福大大濠が延長戦制し8強入り、明日東海大相模戦~センバツ




 第93回選抜高校野球大会に出場している九州地区代表の福岡大大濠は26日(金)に具志川商(沖縄)との2回戦にのぞみ、延長11回の末に8-4で勝って準々決勝進出を決めました。チームとしては4年ぶり、福岡県勢としては2年前の筑陽学園以来となるベスト8入りとなります。準々決勝は28日(日)の第2試合で、関東地区代表の東海大相模(神奈川)と対戦します。

11回表無死、松尾が左越えに決勝本塁打を放つ

【試合経過】—————————-
 福岡大大濠が延長戦の末、具志川商との接戦を制した。

 4-4の同点で迎えた11回表、福岡大大濠はこの回先頭の8番松尾が左越え本塁打を放って勝ち越し。さらに土山が四球を選び古川が送って一死二塁。友納の時に暴投で三進し、友納の右前打で2点目。ここで代わった田崎から山下の三ゴロ失で一死一、二塁とし、川上の右前打で友納が生還。なおも一死一、三塁から北嶋が中前に落として勝負を決めた。

 先制したのも福岡大大濠。初回二死後、山下が左前に落とすと盗塁を決め、4番川上の左前打で生還した。同点に追いつかれた2回には一死から毛利がレフト右を破る三塁打を放ち、松尾が中前に落として勝ち越した。
 逆転された直後の4回は、7番毛利が四球。松尾の投前バントは二塁封殺されたが、9番吉田がファールで粘った末に左中間二塁打を放ち、フルカウントでスタートを切っていた一走の松尾が一気に本塁を陥れて追いついた。さらに6回は松尾が中越え3塁打の後、代打福沢の右犠飛で再び勝ち越した。

 具志川商は初回二死後、3番新川が左翼席に運んで追いつくと、1点を追う3回は一死後、9番伊波のセカンド右への内野安打のあと、大城がセンター左を破る二塁打で同点。続く島袋がサード右を破る左前打で大城が生還して逆転に成功した。再びリードを許した6回裏は二死から新川の遊内野安打、狩俣の三ゴロが一塁悪送球を誘って二死一、二塁とし、連続四球で追いついた。
 しかしその後は8回二死二塁、10回無死一塁の好機を生かせず、最後は3回から登板したエース新川が力尽きた。

第93回選抜高校野球大会2回戦 (2021年3月26日・金/阪神甲子園球場)
       一二三四五六七八九十士計HE
福大大濠 11010100004813
具志川商 10200100000411
 福大大濠 打安点  具志川商 打安点 ◆投手成績
④ 古川  400 ⑧ 大城  531 大 濠 回 安球振失
⑤ 友納  611 ④ 島袋  421 毛利 9.2  9483
⑥ 山下  620 ⑥15新川 521 馬場 1.1  2010
② 川上  422 ③ 狩俣  520 具 商
 回 安球振失
⑦ 北嶋  611 ①6粟国  400 粟国  2 4112
⑨ 永井  620 ② 比嘉  411 新川 8.1  7455
① 毛利  310 ⑤ 知名  400 田崎 0.2  2000
1 馬場  000 1 田崎  000 
⑧ 松尾  432 打 中島  100 試合時間
③ 吉田  211 ⑦ 上原  300 2時間39分
打 福沢  001 打7高良  100
3 土山  100 ⑨ 伊波  310
振球犠盗残 打安点 振球犠盗残 打安点
643210 42138 93006 3911

—————-
 具志川商の足を絡めた攻撃に苦しんだ福岡大大濠だったが堅守で最小失点に防ぎ、最後は疲れの見え始めた新川を一気に攻略した。

 先発は1回戦に続き左腕エースの毛利。抜群の緩急と制球力を披露した初戦ほどの出来にはなかったように見えたが、それでも調子が悪いわけではなかった。その毛利を具志川商は足を使って揺さぶり、攻略の糸口をつかもうとしてきた。
 1点を追う3回は一二塁間の緩いゴロを伊波が俊足を生かして内野安打とすると、打者大城の時に二度ヒットエンド・ランを敢行(いずれもファール)。たまらず毛利が直球を続けたところを大城がセンター右にはじき返し、続く島袋も直球を叩いて痛烈にサード右を破った。
 6回は新川のゴロをショート山下が待って処理した分、内野安打となり、狩俣の三塁線へのゴロは一塁送球が逸れ、その後の押し出し四球につながった。足で守備陣に重圧をかける攻撃が実を結んだ結果ともいえ、昨秋の九州大会で完封を喫した毛利から4点を奪う。

 しかし、その足攻を封じたのも福岡大大濠守備陣だった。具志川商が三度仕掛けてきた二盗をいずれも川上が刺した。特に同点の8回一死一塁の場面は4回と同じように足を使ってきたが、川上が落ち着いて刺した。3回に逆転の左前打を放った島袋がレフトからの本塁送球の間に二塁を狙ったが、これも川上が冷静に刺した。6回は先頭の大城が右越えの長打を放ち三塁を狙ったが、ライト~セカンドの好中継で三塁で刺すなど随所で堅守を披露し、ピンチの芽を摘んできた。

 打線はこの試合でも再三好機をつくり、押し気味に試合を進めた。初回先制した後の二死二塁、2回勝ち越した後の二死一、二塁、3回にも川上が盗塁を決めるなど二死二塁としたが追加点が奪えず。5回には山下の左翼線二塁打をきっかけに一死三塁としたが無得点。8回は一死二、三塁からスクイズが外され、延長10回も二死から永井が二塁打を放ちながら本塁が遠く、残塁数が増え続ける嫌な流れではあった。
 それでも要所を抑える毛利の粘り強い投球と堅守で耐え続け、具志川商・新川の疲れが見え始めた11回に一気に勝負を決めた。

 準々決勝の東海大相模戦は、中一日で28日(日)。初戦で143球、2回戦でも135球を投げた毛利は球数もさることながら、いずれも気の抜けない接戦を経験し、疲労はかなりのものだと推察される。この日甲子園のマウンドを経験した馬場を先発させて終盤勝負にもちこみ、ここぞという場面で毛利を投入してくる戦い方も十分に考えられる。
 東海大相模の先発は2回戦登板のなかった右腕・石川か。初戦の東海大甲府戦でも8回6安打1失点と好投。控えには二枚看板の左腕・石田も控える。2試合で失点1の投手陣だけに福岡大大濠打線も大量得点はハードルが高い。この日のような粘り強く戦い、競り合いに勝機を見出したい。

 

 

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