【観戦記】福岡第一16-7大牟田(秋季大会パート決勝)




【福岡第一16-7大牟田(秋季大会パート決勝)】

※本記録は公式記録ではありません

 福岡第一が毎回安打・全員安打の18安打で大牟田に打ち勝った。

 初回に2点を先制された福岡第一はその裏、三谷が投手を強襲する内野安打を放つと、永尾が送り一死二塁。和間四球のあと、4番岸本が左中間本塁打を放って逆転した。2回は7番石井が中前打で出ると石橋が送り、伊藤左前打で一死一、三塁とし、三谷の右前打で石井が生還した。さらに永尾も三塁前のバント安打を決めて一死満塁とし大牟田先発の花田をKOすると、2番手・大世戸から和間が右前打を放ち2者を迎え入れ、続く岸本の左前打で永尾も生還して4点目。樗木捕飛で二死一、二塁となったが、6番池田が右翼線二塁打を放って2者が還り、この回6点を奪った。

1回裏福岡第一一死一、二塁 岸本が左中間に逆転本塁打を放つ

 3回も攻撃の手を緩めず、中前打で出た8番石橋を伊藤が送り、三谷三振のあと、永尾が左翼線に落としてまず1点。和間四球のあと岸本の左前打で永尾が生還すると、なおも二死一、二塁から樗木も左前打で続き和間が還って、この回3点を追加した。
 5点差に迫られた6回は、一死から石井が四球で出ると8番久場の左前打、伊藤の遊ゴロ失で一死満塁とし、三谷が押し出しの四球を選んでまず1点。さらに永尾の右前打で1点を加えると、ここで登板した大牟田3番手の田中(琉)から和間が右前打を放って2人が還り、この回4点を奪って突き放した。

 大牟田は初回、野中が中前打で出塁すると牟田が送り、野口四球、春木右前打で一死満塁とし、5番猿渡の押し出し死球で先制。さらに佐々木の三ゴロが失策を招き野口が生還、この回2点を先制した。10点を追う5回は2番牟田が右前打、野口のセンター左への打球はセンターがダイビングキャッチを試みるも捕球できず二塁打となり無死二、三塁とし、春木の右前打で1点を返してコールドを一旦は阻止した。
 6回にも一死から花田が中前打で出ると、野中左前打、牟田の三ゴロ失で一死満塁とし、野口の中前打でまず1点。ここで登板した福岡第一の2番手久場から春木の捕手前のゴロが内野安打となりさらに1点を加えると、猿渡も右前打で続き2者が生還、4点を返して7-12と迫ったが、投手陣が福岡第一打線を抑えきれず及ばなかった。


5回表大牟田無死二、三塁 春木が右前適時打を放つ

 福岡第一打線が大牟田の好投手花田を早々と攻略、その後も攻撃の手を緩めず18安打を放って圧倒した。
 大牟田の左腕花田は、やや上半身に頼ったフォームながらキレのある直球を投げ込んでくる。この直球が右打者の膝元に決まると攻略は容易ではないが、この日はやや厳しさに欠けた。スライダーも高く浮いてストライクが取れず、ほぼ直球一本槍の投球となり、コース・高低と甘く入ったところを痛打された。伸びのある直球を生かすためにも、タイミングを外す緩い変化球がもう一つ欲しところ。

大牟田・花田

 初回の岸本の本塁打は、四球の直後の初球を狙い打った一発。左中間スタンドの最深部まで運んだ。2回は7番石井から送りバントを挟んで6連打。3回までに13安打で全員安打を記録するなど嵐のような攻撃を見せた。この日2安打4打点の3番和間はいずれも外角球を右方向へうまくはじき返し、岸本はパワフルな打撃で2、3打席目もタイムリーを放ち5打点と大暴れ。4安打の2番永尾、2安打の1番三谷を含め1~4番だけで11安打を放つなど上位打線の好調ぶりが光った。

福岡第一・石橋

 福岡第一の先発石橋は、右サイドハンドから直球を内外角低めに集め、スライダーを交えながら打たせて取る投球。初回はきわどいコースが外れて四死球を与えるなど2点を失ったが、2回以降は徐々に立ち直り直球にも勢いが出てきたように感じた。5回は1点を失ってなおも無死一、三塁とピンチが続いたが、5~7番を三者連続三振に仕留めて最小失点にとどめた。右打者の内角を厳しく突き、その後に外に逃げるスライダーが効果的だった。6回も崩れたわけではないが、詰まらせた当たりがヒットになり、味方の失策も絡んで1点を失ったところで降板した。

福岡第一・久場

 2番手は久場。前チームでもたびたび登板している左腕。代わりばな、内野安打と2点タイムリーを許したが後続を断ち、7回は三者凡退で退けた。スライダー、カーブ?など変化球をうまく使って5つのアウトのうち3つを三振で奪った。

 猛打の一方で、守備にはやや課題も残った。内野に二つの失策がつき、6回一死満塁での春木の捕手前の当たり損ないの内野安打も、アウトにできた打球。ホームベースから2~3mのところで捕球した後、ミットからホームに飛び込めばアウトのタイミングだったが、足でベースを踏もうとした分、走者の足が勝った。点差がついていただけに大勢に影響はなかったが、防げた失点だった。

大牟田・大世戸

 大牟田打線も11安打を放って応戦した。左の強打者・4番春木はライト方向に鋭く引っ張る打球で2安打。花田は投手ながら打撃センスもあり2安打。もっとも外野を守っていた前チームでは1番打者を務めており、柔らかなバットコントロールが光る。こちらも1~5番で9安打を記録、上位打線には力がある。
 花田のあとを受けた1年生右腕の大世戸は直球に力があるが、高く浮いたところを福岡第一の各打者に叩かれた。ただ、落差あるカーブで安定してストライクが取れるのは強み。もう少し直球が厳しいところに決まるようになってくれば、緩急をつけた投球が生きてきそうだ。

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