【観戦記】小倉工2-0東筑(北九州市長杯準々決勝)




【小倉工2-0東筑(北九州市長杯準々決勝)】

2回表小倉工一死二、三塁、高内がスクイズを決めて先制店をあげる

 数少ないチャンスを生かした小倉工が、先発・笠継の粘り強い投球と堅守で得点を許さず、東筑に完封勝ちした。

 小倉工は2回、先頭の4番笹田が中前打で出ると、続く松下のバスターはセンター前に落ちるヒットとなり、笹田が一気に三塁を陥れ松下も三塁への送球間に二進。無死二、三塁から柴田は三振に倒れたが、高内がスクイズを決めて笹田が生還、さらに打球を処理したセカンドの一塁悪送球で二走の松下も還って2点を先制した。その後は東筑の先発・大越に1安打に抑えられて得点できなかったが、この2点を笠継の好投と堅守で守り切った。

 東筑は1回から6回まで、毎回のように先頭打者を出しながら得点に結びつけられなかった。中でも4回は4番藤尾の右前打と捕逸で無死二塁、さらに杉本の三塁内野安打で無死一、二塁としながら藤岡のバントが捕飛となり、佐藤は三ゴロ併殺打。6回は一死から藤尾、杉本、藤岡の三連打で一死満塁と迫ったが、代打阿部、平山がいずれもニゴロに倒れて得点できなかった。8回も二死一、二塁と最後の粘りを見せたが、堂満が三ゴロ。緩急をつけた投球を見せた笠継を最後まで攻略できなかった。

第49回北九州市長杯争奪高校野球大会準々決勝 (2021年5月1日・土/北九州市民球場)
       一二三四五六七八九 計 HE
 小倉工 020000000 2030

 東 筑 000000000 0101
 小 倉 工 打安点  東  筑  打安点 ◆投手成績
(右)軸 屋 400 (左)田 中 400 小倉工 回 安球振失
(中)成 重 400 (中)名 倉 200 笠継  9 10240
(二) 藤  400  走中 吉川 100 
(左)笹 田 410 (右)藤 井 400 東 筑 回 安球振失

(一)松 下 310 (一)藤 尾 430 大越  9 3121
(三)柴 田 210 (二)杉 本 320 
 走 小野光 000 (捕)藤 岡 310 試合時間
 三 池 尻 000  捕 松 山 110 11:51~13:20
(捕)高 内 201 (遊)佐 藤 210 
(投)笠 継 300  打 阿 部 100 
(遊)大 和 300  三 堂 満 100          
           (三遊)平山 410
           (投)大 越 210
            打 高 﨑 100
振球犠盗残  打安点  振球犠盗残 打安点
21102  2931  422010 3310
※公式記録ではありません
小倉工・笠継

—————-
 安打数(小倉工3、東筑10)を見ても分かるように、終始攻め続けたのは東筑の方だったが、笠継の粘りが上回った。

 しっかりと軸足にためをつくってから投げ込んでくる笠継は序盤、直球が高めに浮いて初回・2回と先頭打者を歩かせた。しかし、この日は何といってもチェンジアップが絶大な効果を発揮した。初回一死二塁ではこの球で3、4番を三振に打ち取ると、2回は無死一塁で迎えた藤岡を6-4-3の併殺に。以後も東筑の右打者はこのチェンジアップをひっかけて内野ゴロにしてしまうケースが目立ち、ショートゴロ6個をはじめ内野ゴロが15個にのぼった。打者は直球と同じフォーム、軌道からスッと落ちるように見えるのだろう。
 10安打を許しはしたが、チェンジアップをバットの先で拾われた当たりのほか、内野安打も2本あり、芯で捕らえられた安打はその半分ほど
。終盤はチェンジアップを投球の軸に据えるなど絶対的な信頼を寄せていることがうかがわれた。3回以降は四死球もなく、無駄な走者を出さなかったことも大きかった。

東筑・大越

 その笠継を上回る投球を見せたのが東筑の右腕・大越。がっしりとした下半身から、力強い直球をテンポよく投げ込んでくる。これにタイミングを外すチェンジアップを交えながら、小倉工打線を3安打無四球(変化球が袖にかすった死球が1つ)に抑えこんだ。
 2回は笹田に高めの直球をセンター前にはじき返されたが、松下の当たりは強い風にも押し戻されたか、センター前に落ちる不運な当たり。この連打をきっかけにスクイズと味方の失策で2点を奪われたが、3回以降に出した走者は死球(4回)、柴田に三塁線を破られた二塁打(7回)、そして振り逃げ(8回)の3人だけ。ほぼ完璧に抑え込んだが、打線の援護に恵まれなかった。

 小倉工は好投の笠継をバックがしっかりと支えた。特に6つのショートゴロを確実にさばいた大和、4つのセカンドゴロをさばいた藤など、内野の堅い守りが光った。

 両投手の好投ばかりが目につき打者の陰は薄かったが、東筑打線では笠継のチェンジアップに右打者が苦しむ中、左打者の4番藤尾が3安打と気を吐き、チャンスメイクの役割を担ったが、ホームを踏むことはできなかった。

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