毛利が10奪三振の力投、福大大濠が大崎に雪辱~センバツ




 第93回選抜高校野球大会に出場している九州地区代表の福岡大大濠は22日(月)に大崎(長崎)との初戦にのぞみ、2-1で競り勝って昨秋九州大会決勝で敗れた雪辱を果たしました。チームとしては4年ぶり、福岡県勢としては2年前の筑陽学園以来のセンバツでの勝利となります。2回戦は26日(金)の第2試合で、昨秋の九州大会準々決勝で勝利した具志川商(沖縄)と対戦します。

【試合経過】—————————-
 福岡大大濠がエース・毛利の力投で、大崎との投手戦を制した。

 初回一死一、三塁の好機を逃した福岡大大濠は2回、5番北嶋が遊失で出ると、続く永井が送って一死二塁。毛利四球で一死一、二塁とし、8番松尾の時に暴投で一死二、三塁となったあと、松尾が中前打を放って2者が生還。これが決勝点となった。
 6回まで福岡大大濠の毛利に1安打に抑えられていた大崎は7回一死後、4番調が中前打、続く田栗も左前打で続き一死一、二塁。6番松本は左飛に倒れたが、坂本が中前に弾き返して1点を返した。なおも二死一、二塁の同点機を迎えたが、打者村田の時に二走が捕手のけん制に刺され、反撃の芽を摘まれた。

 毛利は伸びのある直球にチェンジアップ、カーブ、スライダーなどを交えながら好投。7回に3安打を集中されて1点を失ったものの、10三振を奪って危なげなく完投した。大崎の先発・坂本は序盤制球に苦しみ、2回に2失点。その後も再三走者を出しながら粘り強く投げ失点を許さなかったが、打線が毛利を打ち崩せなかった。

第93回選抜高校野球大会1回戦 (2021年3月22日・月/阪神甲子園球場)
       一二三四五六七八九十計HE
福大大濠 020000000 261
大  崎 000000100 142
 福大大濠 打安点  大 崎  打安点 ◆投手成績
④ 古川  400 ⑧ 池田  400 大 濠 回 安球振失
⑤ 友納  320 ⑨ 乙内  400 毛 利 9 4110
⑥ 山下  310 ④ 村上  400 
② 川上  400 ② 調   420 大 崎
 回 安球振失
⑦ 北嶋  410 ③ 田栗  310 坂 本 9 6421
⑨ 永井  310 ⑦ 松本  200 
① 毛利  300 ① 坂本  311 試合時間
⑧ 松尾  312 ⑥ 村田  300 1時間43分
③ 土山  200 ⑤ 山口  300
振球犠盗残 打安点 振球犠盗残 打安点
24307 2962 101013 3041

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 この試合は何といっても左腕エース・毛利の力投に尽きる。

 初回、先頭の池田に初球から3球続けて100キロ台のカーブを投じる。さらに2番乙内に1球、3番村上にも3球投げ、これで大崎の打者はカーブをかなり意識するようになったのではないか。2回に先頭の調にカーブを左前に運ばれると、そこからは一転して直球で押す。球速は130キロ台だが球速表示よりも速く見えたし、カーブへの意識があった大崎の打者は、特に速く感じたのではないか。四死球もわずか1つで制球を乱す場面もほとんどなく、3回以降は直球の軌道から沈むチェンジアップも交えながら、3~6回と三者凡退に抑える完ぺきな投球を見せた。
 7回は二死一、二塁から坂本に直球を続けて中前に合わされて失点したが、走者を許したのは2回(一死一、二塁)とこの回だけ。8回はギアを上げて三者連続三振に打ち取ると、9回も三人で片付け、大崎に反撃を許さなかった。

 攻撃面では課題を残した。初回2安打で作った一死一、三塁、2回2点を先制した後の二死二塁、さらに3回一死三塁、5回一死一、二塁、9回二死満塁と再三塁上を賑わしながら、あと一本が出なかった。2回の2点も敵失に四球、暴投が絡んでの得点で、序盤制球に苦しむ大崎・坂本と内野守備の乱れに助けられた形だった。
 もっとも、昨秋の九州大会でも投手陣を中心とした堅い守りで勝ち上がってきたチーム。三度の送りバントを確実に決め、若いアウトカウントで走者が一塁、二塁に出ると確実に送ってくる福岡大大濠らしい戦い方は貫けたともいえる。

 2回戦はまたしても九州大会の再戦となる具志川商が相手。この時は3-0で毛利が完封している。中3日での登板となるが、福岡大大濠には2年生右腕の馬場も控えている。中1日で迎える準々決勝のことも視野に入れながら、当日の調子いかんでは馬場の先発も十分に考えられそうだ。

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