18日から北九州、福岡中央地区でも球音~がんばれ福岡2020




 第102回全国高校野球選手権大会福岡大会の代替大会「がんばれ福岡2020」の北九州地区高校野球大会、福岡中央地区高校野球大会が18日(土)に開幕します。
 例年であれば県大会が開幕するこの時期。北部でもいよいよ球音が響き渡ります。両大会は福岡、筑後地区大会のようなリーグ戦はなく、いきなりトーナメント戦の一発勝負。北九州地区では九州国際大付や八幡南、小倉工、真颯館などを中心とした優勝争いが繰り広げられそうです。福岡中央地区では、過去3年間の同大会(4月・8月開催)で優勝5回、準優勝1回を誇る絶対王者・飯塚に、東海大福岡、宗像、光陵、鞍手などが望む展開となりそうです。

 

 南部同様、昨年末~年初の時点でまとめた北部地区の注目選手たちを再掲しておきたいと思います(学年および「今年→昨年」などのみ修正)。

【投手】

◆酒井 教平(九州国際大付=3年/右
 2016年夏を制した時のエース・藤本海斗投手(現JX-ENEOS)、1学年上の下村投手と、ここ数年九州国際大付が輩出してきた右本格派の系譜を継ぎ、140キロ超の直球や鋭いスライダーを使って三振が取れる右腕です。チームがベスト4に進出した昨夏も、エース下村投手に次ぐ2番手のポジションを掴み3試合で先発。4試合19イニングスを投げて27個の三振を奪うなど、高い奪三振率を記録しました。期待された秋は準々決勝でタイブレークの末に福岡第一に敗れましたが、県下屈指の右腕として引き続き今年の活躍が期待されます。

◆濵本 建(八幡南=3年/右)
 秋に見た中では、北部でいちばん印象に残った右腕でした。上背に恵まれているわけではありませんが、柔らかなフォームから放たれる135キロ前後(確認した最速=137キロ/北九州市民)の直球は伸びがあり、低めに制球された内角球で詰まらせる場面がしばしば目に付きました。これに縦に落ちるスライダーを使った投球が冴え、準々決勝までの試合は全て2点以下に抑えてきました。三振の山を築くタイプではありませんが四死球も少なく、強打の久留米商を6安打1失点に抑えた準々決勝は圧巻の投球でした。

◆中村 浩輝(宗像=3年/右
 秋ベスト4進出の原動力となった右サイドハンドの好投手です。投手としては小柄で、直球は120キロに届くかどうかというところですが、抜群の制球力を武器に東海大福岡、九産大九州などの強豪を抑えてきました。一度浮き上がってから沈むような100キロ台のスライダーできわどいコースを突き、内野ゴロを打たせてとる投球が見事でした。走者を出してからも大きく崩れない粘りも持ち味。右のサイドハンドの中で安定感は県下屈指と言えるでしょう。この夏、どのような投球を見せてくれるか注目されます。

【野手】

◆久木田 和志(小倉工・内野手=3年/右)
 1年夏から4番に座る大型選手で、これまでもたびたび注目選手として紹介してきました。球をギリギリまで引き付けてから腰の座ったスイングでバットを一閃、大きなフォロースルーの後押しも受けた痛烈な当たりが左中間、右中間に飛んでいきます。ボール球には手を出さず、四球が多いのも特徴です。昨夏も2回戦の直方戦で本塁打を放つなどチームの8強入りに貢献。秋季大会3回戦の戸畑戦では1点を追う9回裏にレフトフェンス直撃の逆転二塁打を放って試合を決めるなど、勝負強さも兼ね備えています。

◆石橋 孝汰(宗像・内野手=3年/左
 秋ベスト4進出の宗像の4番打者。外野の間を低いライナーで抜くような、中距離打者タイプです。秋季大会では3回戦の東海大福岡戦、準決勝の福岡第一戦でいずれも初回の好機に先制打を放ち勝負強さを見せました。大型のセカンドとしての守備力も光ります。ヒット性の強く難しいバウンドのゴロも抜群のグラブさばきで処理し、一二塁間の深いゴロに追いついて強肩で二塁で刺すなど、再三チームのピンチを防ぎました。単打と犠打を使って得点を重ねるチームにあって長打力のある貴重な選手であり、チームの攻守の要として活躍が期待されます。

◆井上 堅心(九州国際大付・外野手=3年/右)
 昨春の大会では2年生ながら4番に抜擢されました。夏は7番を打っていましたが、新チームから再び4番へ。打撃にはまだ粗さも感じますが、甘い球を逃さず強烈に引っ張るパワーが魅力です。観戦した試合では秋季大会3回戦の古賀竟成館戦でレフトポール際に一発を放ちました。夏は捕手としてたびたび強肩を披露。準々決勝の福岡大大濠戦では3つの盗塁をことごとく刺して機動力を封じ、勝利に貢献しました。秋は背番号2を付けながら外野手として出場。ポジションは流動的ながら、九州国際大付の4番打者として目が離せません。

◆友廣 元(東筑・内野手=3年/左
 小柄な左打者で、夏の大会では8番打者ながら23打数9安打、打率.391と活躍。センターを中心にコンパクトな打撃を見せ、チームの4強進出に貢献しました。ここ数年の東筑は強力な打線で上位進出を果たしていますが、前チームの手嶋選手、その一つ前の代の阿部選手など、左の巧打者の存在が打線に厚みとつながりを持たせていると感じます。

 

 このほかでは1年秋からレギュラーとして活躍、勝負強い打撃と一発の長打力も秘める常軒海里内野手(小倉工=3年/右)、逆らわない打撃で左方向に強打を放つ高松龍哉内野手(八幡南=2年/左)などにも注目したいと思います。


Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*