【観戦記】福岡6-0筑紫丘(福岡地区大会1回戦)




【福岡6-0筑紫丘(福岡地区大会1回戦)】

2回裏福岡二死二、三塁、竹下が一塁線を破る先制三塁打を放つ

 福岡が3投手の継投で筑紫丘打線を2安打無失点に抑え、完封勝ちした。

 初回二死二、三塁の好機を逃した福岡は2回、6番磯田が右前打。田川の投手後方のフライはサードが捕球できなかったが二封して一死一塁。亀田の送りバントが内野安打となり、藤川三振のあと、1番竹下が一塁線を破る三塁打を放って2点を先制した。4回は竹下がライト左を破る三塁打のあと、2番井崎が三遊間を破って1点を追加した。
 6回一死三塁は逃したが、7回は四球で出た5番松尾を代打松本が送り、7番田川のセンター左を破る二塁打で松尾が生還。続く亀田も左越え二塁打を放って2点を加えた。8回には死球で出た4番藤田が二盗を決め、代打廣瀬が送って一死三塁とし、松本の遊ゴロがフィルダースチョイスとなって、6点目を挙げた。

 筑紫丘は初回一死後、四球で出た板垣が二盗を決め、井上毅の中前打と二盗で一死二、三塁。池田も四球を選んで一死満塁と先制機を迎えたが、5・6番が連続三振で無得点。2回も7番小宮が四球のあと、連続暴投で無死三塁としながら後続が倒れ、立ち上がり制球に苦しむ井崎から点が奪えなかった。
 4回は一死から6番浅尾のセンター左を破る二塁打と暴投で一死三塁としたが、小宮の投前セーフティスクイズで本塁を狙った三走が本塁憤死。5回以降は3投手の前に無安打に抑えられ、反撃の糸口がつかめなかった。

第8回福岡地区高校野球大会1回戦 (2021年4月10日・土/雁の巣球場)
       一二三四五六七八九十計HE
 筑紫丘 000000000 022
 福 岡 02010021x 680
 筑紫丘  打安点  福  岡 打安点 ◆投手成績
⑧ 塩 見 400 ⑧7竹 下 322 福 岡 回 安球振失
⑨ 板 垣 300 ①9井 崎 421 井 崎 7 2590
①7井上毅 410 ⑤ 山 田 300 池 田 1 0020
⑤ 池 田 200 ⑨8藤 田 300 吉 村 1 0110

⑥ 平 松 300 ③ 松 尾 200 
H 牟 田 100 H 廣 瀬 000 筑紫丘 回 安球振失
③ 浅 尾 210 1 吉 村 000 井上毅 5 5693
H 井上陽 100 ⑦ 磯 田 310 浦田勇 3 3523

② 小 宮 100 H6松 本 101 
H 浦田琉 100 R 浦 上 000 
④ 白 柳 200 4 赤 星 000 試合時間
⑦ 山 本 200 ② 田 川 411 9:57~12:18
1 浦田勇 100 ⑥46亀田 321
ーーーーーーーーー ④ 藤 川 300

ーーーーーーーーー H 小 林 100
ーーーーーーーーー 13池 田 100
振球犠盗残 打安点 振球犠盗残 打安点
126127 2720 11113514 3086
※公式記録ではありません
福岡の先発・井崎

—————-
 福岡の先発・井崎は、昨夏の福岡地区大会における優勝メンバーの一人で、マウンドも経験している。力のある直球にタイミングを外すチェンジアップが持ち味だ。
 この日の立ち上がりは直球の制球がままならず、2回までに3四球を与えるなど48球を費やした。それでも3回以降は尻上がりに調子を上げ、7回を投げて被安打2、9奪三振。まともに芯で捕らえられたのは4回の浅尾の二塁打くらいで、中盤以降はテンポもよく、力強い投球を見せた。ただ、走者を出した時は制球が乱れる傾向があり、今後の課題となってきそう。
 2番手は左腕の池田。スリークォーター気味のフォームから繰り出すスライダーは、左打者の背中から曲がってくるような印象。1イニングを三者凡退で片づけ、2つの三振を奪った。9回は右サイドハンドの吉村が登板。先頭打者を歩かせるなどボール先行したが、スライダーをうまく使って後続を抑えた。

福岡の2番手・池田

 打線は1番の竹下が三塁打2本、四球を2つ選ぶなど5打席全て出塁して打線を牽引した。ただ、2年生の先発が5人ということもあってか、迫力という点ではやや欠けた。無死走者一塁あるいは二塁の場面で試みた送りバントが三度失敗(スリーバント失敗、バントファールのあと強攻して凡退)に終わるなど、小技でも課題を残した。

 筑紫丘の先発は左腕の井上毅。大きなカーブを交えながらの投球だったが、こちらも序盤はボールが先行する投球となった。3回まで5つの四死球を与え75球を費やした。それでも徐々にカーブが決まり始めると、高めの直球で三振を取るシーンも徐々に見られるようになり、5回を投げて8奪三振(スリーバント失敗を入れると9個)。2番手の浦田勇も右腕からの大きなカーブが武器だが、3イニングスで四死球が4つ(申告敬遠含めると5つ)とやや多く、7・8回は先頭を四死球で出してから失点につながった。

筑紫丘の先発・井上毅

 打線は3投手の前に散発2安打に抑えられた。初回の一死満塁、2回の無死三塁、4回の一死三塁でいずれも無得点に終わったのが痛く、試合の流れを引き寄せることができなかった。

 なおこの試合では、打者が投球の合間にベンチのサインを確認する時、少なくとも片足をバッターボックスに残しておかなければならないという「バッターボックスルール」に沿わず、完全に打席を外してサインを確認していたケースがあり、主審から警告が与えられた。さらに次の投球後にも同様の行為を行ったとして二度目の警告が与えられると同時に、ワンストライクが宣告された(カウントが1-2だったためスリーストライク=三振に)ことを、付記しておく。

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