田村が還り、この回2点を追加した。

6回裏光陵二死満塁、永山が左前打を放ち2点を返す

 

6回には二死から中村の右前打と山本の四球で一、二塁とし、冬木の中堅へのライナーをセンターが落球し、まず1点。さらに二死一、二塁から5番三浦が左中間を破る三塁打を放って2者が生還、この回3点を奪ってリードを広げた。9回は9番梶原の中前打と田村の四球で無死一、二塁。中村遊直のあと、山本の右前打で梶原が生還して勝負を決めた。

光陵は4回二死から朝倉が左翼フェンス上段に当たる長打を放ち、跳ね返った打球が左中間を転々とする間に一挙にホームを突いて1点を返した。
6回には前の回から登板した2番手の蔵本を攻め、一死から2番小柳が右前打、上村(大)も右中間二塁打で続き、一死二、三塁。花田四球で満塁とし、朝倉一邪飛のあと、6番永山の左前打で2人が生還。7番日隈も左前打で花田が還って、この回3点を返した。
8回にも花田の左翼線二塁打と2つの四死球などで一死満塁としたが、後続が凡退。9回も二死一、二塁と粘ったがあと一打が出ず、力尽きた。

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自由ケ丘・斎藤

自由ケ丘の初回の攻撃は鮮やかだった。先頭の田村がやや詰まりながらも直球を右前に運ぶと、中村はフルカウントからエンドランを決めて一、三塁。4番冬木は右中間を深々と破るタイムリーで先制点を奪う。光陵の先発永山は立ち上がり全体的に球が高かったが、そこを逃さなかった。

ただ、2回の永山は大きなカーブも交えてカウントを整え、直球も低めに集まり始めた。一死から遊ゴロ失で出塁を許したが二盗を捕手の上村が刺して三人で退け、その裏には得点にはつながらなかったものの、二死二、三塁と攻め立て、徐々に流れは光陵にも傾き始めた。

それだけに光陵としては、3回以降の守備の乱れが痛かった。先頭の山本のファールフライをサードが追い付きながら落球。それでも永山は山本をニゴロに打ち取ったが、今度はセカンドがファンブル。当たりが弱く、左打者だっただけに送球を焦ってしまったか。そこから四球、犠打で二、三塁とされ前里に前進守備のセカンド左を破られて2点を失う。
4回は1点を失ったあと、永山の一塁けん制が乱れて二進を許し、中村に右前に運ばれて2点目。6回は二死一、二塁で冬木の当たりは中堅正面へのライナー。センターが捕球したと思われたが、これを落球。強烈な打球だっただけにスピンがかかっていたのかもしれないが、二塁走者の生還を許し、直後に三浦に二塁打を浴びてさらに2点を失った。

光陵・永山

ミスからの失点が続き、自ら流れを手放した形となった光陵だったが、それでも食らいつく。1-9の6回、2番手の蔵本から連打と四球で満塁とし、永山がショート頭上を抜く2点タイムリー。日隈も左前打で3点を返す。5点を追う8回は3番手の南から上村が中前打、花田も三塁線を破ると三塁を狙った上村は刺されたが、連続四死球で一死満塁と迫る。日隈が一邪飛に倒れた後、高倉はフルカウントまで粘り、最後は芯で捕えたがレフト正面へのライナー。あと一歩及ばなかったものの最後まで追撃の手を緩めず、球場を沸かせた。

自由ケ丘の先発は背番号10の2年生・斎藤。右上手からの直球に小さく変化するスライダー、カーブを低めに集めて好投。制球も安定しており四球はゼロ。4回を投げて、朝倉のランニングホームランの1点に抑えた。
2番手の蔵本は右サイドハンド。5回は三人で片づけたが、6回は甘く入ったところを狙われ、4安打を浴びて3点を失ったところで降板。ここでエースナンバーを付けた長身の右腕・南が登板。6回のピンチをしのぐと、7回は緩いカーブ、チェンジアップをうまく織り交ぜながら打たせてとり三者凡退。8回9回は得点圏に走者を背負ったが、何とか踏んばった。

自由ケ丘・南

守備が乱れた光陵とは対照的に、自由ケ丘の守りは堅かった。三遊間の深いところから一塁で刺し、動きのよさと送球の正確さを見せたショート中村。ライト前に落ちようかという飛球をよく追いついたセカンド梶原。8回一死満塁で、一塁側ベンチ前に上がったファールフライに頭から飛びこんで、見事にキャッチしたファースト三浦。いずれも投手を盛り立てる大きなプレーだった。
打線は1番田村、2番中村が猛打賞。2年生ながら4番に座る冬木は迫力あるスイングで鋭い当たりを飛ばした。

光陵の永山は13安打を許したものの、伸びのある直球に多彩な変化球を交え小気味よい投球を見せた。自らのけん制悪送球を除いて味方に6つの失策が出てリズムに乗れなかったが、腐ることなく最後まで投げ抜いた。
打線も6回、8回に見せた後ろへつないでいく攻撃は見事で、粘り強い戦いぶりは、最後まで点差を感じさせない緊迫感を与えた。同校も、スタメンのうち中軸3人を含めた6人が2年生という若いチーム。守りをもう一度鍛え直し、新チームでの活躍を期待したい。

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