【福工大城東7-5八幡南(秋季大会準決勝)】
八幡南の好投手・濵本から12安打を放って5回までに7点を奪った福工大城東が、八幡南の終盤の追い上げをしのいで逃げ切った。
福工大城東は2回二死後、8番吉見が三ゴロ悪送球で出ると二盗を決め、藤木の四球で二死一、二塁とし、1番内田が右中間二塁打を放って2点を先制。3回は一死から4番誉田に左越え本塁打が飛び出して1点を追加した。
1点差に迫られた直後の5回は四球で出た内田を川本が送り、竹之内の右前打で一死一、三塁とすると、続く誉田の左前打でまず1点。さらに5番小金丸も左前打で続き一死満塁とし、松永三振のあと、7番松田が走者一掃の左中間二塁打を放ってこの回4点をあげた。
6回以降も毎回のように安打を放ってチャンスをつくりながら追加点を奪えなかったが、5回から登板した2番手の西野が八幡南の反撃をしのぎ、リードを守り切った。
八幡南は4回一死後、4番山口が右前打、続く能間がレフト右への二塁打で一死二、三塁。中村は浅い中飛に倒れたが、7番脇元が左前打を放って2者が生還した。5点を追う6回は3番高松の左越え二塁打と山口の一ゴロで一死三塁とし、能間の中前打で1点を返した。
さらに8回には2番日永が右前打、高松も左前打で続くと、山口も中前打を放って無死満塁とし、能間三振のあと、中村の中前打で1点を追加。9回も代打小田が遊内野安打で出塁し、1番荒牧も左前打で無死一、二塁。日永は遊ゴロ(二塁封殺)に倒れたが、高松の右前打で小田が還って2点差とした。なおも一死一、二塁と好機が続いたが、後続が凡退。6回以降に9安打を放って激しく追い上げたが、得点をあげた後の6回二死二塁、8回一死満塁で追加点が奪えず、5点のリードを跳ね返せなかった。
福工大城東打線と八幡南・濵本の対決は、4回を除く毎回安打を放った福工大城東打線に軍配が上がった。
濵本は初回、2安打を許したが、135キロ前後の直球にスライダーが低めに決まり悪くはない立ち上がり。2回も簡単に二死をとったが、吉見の何でもない三ゴロをサードが一塁悪送球。続く9番投手・藤木のところで切っておきたかったが四球を与え、内田に3-1から高めに浮いた直球を右中間に運ばれて2点を失った。3回、誉田に浴びた一発も136キロの直球が高めに浮いたもの。基本、直球は低めに制球されていたが、スライダーが高く浮き、ストライクを取りにいった甘い直球を福工大城東打線は見逃さなかった。
5回は先頭の内田が9球粘った末に四球。川本が送ると、3~5番が3連打。いずれも快心という当たりではなかったが、上から強く叩いた打球が内野の間を抜けていった。濵本は松永を三振に打ち取り二死まで漕ぎつけたものの、松田に走者を一掃される痛恨の二塁打を浴び、3人が生還し5点差となって完全に福工大城東が主導権を握ることになった。
それでも八幡南は後半、粘り強く戦い続けた。濵本は6回以降も毎回のように安打を許し7~9回は得点圏に走者を背負ったが、決定打を許さなかった。よい具合に力みが抜けてスライダーが決まるようになり、直球も球速は130キロ台前半に落ちたが、低めに集まるようになった。
打線は3回まで福工大城東の先発・藤木の前に無安打だったが、4回に3安打で2点。5点差となった6回も2番手の西野から高松、能間の長短打で1点を返す。8回は2~4番が逆方向に単打を連ね無死満塁。一死後、中村の中前打で4-7と迫りなおも一死満塁、長打が出れば一気に追いつけるところまで迫った。脇元は投ゴロで二死となったが1-2-3の併殺は辛うじて逃れ、なおも満塁の好機は続き、打席には8番投手の濵本。ここまで全くタイミングがあっておらず無安打、終盤であることを考えると代打を送って勝負をかけてもよい場面だったが、そのまま打たせてニゴロ。濵本を上回る打力のある選手がいなかったのか、あるいは上位に回る9回の攻撃に期待をかけたか…。
9回も3安打で1点を返し、なおも一死一、二塁でこの日2安打の4番・5番を迎えたが、あと一本が出なかった。それでも8・9回に7安打を集中させ、福工大城東と同じ12安打を放って同点が視界に入るところまで持ってきた粘りは見事だった。
福工大城東の先発藤木は、120キロ台前半の直球にスライダー、チェンジアップを低めに集める投球で初回は三者凡退。2回は先頭の山口にストレートの四球を与えたが、一死後、1-1から二盗を仕掛けてきた山口をバッテリーが見事に外して二塁で刺した。4回に3安打で2点を失いこの回で降板。緩い変化球をうまく使いながら打たせて取るのが持ち味で、先発の役割は果たした。
5回からはサイドハンドの西野がマウンドへ。パート決勝の春日戦もそうだったが、藤木が3~4回を抑えて西野につなぐのが、福工大城東の継投パターンとなっている。登板直後の5回は、120キロ台後半の力のある直球で三者連続三振。しかし6回は中軸に2安打を許して1失点、8回も2番以下に3連打を浴びるなど失点し、9回も八幡南の粘りにあった。
6イニングスを投げた春日戦、そして5イニングスを投げたこの日も四死球はゼロと制球にすぐれるが、縦の変化がない分、打者は合わせやすいのかもしれない。この日の被安打は9。春日戦も12安打を許しており、九州大会に向けては一抹の不安を残す結果となった。
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