山下(福大大濠)はオリックス1位、福岡県の高校出身は5人指名




 26日(月)に行われた2020年プロ野球ドラフト会議で、福岡の高校生では福岡大大濠の山下舜平大投手がオリックス1位で指名されました。福岡大大濠からは2016年の濱地真澄投手(阪神4位)以来、大学経由では昨年の坂本裕哉投手(DeNA2位)に続く指名となりました。
 また、福岡の高校出身選手では、古川裕大捕手(久留米商→上武大)が日本ハム3位、大曲錬投手(西日本短大附→福岡大)が西武5位、岩田将貴投手(九産大九州→九州産業大)が阪神の育成1位、丸山翔大投手(小倉工→西日本工業大)がヤクルト育成4位、古長拓内野手(九州国際大付→東北マークス→福島レッドホープス)がオリックス育成6位でそれぞれ指名されました。
 山下投手に関しては先日の記事で触れましたので、今日はそれ以外の選手を見てみたいと思います。

高校1年秋、久留米戦で本塁打を放った古川捕手

古川裕大捕手(右投左打)【日本ハム3位】/久留米商(2014~16年)→上武大(2017年~)

 久留米商では1年秋からレギュラーとして活躍。秋初戦(対久留米戦)でいきなり右中間に特大の本塁打を放ちました。観戦メモには「がっしりとした体格をした左打者。リストも柔らかそうで(中略)、本塁打の次の打席も、あわや二打席連続かと思わせる中堅への大きな当たりを見せており、今後の成長が楽しみ」(1年秋2回戦・久留米戦)「1打席目は低めの変化球にうまく反応して中前にはじき返し、3打席目のタイムリーは直球を振り抜くと打球がライナーで伸び、センターの右を破る痛烈な当たり。打撃に柔らかさを感じ、あわせるだけで強く大きな打球が打てる」(3年春2回戦・西日本短大附戦)とあり、その立派な体格とあわせて当時から目を引く存在でした。
 高校時代には甲子園や九州大会への出場は叶いませんでしたが、上武大(関甲新学生野球連盟)では3年春秋のリーグでいずれも打率4割超の成績を残し、本塁打も計8本放つなどブレイク。ベストナインや大学日本代表にも選ばれるなど、大きく飛躍を遂げています。

大曲錬投手(右投右打)【西武5位】/西日本短大附(2014~16年)→福岡大(2017年~)

 西日本短大附時代は、2年生の時に内野手から投手に転向したサイドハンドの控え投手。右腕エースの谷口投手に隠れて公式戦での登板機会には恵まれませんでした。チームは3年春に九州大会で準優勝しましたが、この時も準決勝(長崎日大戦)で2番手で登板し、2イニングス(被安打3自責点2)を投げただけ。最後の夏もチームは5回戦まで勝ち上がりましたが、登板機会はありませんでした。2学年上のお兄さん(大曲樹外野手)も強打の1番打者として活躍。「西短の大曲」と言えば、お兄さんの方を思い浮かべる人も多いかもしれません。
 卒業後に進んだ福岡大学準硬式野球部でサイドハンドから上手投げに変えたことで球威が上がり、最速154キロを計測するまでに成長。準硬式からのプロ入りということも話題を呼びました。西日本短大附からは2018年の中村宜聖内野手(ソフトバンク育成4位)以来の指名となりました。

九産大九州時代の岩田投手

岩田将貴投手(左投左打)【阪神育成1位】/九産大九州(2014~16年)→九州産業大(2017年~)

 一度打者に背中を見せる左サイドハンドの独特なフォームを覚えているファンも多いと思います。九産大九州1年秋の九州大会でベスト4に進出し、翌春センバツに出場。初戦で近江(滋賀)に0-2で敗れましたが、被安打3自責点1の堂々たる投球を見せました。
 直球のスピードは120キロ台ながら長いリーチを生かした左サイドハンドからの投球は左打者にとっては背中から来る感じで打ちづらく、右打者には膝元に決まるクロスファイヤーが威力を発揮しました。これにスライダーやスクリューなどの変化球を低めに集めて打たせて取る投球術は、当時から群を抜いていました。九州産業大では2年春のリーグ戦で防御率1位、MVPに輝くなど優勝に貢献。全日本大学選手権では4強進出の原動力となるなど、さらなる進化を遂げています。
 2年夏に肘の手術をしましたが、その後復帰を果たしました。九産大九州出身では2017年の井手亮太郎投手(楽天育成1位/九州産業大)以来、九州産業大学からは昨年の福森耀真投手(楽天5位)に続き、2年連続の指名となりました。

丸山翔大投手(右投左打)【ヤクルト育成4位】/小倉工(2014~16年)→西日本工業大(2017年~)

 190センチの大型右腕ですが、高校時代の注目度はさほど高くなかったと記憶しています。3年夏は初戦で左腕・梅田投手のいたシード・東筑を相手に1失点完投で勝利、チームは4回戦まで進出しました。卒業後に進んだ西日本工大では主に救援投手として出場。特筆する成績は残していませんが、8月の試合で148キロを投げたことで注目されるようになったようです。
 小倉工出身選手としては、1985年の森博幸選手(西武5位/新日鐵君津)以来、実に35年ぶり、西日本工大からは初の指名選手となりました。

古長拓内野手(右投右打)【オリックス育成6位】/九州国際大付(2010~12年)→東北マークス→福島レッドホープス

 出身は福島県。九州国際大付での最後の夏は2番左翼でベスト8入りを果たしましたが、自身は11打数2安打と振るいませんでした。その後、九州共立大に進みますが中退、NTT東北を母体とするクラブチーム「東北マークス」を経て、BCリーグの福島レッドホープスに入団。今シーズンは守備固めでの起用が多く36試合で打率1割5分5厘、打点2。数字的には物足りなさも残る印象ですが、スポーツ報知によると「熱いハートで内野すべてを守れる。巧みなバットコントロールが魅力の独立リーグを代表する選手」(担当の上村スカウト)ということです。
 福島レッドホープスからは初の、九州国際大付出身選手としては、2018年の富山凌雅投手(オリックス4位/トヨタ自動車)以来の指名となりました。


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