【観戦記】福岡中央4-0太宰府(福岡地区大会2回戦)




【福岡中央4ー0太宰府(福岡地区大会2回戦)】

4回表福岡中央一死、田北が左越え本塁打を放ち生還

 田北の本塁打などでじわじわとリードを広げた福岡中央が、乙藤~重住の継投で太宰府を完封で下した。

 福岡中央は2回二死から6番田北が中前打。続く占部が三塁前にセーフティバントを決めると、栗山も三塁前セーフティバントを試み、これが三塁手の失策を誘って二死満塁。9番乙藤の時にパスボールで田北が先制のホームを踏んだ。4回は一死後、田北が左越え本塁打を放って追加点をあげた。
 さらに7回には、この回先頭の2番平井が左前打で出塁し、投手牽制悪送球で二進。永野右飛のあと、財津の遊ゴロで二死三塁とし、5番中川の左中間三塁打で平井が生還した。8回は一死から8番栗山がニゴロ失で出塁すると二盗に成功し一死二塁。さらに重住三振の時に三盗も決め、1番押田の一・二塁間のゴロがセカンドの失策を招いて、4点目を挙げた。

 初回二死二塁の先制機を逃した太宰府は、4回にも2番戸谷の中前打と犠打、四球で一死一、二塁の好機を迎えたが、後続が凡退。5回は7番平井が四球を選んだが、8番高千穂の時に捕手の牽制に刺されてタッチアウト。高千穂は右翼線二塁打を放ったが、池田の投飛に飛び出して併殺を喫するなど、走塁ミスが響いた。9回も4番松島の中前打、6番川上夕の左前打などで一死一、二塁と最後の反撃を見せたが、代打小倉が遊ゴロ併殺に倒れ、ホームが遠かった。

第8回福岡地区高校野球大会2回戦 (2021年4月18日・日/桧原運動公園野球場)
       一二三四五六七八九十計HE
 福中央 010100110 490

 太宰府 000000000 076
 福岡中央  打安点   太宰府  打安点 ◆投手成績
(左)荻 本 300 (三)有 久 400 福中央 回 安球振失
 左 押 田 200 (遊)戸 谷 320 乙藤  3.1 2130
(一)平 井 510 (右)中 村 210 重住  5.1 5230
(捕)永 野 410 (中)松 島 310 

打捕 柳 原 110 (二)豊 島 400 太宰府 回 安球振失
(右)財 津 410 (左)川上夕 410 平井  9 9352
 打 酒 井 000 (投)平 井 210 
 右     000  打 小 倉 000 試合時間
(中)池 田 200 (一)高千穂 310 11:15~13:28
 中 中 川 311 (捕)池 田 300
(二)田 北 421            
 二 小 林 100
(遊)占 部 520
(三)栗 山 300
(投)乙 藤 100
 投 重 住 200
振球犠盗残  打安点  振球犠盗残 打安点
530712   4092  63207 2970
※公式記録ではありません
福岡中央の先発・乙藤

—————-
 福岡中央が大技、小技を交えた攻撃で太宰府・平井を攻略した。

 平井の立ち上がりは悪くなかった。力のある直球を軸にカーブ、スライダーを交えながら初回は三者凡退。2回も簡単に二死を取ったが、田北が追い込まれながら見逃せばボールという高めの直球を叩いて中前打で出塁。ここで占部が初球を三塁前に絶妙のセーフティバントを決めると、さらに栗山も初球を三塁前に転がし、サードの失策を誘って満塁。乙藤の時に、低めの変化球を捕手が逸らして1点を先制した。
 4回は田北が内角高めの直球を巻き込むように振り抜き、フェンスオーバー。小柄な選手だが、力のあるところを見せた。7回は二死二塁から、途中出場の中川が左中間を破って3点目。8回は敵失で出た栗山が二盗、三盗を決めて、押田の一・二塁間のゴロが失策を誘ってダメ押し点を加えた。

福岡中央・重住

 福岡中央の先発は背番号10の乙藤。右上手からスライダーを武器に、3回を1安打無四球で無失点。4回はヒットと犠打、四球で一、二塁とピンチを招き、5番豊島にツーボールとなったところでエース重住にスイッチ。3回ああたりから、芯で捕らえられる打球が目立ってきたことも、早めの交代につながったか。
 重住もスライダーを武器にする右腕。スピードはさほど感じなかったが、スライダーを低めに集めて内野ゴロを打たせていった。5回以降も毎回のように走者を出したが、要所を締めた。
 守備ではサード栗山の動きがよかった。5回は有久のサード右への強い当たりをうまいグラブさばきで処理。さらに松島のショート前への緩い打球を素早い動きでカットして一塁で刺すなど、五度の守備機会を堅実にこなした。

太宰府・平井

 太宰府打線も4回以降、毎回のように走者を出したが、決定打を欠いた。5回は先頭打者として四球を選んだ平井が、次打者がバントの構えからバットを引いた時に飛び出して捕手の牽制に刺された。さらに高千穂が二塁打を放ちながら、次打者の投飛で飛び出し痛恨の併殺。7つの盗塁を決めるなど足技を使った攻めを見せた福岡中央に対し、走塁の面でも差が出た。

 先発の平井も味方の失策などで4点を失ったが、粘り強くなげて試合をつくった。7つの盗塁を許すなどかき回されながらも集中力を切らさず、4回一死満塁、5回一死二塁、9回一死二、三塁などのピンチで無得点に抑えた投球は見事だった。

Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*