【観戦記】福工大城東10-7春日(秋季大会パート決勝)




【福工大城東10-7春日(秋季大会パート決勝)】

※本記録は公式記録ではありません

 両校あわせて31安打が乱れ飛ぶ乱打戦となったが、常に先手を取り続けた福工大城東が、粘る春日を振り切った。

 福工大城東は初回、先頭の内田が左前打で出ると川本が送り一死二塁。小金丸三振のあと、4番誉田が中前打を放って先制した。さらに竹之内も中前打で続き二死一、二塁から、松永がセンター右を破る二塁打で2者が生還してこの回3点をあげた。3回は誉田が投手強襲安打で出ると、竹之内がバスターでショートを左を破り、松永が送って一死二、三塁。7番吉見の中犠飛で1点を追加した。
 2点差に迫られた6回は9番西野が四球を選ぶと内田の投前バントが失策を誘い、川本の犠打で一死二、三塁。小金丸死球のあと登板した2番手小早川から誉田が左犠飛を放ち1点を加えた。7回は一死後、吉見、尾石が連続死球。西野が送り一死二、三塁から内田の右中間二塁打で2点を追加。川本四球のあと、3番手前田から小金丸がレフト左への二塁打を放ってさらに2点を加えた。
 9回にも左中間二塁打で出塁した川本を小金丸が送り、誉田四球のあと竹之内の左犠飛で突き放した。

1回表福工大城東二死二塁 誉田が先制の中前適時打を放つ

 春日も粘り強く追い上げた。4点を追う3回、8番三郎丸が四球を選ぶとボークで二進。東が送り、1番平野の右前打で1点を返した。続く4回には4番平井が四球で出塁すると、ここで登板した2番手西野から利田が一塁前にプッシュバントを決めて無死一、二塁。さらに山口の三塁側へのバントを西野が処理しようとして足を滑らせ(記録はヒット)無死満塁。続く永野が詰まりながら左前に落として平井が生還した。
 6回は一死から6番山口が三塁線を破る二塁打で出ると、永野右前打で一、三塁とし、三郎丸の右前打で1点を追加。3-9で迎えた7回には2番大和が中前打、続く友永もレフト左への二塁打で無死二、三塁。平井は三振に倒れたが、利田が中前に落として2者を迎え入れた。9回も一死から利田が遊ゴロ悪送球で出ると、代打江島が左中間を破る三塁打を放ちまず1点。さらに永野のニゴロの間に江島も生還して3点差まで迫ったが反撃もここまで。15安打で7点を奪ったが失点が大きく、追撃も及ばなかった。


春日の先発・東

 両校あわせて三者凡退は一度だけ。毎回のように走者が塁上を賑わし、3時間を超える長い試合となった。
 春日の先発は右腕の東。相手を威圧するような球威はないが、スライダー、抜くように投げてくるカーブも含めて制球にすぐれた投手。ただ初回はこの変化球がやや甘く入り5安打を浴びて3失点。誉田の先制打は叩きつけた打球が投手の前で大きく跳ねてセンターに抜ける一打。竹之内はカーブをセンター前に運び、松永はセンター右をライナーで破る二塁打。吉見もカーブをつまりながらセンター前に持って行った。5回まで毎回安打を許したが、少し変化球が多かった印象。直球で押すようになった4、5回は安定感も出てきて、5回まで4失点で踏ん張った。6回先頭の西野に初めて四球を許し、内田の送りバントの処理を誤りピンチを広げ、犠打と死球で一死満塁とされたところで降板した。

3回裏春日一死三塁、平野が右前適時打を放つ

 2番手の右腕小早川はこのピンチは犠飛による1点に抑えたが、7回2つの四球を与え、内角直球を内田に深々と右中間を破られて2失点。次打者川本に3-2となったところで降板。3番手の左腕前田は川本を歩かせると、小金丸に二塁打を浴びてさらに2失点。結果的にこの回の4失点が大きかった。前田は落差のあるスライダーが目を引いたが、やはり3つの四球を与えるなど制球に課題を残した。
 福工大城東はこの3投手に5回を除く毎回の16安打を浴びせて10点。複数の走者を置いての長打が3本(松永、内田、小金丸)で6打点。10得点すべてに打点がつき各打者の勝負強さが光った。また、送りバント5つも確実に決め、犠牲フライも3つ。内野ゴロ併殺で二度チャンスはつぶしたものの、失点した後に得点を重ねて試合の主導権を握り続けた。打線に力がある今年は久々の九州大会出場も十分に狙えそうだ。

福工大城東先発の藤木

 福工大城東の先発はエースナンバーをつけた右腕藤木。直球で内外角をきわどく突き、小さく曲がるスライダーに抜いた変化球も使いながら3回まで被安打3、与四死球1で1失点。悪くはない内容だったが、4回先頭打者に四球を与えたところで西野に交代。前チームでもそうだったが、福工大城東は早めに継投を仕掛けてくる。

福工大城東・西野

 2番手の西野は右サイドハンド。直球に伸びがあり、外に逃げるスライダーも効果的だったが、春日は粘り強く攻めた。代わりばなの4回は2本のバントヒットと永野のレフト線に落ちるポテンヒットで1点。6回は下位の3連打、7回は利田が詰まりながらセンター間に落として2者を迎え入れた。決して芯で捕らえたヒットばかりではなかったが、各打者ともしぶとい打撃で食らいついた。ファールで粘るシーンも多く、また際どいコースも見極めたことで西野の球数は120球近くにのぼった。9回は敵失の走者を一塁に置き、代打江島が左中間を深々と破る三塁打を放ち、スタンドを沸かせた。
 県大会は逃した春日だがベスト8に進出した前チームと同様、粘り強く戦える好チーム。来年も楽しみな存在となりそうだ。

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